「海に眠るダイヤモンド」ドラマ設定を考察1955年と2018年

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。
スポンサーリンク

日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」第1話が放送され、端島(軍艦島)の再現ぶりに感激しました。

ここから始まる物語にSNSでは考察が盛り上がっていますね。

「海に眠るダイヤモンド」は脚本家・野木亜紀子と新井順子プロデューサーが長崎旅行に行ったことから始まったとのこと。塚原あゆ子が監督を務め、今乗りに乗っている最強タッグですね。

ドラマの脚本を書くにあたって、端島の元住民の方々を取材し、面白いエピソードがたくさんあったとのことで、ドラマでも取り上げられるそうです。

ドラマの舞台となる時代をどのように設定したのかを考察しています。

目次

軍艦島(端島)の歴史

1810年に岩礁に露出した石炭を漁師が発見したことから、端島の歴史が始まります。

端島の最盛期は大正から昭和にかけての時代です。1916年日本で始めての鉄筋コンクリート高層アパートが建設されました。ドラマでも紹介していましたね。

戦後は、復員した人々が職を求めて各地の炭鉱に労働者が集まり、端島でも人口が急激に増加しています。

人口増加の理由として、1945年10月の石炭生産緊急対策要綱による復興資金の供給が上げられます。さらに、1948年のGHQによって輸入砂糖の出炭奨励特配、戦争から労働者が帰還したことなどが人口が増え続けた要因です。

~世界遺産を巡る~ 軍艦島ガイドより

また、戦後は労働組合が結成され、法的に労働基準が向上し賃金も上がり、労働条件も向上していきます。映画館や商店などが立ち並び、炭鉱労働者の余暇も増えました。

端島につく船は多くの人々を運んでいます。高給を求めて若い炭鉱夫が多く島にやってきますが、辛い炭鉱の仕事で離職者も多かったようですね。人の出入りは激しかったと思われます。

1960年代には人口密度は世界最大、当時の東京の9倍にもなります。

ドラマの1955年はまさに端島の最盛期ですね。しかし、衰退へのプロローグでもあります。

ドラマの中でも石炭から石油へとエネルギーが移り変わっていくのではないかと辰雄(沢村一樹)が懸念を口にしています。

70年の愛の物語

昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大なヒューマンラブエンターテインメント!

「海に眠るダイヤモンド」公式ぺーじより

なぜ1955年?

端島パートは1955年から始まります。

終戦後10年、昭和の高度経済成長期に入ります。

鉄平の父、一平は炭鉱夫として働きながら息子の将来のために大学まで行かせます。

がむしゃらに働けば報われる、そんな時代です。

しかし、昭和の復興を支えた炭鉱の島端島は、主要なエネルギーが石炭から石油と移り変わる中、衰退の一途をたどります。

1962年の「原油の輸入自由化」や1964年の「九片治層坑道の自然発火事件」に伴う最深部の水没が痛手となり、炭鉱の規模が縮小されていきました。

リナ

第1話で、職員クラブの管理人明子がリナに「あの戦争を生き残ったのだから」と言っています。

リナが20歳前後としたら、終戦の年は10歳前後。根無し草ということは戦災孤児かもしれません。

リナが端島で家族を作り幸せに暮らせたら素敵なんですが、ドラマは夜の海に漕ぎ出しているので、そうはならないようですね。

リナにかかわらず、1972年に採掘終了、1974年1月15日に軍艦島は閉山します。同年4月には閉山時に残っていた約2千人の島民が一斉退去し、無人島となりました。

端島で生まれ育った鉄平達にとって、故郷は人の住めない廃墟となってしまいます。

故郷が無くなる。それはいづみが端島を見ながら嗚咽するシーンに象徴されています。

ドラマの1955年からは17年です。主人公たちの20歳から40歳前後になります。

ドラマでは、人生の輝かしい時期を端島で描かれることになりますね。

22歳からの17年間。様々な愛と葛藤、そして友情が織りなされたことでしょう。

なぜ2018年?

端島パートは1955年ですから70年とすると、2025年、今まさに現在です。

現在のパートは2018年ですから、まだ7年あることになります。

いづみの宮本信子さんは1945年生まれの現在79歳。お若いですね。

もし実年齢での設定だと、1955年当時は10歳。
物語に絡む10歳くらいの女の子は出てきていませんから、
20歳前半のリナ、朝子、百合子と考えるのが妥当ですよね~?

なぜ、現在パートのドラマは2018年でなければならないのか?

いづみが玲央を長崎や端島につれて行き、玲央に「ここから人生変えてみない」といいます。これから7年の間に何をしようというのか?

いづみがリナ、朝子、百合子の誰かとしたら、2025年では92歳くらいになります。

2018年だと85歳。

どうしてもやっておかなければならないことがあるとしたら、最後の歳と言えるかもしれせん。まだ体が動くうちにと。そして、大事なことを託す人を見つけるのも。

いづみを数馬(尾美としのり)と鹿乃子(美保純)は「おかあさん」と呼んでいますが、公式の相関図では親子の矢印がないのも気になるところです。

2015年には『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』として、福岡県、山口県などの23施設とともに世界遺産に登録されます。ただし登録されたのは島の2割ほどです。

廃墟の島だった軍艦島は、今や観光地となりました。いづみが玲央に託すモノは何なのかも謎ですね。

まとめ

ドラマ「海に眠るダイヤモンド」の時代設定について考察しました。

戦後の高度経済成長「あの頃、人々は輝いていた」とドラマ公式には書かれていますが、端島はその後時代に取り残されて衰退していきます。

ですが、ドラマで描かれる1955年から1960年代にかけて、若い主人公たちの恋愛や友情は觀るものの心を熱くするでしょう。

2018年からのドラマは、これからコロナを経験し、日本は衰退していく端島のようにも感じます。

戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。

同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントである。

「海に眠るダイヤモンド」公式ページより

いづみの大切な人は鉄平=端島のようでもありますね。

今の時代に希望を見出す今後の展開に期待しましょう。

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次