2022年の公開された『トップガン・マーヴェリック」は、トム・クルーズ主演で大ヒットした1988年の映画『トップガン』の続編です。日本でも大ヒットしましたね。
36年の時を経て蘇った『トップガン・マーヴェリック』が金曜ロードショーで地上波初放送が決定です!!
映画の放送日とあらすじ、評価を紹介し考察をしています。
『トップガン・マーヴェリック』放送日
金曜ロードショー/日本テレビ放送予定
11月8日放送『トップガン』午後9時~11時14分(放送枠20分拡大)
11月15日地上波初放送!『トップガン マーヴェリック』午後9時~11時34分(放送枠40分拡大)
映画『トップガン・マーヴェリック』概要とあらすじ
監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本 アーレン・クルーガー/エリック・ウォーレン・シンガー(英語版)/クリストファー・マッカリー
キャスト
コールサイン | 役名 | キャスト/出演作品 |
マーヴェリック | ピート・ミッチェル海軍大佐 | トム・クルーズ/『レインマン』『ミッション:インポッシブル』 |
ルースター | ブラッドリー・ブラッドショー海軍大尉 | マイルズ・テラー/『ダイバージェント』『セッション』 |
ペニー・ベンジャミン | ジェニファー・コネリー/『フェノミナ』『スパイダーマン: ホームカミング』 | |
ハングマン | ジェイク・セレシン海軍大尉 | グレン・パウエル/『ヒットマン』『ツイスターズ』 |
フェニックス | ナターシャ・トレース海軍大尉 | モニカ・バルバロ/『名もなき者』 |
ボブ | ロバート・フロイド海軍大尉 | ルイス・プルマン/『死霊伝説 呪われた町』 |
アイスマン | トム・カザンスキー海軍大将 | ヴァル・キルマー/『ドアーズ』『ヒート』 |
グース | ニック・ブラッドショー海軍中尉 | アンソニー・エドワーズ |
キャロル・ブラッドショー | メグ・ライアン |
あらすじ
マーヴェリック(トム・クルーズ)は輝かしい戦歴があるにも関わらず、昇進を拒み続け相変わらず大佐のままだった。今は極超音速テスト機「ダークスター」のテストパイロットをしている。
「ダークスター」を最高速とマッハ10を達成するも、指示を無視して記録を伸ばそうとして機を空中分解してしまう。
無事帰還したマーベリックは懲戒処分を受けるところだったが、僚友アイスマン(太平洋艦隊司令官トム・カザンスキー海軍大将)の強い要望で「トップガン」の教官に命じられる。
「トップガン」でのミッションは、ならず者国家のウラン濃縮プラント稼働を阻止する特殊作戦を成功させるための訓練を行う教官として抜擢されたのだ。
犠牲をもいとはない特殊作戦に参加するために選ばれた若き精鋭パイロットの中に、事故で亡くなった親友グース(ニック・ブラッドショー海軍中尉)の息子ルースター(ブラッドリー・ブラッドショー海軍大尉)がいた。
マーベリックとルースターの確執。
元ガールフレンドのペニー・ベンジャミンとの恋の行方。
困難を極める特殊任務は成功するのか・・・。
険しい渓谷を超低空・超高速で飛行、襲いかかるG。対空ミサイルの脅威。第5世代戦闘機との空中戦。脅威の映像を体感せよ!!
『トップガン・マーヴェリック』評価
『トップガン』から34年経った続編ですが、アメリカでも日本でも大ヒット!!
アカデミー賞音響賞受賞。日本アカデミー賞でも最優秀外国語作品賞に選ばれました。
評価も8割方が高評価ですね。
前作の公開から30年以上経ち、トムクルーズもマーヴェリックも歳をとった。あの時のような若々しさはないが、歳をとったからこその渋みやキャラクターとしての奥行きは重厚なもので、見応えのある作品になっていた。
本作はいわゆるヒット作のリバイバル商法とは次元が違う。まるであらかじめ続編が生まれることを運命づけられていたかのように、ストーリー、登場人物、テーマ、時代の移り変わりなど、寸分の狂いなく織り成し、万感の思いを込めて観客のもとへ届けられる。
感想と考察
『トップガン・マーヴェリック』は冒頭の空母からの戦闘機離着陸シーンから『トップガン』の世界観に引き込まれます。流れるメロディーはもちろんデンジャゾーン!!
登場するマーヴェリックのトム・クルーズは、やはり年をとりました。前作から34年。未だに型破りの天才パイロットで、出世よりも現場に固執して、今はテストパイロットをしています。
極超音速テスト機 ダークスター
映画に登場する極超音速テスト機「ダークスター」は実際には存在しません。
モデルは戦略偵察機「SR-71 ブラックバード」または開発中「SR-72」と言われています。
SR-72の最高速度はマッハ6。
マッハ10という極超音速は今のところ不可能のようです。
というか、人間が耐えられる速度ではないということですね。
マーヴェリックがアイスマンに請われて海軍戦闘機兵器学校「トップガン」の教官になるために戻ってきます。
ペニー・ベンジャミンとは?
