2025年10月24日放送予定だったフジテレビ系バラエティ番組『酒のツマミになる話』が、放送当日に急遽差し替えとなりました。
電子番組表にも「放送内容を変更してお送りします」とだけ表示され、SNSでは「どうしたの?」「トラブル?」と困惑の声が相次ぎました。
今回の騒動の背景には、MCを務める千鳥・大悟さんが“松本人志さんのコスプレ”を披露したことが関係していると報じられています。
フジテレビは“局の事情を鑑みて”として放送を見送る判断を下しましたが、実はこの番組自体がもともと松本人志さんの冠番組として始まったもの。 松本イズムを受け継いできた千鳥の大悟さんにとって、今回の差し替えはまさに“複雑な決断”だったと言えるでしょう。
この記事では、 ・なぜ『酒のツマミになる話』は放送を止めざるを得なかったのか ・松本人志イズムを継ぐ大悟さんの葛藤 ・フジテレビが直面する“表現の自由とコンプライアンス”の狭間 について、一般視聴者の視点から分かりやすく整理していきます。
1.『ツマミになる話』は松本人志の“笑いのDNA”から始まった

『酒のツマミになる話』は、「お酒を飲みながら本音で語る」という松本人志さんらしい、力の抜けたトークが魅力の番組でした。単なるバラエティではなく、“お笑いの間”や“人間くささ”を引き出す構成で、松本さんのキャリアの集大成的な雰囲気もありました。
しかし松本さんの活動休止後、番組を打ち切る案も浮上。それでもフジテレビが継続を選んだのは、「番組の空気そのものが“松本イズム”の資産であり、形を変えても続ける価値がある」という判断があったからだと考えられます。
2.千鳥・大悟は“継承者”であり“新しい解釈者”

MCを引き継いだ千鳥(大悟さん・ノブさん)は、番組のトーンを守りつつ自分たちらしさを加えました。
特に大悟さんは、松本人志さんを彷彿とさせるテンポと間合いを持ち、視聴者の間でも「松本イズムの後継者」として親しまれています。
「松本さんが築いた“本音トーク×笑い”の空気を崩さず、むしろ温かくした」という評価もあります。
一方で、似ているからこそ、番組内の“松本人志オマージュ”が誤解を生むリスクも常に存在していました。
3.差し替えの背景にある“テレビ局の葛藤”
10月24日の放送回では、ハロウィン特別回としてゲストにえなこさん、松丸亮吾さんらの出演と千鳥の仮装が予定されていました。
ところが当日、番組は急きょ過去回の再放送に差し替えられ、番組冒頭に「今週の放送は予定を変更して3月14日の放送回でお楽しみください!」というテロップが出されたのです。
報道によると、その背景には「大悟さんが松本人志さんを想起させるコスプレをしていた」ことを、局が“局の事情を鑑みて”問題視したという見方があります。
その“事情”とは、
- 松本人志さんが11月からネット番組で活動再開を控えていること
- SNSで「地上波局が松本氏をネタにした」と誤解される可能性
- スポンサー・系列会社などへの影響を未然に抑える必要があること
これらを踏まえると、“去年はOKだった演出でも、今年はNGになる”という、時間軸で変わる“安全ライン”をテレビ局が強く意識していたことがわかります。
4.番組を守るための「沈黙という決断」
番組を終了させず、かつ“松本人志ネタ”を避ける――この矛盾をフジテレビは抱えたまま、番組を継続しています。換言すれば、
「松本人志の笑いを継ぐけれど、松本人志を直接出さない」
これは、現場にとっても制作にとっても難しい舵取りでした。敬意とユーモアを兼ね備えた演出が、結果として当日差し替えという“安全策”に転じたのです。
5.まとめ:松本イズムを継ぐ難しさ
『酒のツマミになる話』は、松本人志さんのDNAを残しながら進化してきた番組です。
千鳥・大悟さんはその笑いを継ぐ立場として真摯に向き合い、番組も視聴者もそれを受け入れてきました。
とはいえ、時代の空気や報道環境が変わると、たとえオマージュでも“誤解を防ぐために止める”判断が必要になることがあります。
今回の差し替えに込められたメッセージは、「笑いと配慮のバランス」をどう取るかという問いかけです。
テレビは時代を映す鏡であり、“笑い”もまた社会の空気を読む表現です。『酒のツマミになる話』は、そのバランスを探りながら、これからも続いていくはずです。

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