山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が11月1日金曜ロードショーで地上波初放送されました。
そのエンディングで、なんと新作製作の発表がありました!!
監督・脚本・VFXを務めるのは、引き続き山崎貴。
白組のVFXはアカデミー賞視覚効果賞を受賞、日本では興行収入は76.5億円を突破!!
その勢いを続けることはできるのか?
期待と不安でSNSも盛り上がっています。
どのような内容になるのか、歴代ゴジラ映画を振り返りながら考察します。
歴代ゴジラ映画
ゴジラ作品は『ゴジラ-1.0』までで全30作が作られています。
ゴジラは日本の文化と言ってもいいですね。昭和から平成、令和にかけてのゴジラ作品を紹介します。
『ゴジラ』1954年 ゴジラの誕生
『ゴジラ』 1954年11月3日公開
監督:本多猪四郎
特殊技術:円谷英二
脚本:村田武雄
音楽:伊福部昭
今日までに続く『ゴジラ』映画の金字塔。
副題は「水爆大怪獣映画」
円谷英二監督による古き良き時代の特撮映画です。
ビキニ水爆実験による第五福竜丸被爆事件を元に製作されたました。
映画の煽り文句は「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」
監督の本多猪四郎は「戦後の暗い社会を尽く破壊、無秩序に陥らせる和製キングコングを作りたかった」と語っています。
戦争の記憶がまだ生々しい時代。
社会を破壊し、無秩序に陥らせる怪獣。
-1.0のゴジラとも重なりますね。
『ゴジラの逆襲』
第2作目。ゴジラ対アンギラスで、初めてゴジラが他の怪獣と戦います。
第1作目よりも反核のメッセージは薄れ、ゴジラと戦う人間ドラマが主に描かれています。
人間ドラマが主となる。
これも-1.0と通じるところがありますね。
昭和ゴジラ
- 1962年8月 キングコング対ゴジラ
- 1964年4月 モスラ対ゴジラ
- 1964年12月 三大怪獣地球最大の決戦
- 1965年12月 怪獣大戦争
- 1966年12月 ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘
- 1967年12月 怪獣島の決戦 ゴジラの息子
- 1968年8月 怪獣総進撃
- 1969年12月 ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
- 1971年7月 ゴジラ対へドラ
- 1972年3月 地球攻撃指令 ゴジラ対ガイガン
- 1973年3月 ゴジラ対メガロ
- 1974年3月 ゴジラ対メカゴジラ
- 1975年3月 メカゴジラの逆襲
第3作目の「キングコング対ゴジラ」はご存知アメリカ映画の『キングコング』とゴジラの戦いで、日本だけでなくアメリカでもヒットしたそうです。
現在、ハリウッド映画の「モンスター・ヴァースシリーズ」として製作が続けられていますね。
日本のゴジラとは世界線が違う、エンターテイメントの怪獣映画です。
昭和ゴジラは、1966年に「ウルトマラン」のテレビ放送が始まり、対怪獣の戦いが主でゴジラが人間の味方となっていきました。
「ゴジラ対ヘドラ」のような社会問題を取り上げたりもしましたが、巨大怪獣の恐怖よりも娯楽性が増し、当時人気だった「おそ松くん」のイヤミのギャグ(シェ~)をゴジラがやってしまったりと何でもありでしたね。
昭和ゴジラは子供がターゲットの特撮怪獣映画として製作されました。
テレビに押され興行収入は減少し、ついには製作が打ち切られます。
この頃の映画は「古き良き特撮」として懐かしみながら、楽しむのがおすすめです。
平成ゴジラ VSシリーズ
- 1984年12月 ゴジラ
- 1989年12月 ゴジラVSビオランテ
- 1991年12月 ゴジラVSキングギドラ
- 1992年12月 ゴジラVSモスラ
- 1993年12月 ゴジラVSメカゴジラ
- 1994年12月 ゴジラVSスペースゴジラ
- 1995年12月 ゴジラVSデストロイア
昭和ゴジラに親しんだ世代が待ち望んだ『ゴジラ』ですね。
第16作の『ゴジラ』は第1作をオマージュして、ゴジラは人類の脅威として復活します。
平成ゴジラ7作品は一貫した世界観で描かれており、超能力少女・三枝未希(小高恵美)が全作品に登場しています。
ストーリーは、どのようにしてゴジラを倒すのか。『ゴジラVSメカゴジラ』からは対ゴジラ組織Gフォースが登場します。
また、ビオランテやスペースゴジラなどゴジラ細胞から派出したゴジラ変異体が登場。
シリーズ最終の『ゴジラVSデストロイア』は特に第1作へのオマージュが色濃く、第1作でゴジラを倒した「オキシジェン・デストロイヤー」が生み出した怪獣「デストロイア」との戦いです。
メルトサウンして溶けていくゴジラ・・・その放射能を吸収してゴジラジュニアが新たなゴジラとして咆哮を挙げシリーズは幕を閉じます。
ゴジラ細胞という概念が登場します。
-1.0の最後、のりこの首筋に見える黒い痣は?と話題になりました。
あの爆風からの奇跡の生還はゴジラ細胞によるものなのか?