今作でマーベリックの恋人となるのはペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー)です。
どこかで見た顔だなと思っていたら『フェノミナ』でポストブルック・シールズと言われたジェニファー・コネリーです。
二人は訳ありの仲に見えますが、実は前作でもペニーの名前は出ていました。
前作『トップガン』で管制塔をかすめ飛んで上官スティンガーを脅かして叱責されるシーン
スティンガー「管制塔をかすめ飛ぶこと5回、さらに低空飛行で脅かした相手が司令官のお嬢さんときた」
グース「ペニーか?」
とマーヴェリックにささやきかけます。
またグースの妻キャロルがマーヴェリックと再開したシーンで「あなたペニー・ベンジャミンにすごかったんですって? みんな聞いた、ほかの子のことも全部聞いている」と話しています。
マーヴェリックが歌を歌ってアプローチをして最初に撃沈した相手がペニーでしょうか?
ジェニファー・コネリーはペニーについてこう言っています。
「エリート船乗りでもある彼女は、レースと美を愛しているけれど、地域社会と家族に安らぎを見出しているの。ペニーとマーヴェリックは若いころに短い恋愛をしたことがあり、なんとか関係が再燃したこともある。いつも円満に終わるけれど、何度も別れを経験しているから、彼女はもう二度と巻き込まれまいと決意している。一方で、初めて二人が、ついにお互いの人生に適したタイミングで再び現れたのではないか、と感じているの」
最後にキスシーンで終わるのはハリウッド映画の定石ですが、今作の恋愛部分は互いに依存することもない大人の関係です。
グースの息子ルースター
ドラマの本筋はグースの息子ルースターとの確執になります。
前作でマーヴェリックと同乗していた機の事故で死亡したグースに責任を感じて苦悩し、それを乗り越えて復帰を果たすドラマが描かれました。
今作のドラマはグースの死に対するルースターの遺恨と、マーヴェリックのルースターを息子のように想う気持ちのすれ違いです。父のように戦闘機パイロットを目指すルースターと、グースのようにルースターを失いたくないマーヴェリック。
アイスマンは「過去は水に流せ」とマーヴェリックに教官を続けるように懇願します。
ペニーが娘に対して「信頼することにしたの。間違っても学ぶことは多いだろうから」と言うのに対して、マーヴェリックは「難しいね」と。親としての悩みですね。
実現不可能なミッション 第5世代戦闘機とは
前作では空中戦略を学ぶということでしたが、今作では実現困難な実戦のための訓練です。だからこそ戦闘機訓練シーンでは緊張感が増していますね。
なんと戦闘機のシーンはCGではなく、キャストが実際に乗り込んでいるのだそうです!!
体にかかるGにうめき声を上げるのは実際の声というから驚きです。
映画に登場する敵機、第5世代戦闘機はSu-57フェロンがモデルと言われています。
Su-57はロシアの戦闘機。
アメリカのF-22やF-35に対抗して開発された。
製造費はF-35の半額以下とも言われています。
映画では「とあるならず者国家がNATO条約に違反するウラン濃縮プラントを建設し稼働させようとしていた」とされていますが、他国に侵入していて施設を破壊するのは国際法上どうなのかとは思いますが・・・。
映画はエンターテイメント。フィクションです。と割り切って楽しみましょう。
ミッションの訓練はシュミレーションなのか、現実なのかわからなくなります。
戦闘機のバトルはCGではなく実際の戦闘機を使用して、トム・クルーズだけでなく他のキャストたちも過酷な耐G訓練も完遂し、7.5から8のGがかかる戦闘機を乗りこなし、顔の歪みも苦痛のうめき声も演技ではなくリアルな表情だというのだから驚きです。
F-35ではない理由は?
アメリカ軍の最新鋭戦闘機はF-35です。
映画ではF-35ではなくFA-18スーパーホーネットが採用された理由を、「敵基地からGPSを妨害する電波が出されているため、F-35のGPS誘導弾が使えないから、レーザー誘導爆弾が積めるF/A-18を“あえて”使う」と言っています。
F-35が採用されなかった理由がいつくか言われています。
- F35は単座でF/A18は複座。俳優が乗るためには複座である必要があった。
- 映画の撮影開始は2018年で、F-35はまだ運用開始されていなかった。
- F35はそもそも接近戦を前提に設計されていない。つまりはドッグファイトがない。
- F35はステルス戦闘機。つまりは先制発見・先制攻撃のためスピードや機動性は重視されていない、低空飛行で敵地に乗り込む必要がない。
- F35は垂直離着陸機。空母離着陸の迫力あるシーンは撮れない。
映画でも「パイロットは必要なくなる職業だ」と言っていましたが、F35のような第5世代戦闘機は、誰でも操縦できるようにAIが搭載されており、無人機戦闘機への移行が進められています。
マーヴェリックは空中戦で敵機3機を撃墜した伝説のパイロットですが、34年で「トップガン」で描かれた空中戦での戦果のみです。
近代戦は戦闘機が空中戦を繰り広げる時代ではなくなっているということですね。
それは反面、コンピューターで遠隔操作で攻撃をすることで、人や建物を実際に爆撃しているという感覚をなくしていくことなので、恐ろしいことでもありますね。
エンターテイメントの空中戦を繰り広げるためのF/A-18が選ばれ、F14トムキャットまで動員して『トップガン』の世界を作り上げたということです。
スクリーンに映し出される迫力ある戦闘機の空中戦にブラボー!!と声を上げるのは、劇場だけにしたいものです。
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