環境問題に取り組んでいる飯山高校の女子生徒3人研究が、台湾で開催された高校生の科学世界大会、生化学部門で1位に輝きました。
高校生女子3人の研究が科学の世界大会「生化学部門」1位に!!
信州の「リケジョ」たちの快挙です。飯山高校(長野県飯山市)の女子生徒3人の「二酸化炭素を吸収する小さなボール」に関する研究が、台湾で開かれた高校生対象の科学の世界大会で、生化学部門の1位に輝きました。生徒たちは「環境問題の解決に貢献できたら」などとしています。
長野放送より
飯山高校(長野県飯山市)の女子生徒3人
受賞したのは飯山高校自然科学部の2年生の女子生徒3人(大塚結愛さん、高藤陽菜果さん、藤沢佳美さん)です。
台湾で開かれた科学研究の世界大会「台湾国際科学フェア」は、世界30の国や地域から高校生が参加し、化学、数学、天文学など13部門で研究成果を発表します。
この大会で長野県の飯山高校自然科学部の2年生の女子生徒3人が「生化学部門」1位という快挙を成し遂げました。
飯山高校 自然科学部・高藤陽菜果さん: 「まさか世界大会で1位をとれると思っていなかったので、びっくり」
飯山高校 自然科学部・大塚結愛さん: 「酵母との培養によってMBRの色が濃くなってMBR内の緑藻類、ミドリムシの増殖が促進された発見は大きいと思う」
一般の人にも興味を持ってもらいやすいテーマだったこと、研究内容を紹介するポスターがわかりやすくまとめていたことなどが評価されたとみられています。
二酸化炭素を吸収するボール「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」
生化学部門で1位に輝いたのは「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」というものです。
このつぶつぶの中にはミドリムシなどの緑藻類が入っていて、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を生み出す効果があります。
近年話題になっている地球温暖化は、二酸化炭素の増加が原因の一つとされています。
そこで光合成に着目しました。
二酸化炭素を吸って減らし、酸素を吐いて増やす、エネルギーにもなる葉緑体を用いることが有力なのではないかと考えました。
小さなボールにミドリムシなどの緑藻類を閉じ込め光合成によりボール外部の酸素と二酸化炭素の循環が可能にし、二酸化炭素を減少できるのではないか。
二酸化炭素の削減について研究を重ねてきた3人は、試行錯誤を重ね緑藻類をボールに閉じ込める方法を開発しました。
透明なぷにゅぷにゅしたイクラ似のボール
ミドリムシなどの緑藻類が入った青く色づいた液体に、スポイトを使って塩化カルシウム水溶液を落とすと、表面に触れた瞬間に固まり、透明で小さなボールが出来上がりました。
緑藻類の光合成で酸素を生み出す「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」の完成です!!
1リットルのボールを1日光合成させると、1.5リットルの二酸化炭素を吸収するということです。
ぷにゅぷにゅしてイクラ似にているそうですよ。
今後は、「ミドリバイオリアクター」の実用化についても研究を進めたいとしています。
飯山高 自然科学部・大塚結愛さんは
「例えばワインを発酵させる現場で二酸化炭素が出てしまうので、そこでの活用や火力発電所で二酸化炭素が出るので、その時に使うとか、二酸化炭素が出る現場で活用されたらいいなと思っています」
今後は実用化に向けてさらに研究をし、「すごさを世界に広めたい」と意欲を示しています。
「化学の甲子園」で全国2位
3人は、この研究成果で「化学の甲子園」とも言われる「高校化学グランドコンテスト」に応募し、10月の最終審査で全国102チームの中から2位にあたる化学未来賞に選ばれ、台湾で開催される世界大会への切符を手にしていました。
「化学の甲子園」2位受賞について
飯山高 自然科学部・高藤陽菜果さんは
「研究の最中では予想と違っていたり、うまくいかないことがたくさんあったが、賞をもらって、自分たちのやってきたことは間違っていなかったとわかってうれしかった」と喜びを語っています。
おめでとう!!
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