ミレニアムシリーズ
- 1999年12月 ゴジラ2000ミレニアム
- 2000年12月 ゴジラ×メガギラス
- 2001年12月 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
- 2002年12月 ゴジラ×メカゴジラ
- 2003年12月 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
- 2004年12月 ゴジラ FINAL WARS
1998年にハリウッド映画『GODZILLA』が公開されましたが・・・。
エイリアンみたいなモンスターゴジラは、「ゴジラじゃない!」
ということで、日本版ゴジラの復活です。
23作目の『ゴジラ2000ミレニアム』は、平成ゴジラ同様、スタートは第1作の『ゴジラ』のオマージュです。
平成ゴジラとは世界線が違いますが、ゴジラ細胞は「オルガナイザーG1」(細胞組織内から細胞の強力な個体形成能力と治癒復元能力を行う形成体)として登場します。
のりこを再生させたのはオルガナイザーG1?
宇宙人が出てきたり、モスラ・キングギドラ・メカゴジラとおなじみの怪獣たちが出てきたりしましたが、あまり印象が薄いのはなぜ?
ハリウッドでは巨額の予算をかけたFX撮影が主流となってきました。
ミレニアムシリーズでもCGを多用していますが、特撮カットはスーツアクターによるアクションやワイヤーアクションで、ミニチュアのセットによる撮影でした。
SF作品は、どうしてもハリウッド映画に比べて見劣りしてしまい、興行的にも難しかったようですね。
『ゴジラ FINAL WARS』の撮影後、様々な水上特撮が行われた東映撮影所(東映スタジオ)の特撮専用プールが老朽化のため取り壊されました。
シン・ゴジラ (29作目)
2016年7月公開
脚本・総監督:庵野秀明。監督・特技監督:樋口真嗣
ミレニアムシリーズから12年目でのゴジラ映画復活です。
ゴジラ第1作は、水爆実験による放射能の影響で強大化した怪獣でしたが、シン・ゴジラでは海洋投棄された放射性廃棄物を捕食する不明海底生物「呉爾羅(ゴジラ)」です。
ゴジラ映画の系譜から見ると、『シン・ゴジラ』は怪獣ではなく「巨大不明生物」ですから、つながりはないようです。変態を繰り返し、ヤシオリ作戦で凍結されたゴジラは第5形態です。
製作資料集「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」によると、長い時間をかけて完成までの試行錯誤がなされたようですね。様々なプロットが考えられ、予算的にも現実味のある本作にたどり着いたようです。
庵野監督といえば『エヴァンゲリオン』ですが、アニメ監督らしい、秒単位での計算で書かれた台詞や構成が新鮮でしたね。俳優たちが専門用語をまくし立て、ストーリーがスピーディーに展開していきます。
予算の関係で全編VFXではないそうですが、ゴジラが変態するシーンは度肝を抜かれました。
山崎監督がゴジラを作るにあたっって、
「シン・ゴジラ」は国(政府)との闘いなので、
真逆の対人間のドラマにしようと思った」と述べています。
令和ゴジラの始まり?(30作~ )
そして1923年の『ゴジラ-1.0』になります。あらすじなどはこちらに書いていますので、御覧ください。
日本のVFXはすごい!!と言わしめた作品です。
第1作の『ゴジラ』は水爆実験によって生まれました。
本作は、大戸島の伝説で語り継がれる、全長15メートルほどの恐竜のような生物「呉爾羅(ゴジラ)」が水爆実験で巨大化します。
水爆実験で生まれたのは同じでも、科学の力ではなく、人間が協力してゴジラを倒すという、別の世界軸で描かれています。人間が主体のドラマが展開していますね。
まとめ
山崎貴監督のゴジラ新作はどうなる?ですが・・・まだ何も発表されていません。
ただ、『-1.0』の成功でVFXはふんだんに使える予算は採れたのでしょうか?その分監督のプレッシャーも大きいですね。
あまりに早い新作の発表に不安視する向きもありますが、ゴジラブームが盛り上がっているうちにという制作側の思惑もあるのでしょうか?
先日、日比谷ステップ広場で開催された「ゴジラ・フェス2024」では山崎貴監督が登場しました。
新作についてはほとんど語れないとのことですが、詰めかけた子どもたちに「ゴジラが大人の映画になってきているので、子どもも楽しめるといい」と言っていました。
『シン・ゴジラ』は子供向けを一切考えなかったとのことで、政府のお役人たちの奮闘ぶりがメインでした。
『ゴジラ-1.0』は戦争の傷跡、男女の愛などを描いた人間ドラマがメインでした。
さて、新作は?
『-1.0』の続編か?
昭和ゴジラ、平成ゴジラ、ミレニアムシリーズのように対怪獣映画になるのか?
映像は白組総力を挙げての素晴らしいものになるでしょう!!
色々考察しながら、楽しみに待ちたいですね。
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