自然の楽園と呼ばれるコスタリカで日本人の男性(コヤマ・トモアキ)が蝶を大量捕獲して密輸しようとしていたとして逮捕されました。
コスタリカで蝶の大量捕獲・密輸で日本人逮捕
無許可で野生動物密輸の容疑でコヤマ・モトアキ容疑者が逮捕されたとの事。
— 時事時々@メヒコ (@zizitokidoki) March 25, 2025
昆虫も高いヤツは高いと知ってたが、3800万とは…。
こやつのせいでコスタリカで日本人のイメージが悪くなってしまったな。
違法に3800万円相当の蝶を捕獲 コスタリカで日本人の男逮捕 #ldnews https://t.co/4qF3OtH2TN b pic.twitter.com/B0BtTai7ty
中米コスタリカで、日本人の男性が野生の蝶を無許可で捕獲し密輸を試みたとして逮捕されました。
コスタリカ警察によると、23日にパナマ国境付近の森林で、不審なアジア人男性が大量の蝶を捕獲しているとの通報がありました。現場に駆けつけた警察は、木に多数の捕獲用ネットが取り付けられているのを発見し、男性の車両やバッグから35種類、合計213匹の蝶を押収しました。
これらの蝶は自然に放たれ、男性は野生生物を無許可で捕獲し密輸を企てた疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは日本国籍のコヤマ・モトアキ容疑者で、押収された蝶は闇市場で取引された場合、約3800万円の価値があるとされています。警察は容疑者を拘束し、捜査を進める方針です。
以上はライブドアニュースより転載。以下に詳細を調べた訂正文を掲載しています。
【訂正文】「コスタリカで日本人が蝶を3800万円密輸」報道の真偽と誤解について
「コスタリカで日本人男性が蝶を密輸、3800万円相当」という報道について、SNS上では驚きや憤りの声が広がっていました。
そのSNSの投稿を元にライブドアのニュース記事を元に当記事を作成しました。(現在、ライブドアニュースは削除)
虚偽ではないかというコメントを頂き、再度、記事について詳細を調べたところ、その内容には事実と誤解が混ざっており、過度な印象操作も見られました。
この記事では、蝶類に詳しい立場のご意見を元に報道の問題点と訂正点を整理しました。
①「213匹を大量」とする表現について
報道では「213匹もの蝶を捕獲」「大量の蝶を押収」といった見出しが使われましたが、採集の現場を知る者からすれば、213匹は“特別に大量”とは言えません。
フィールド調査では1日でそれ以上の個体を確認することもあります。「大量」という表現はインパクトを狙った報道上の誇張と考えられます。
②「3800万円相当」という金額の根拠について
この金額は現地報道で「約1億2800万コロン」とされ、それを日本メディアが円換算したものです。
しかし、金額の算出根拠は明示されておらず、警察側の“闇市場における最大想定額”とみられます。蝶の価格は種や状態によって数百円〜数千円と幅があり、一律に高額取引されるとは限りません。
③「闇市場(ブラックマーケット)」という表現について
報道では「闇市場で取引される」としていますが、蝶類に特化した闇市場の存在は国際的にも確認されていません。
違法取引が多いのは象牙や爬虫類、希少植物などであり、蝶類の場合はむしろ「愛好家や標本収集家による私的売買」が中心です。
この点も報道が犯罪性を強調するための表現とみられます。
④「野に放たれた」という報道表現について
一部の記事では「押収された蝶は自然に戻された」とされていますが、三角紙などに収められた個体はすでに死亡、または弱っており、再放蝶は不可能です。
現地の生態系保護の観点からも、安易な放蝶は行われません。「野に放つ」という表現は、おそらく比喩的な表現にすぎません。
⑤「虚偽報道」ではないが、誤解を招く内容
逮捕や押収といった事実関係は、コスタリカ当局による公式発表で確認されています。
ただし、「3800万円」や「大量」「闇市場」などの要素には、誤解や過度な演出の余地があります。報道全体として、事実と印象操作の区別が不明確な点が問題です。
まとめ
- 213匹は“大量”とは言いがたい数である
- 「3800万円」は根拠が不明確な見積もり
- 蝶類の「闇市場」は確認されていない
- 「野に放たれた」は生物学的に不可能
事件の存在自体は事実としても、報道の中には誤った印象を与える表現が含まれています。
正確な理解のためには、事実(逮捕・押収)と報道上の演出(評価額・表現)を切り分けることが重要です。
今後に望まれること
- 報道機関は金額や市場の根拠を明示すること
- SNSなどで事実と印象を混同せずに拡散すること
- 研究者や自然愛好家の冷静な検証を尊重すること
今回の報道が、自然保護や国際的な理解を深めるきっかけとなるよう、事実の精査が求められます。
※本記事は、報道内容を検証し、誤解を避ける目的で作成したものです。特定の個人・機関を非難する意図はありません。
コスタリカの野生動物密輸の罪は

- 法律の適用
- コスタリカでは、野生動物の保護は「野生動物保護法」(Ley de Conservación de la Vida Silvestre)に基づいています。
- CITES(ワシントン条約)にも加盟しており、国際的な規制も遵守しています。
- 具体的な罪
- 密輸(違法に野生動物を輸出入すること)
- 違法な捕獲や販売
- 絶滅危惧種の取り扱いに関する違反
量刑
- 罰金: 数千ドルから数万ドルの罰金が科されることがあります。金額は違反の内容や規模によって異なります。
- 懲役: 数ヶ月から数年の懲役刑が科される可能性があります。特に悪質な場合や組織的な犯罪に関与している場合は、厳罰が適用されることがあります。
コスタリカでは、野生動物の密輸は厳しく取り締まられており、罰金や懲役刑が科されることがあります。国の生物多様性を保護するため、法律が整備されているため、違反には厳しい処罰が伴います。
野生動物の密輸の罪 日本の場合

- 法律の適用
- 日本では、野生動物の密輸は主に「種の保存法」や「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいて処罰されます。
- 国際的には、CITES(ワシントン条約)に基づく規制も適用されます。
- 具体的な罪
- 密輸(不法に輸出入すること)
- 違法な捕獲や販売
- 絶滅危惧種の取り扱いに関する違反
量刑
- 罰金: 数十万円から数千万円までの範囲で、具体的な金額は犯罪の内容や規模によります。
- 懲役: 数年から十数年の懲役刑が科されることがあります。特に悪質な場合や、再犯の場合は厳罰化される傾向があります。
コスタリカの蝶

コスタリカには約1,500種類以上の蝶が生息しており、その多様性は世界でもトップクラスです。以下に代表的な蝶の種類とその特徴を紹介します。
1. モルフォ蝶(Morpho spp.)

- 特徴: 鮮やかなメタリックブルーの翅を持つ大型の蝶で、飛んでいるとまるで光が反射しているように見えます。
- 生息地: 熱帯雨林の低地から山地まで広く分布。
- その他: 翅の裏側は茶色で目玉模様があり、捕食者から身を守る役割を果たします。
2. フクロウチョウ(Caligo spp.)

- 特徴: 後翅にフクロウの目のような模様がある大型の蝶。
- 生息地: 主に森林地帯に生息し、夕暮れや夜に活動することが多い。
- その他: この目玉模様は捕食者を威嚇する効果があるとされます。
3. ゼブラロングウイング(Heliconius charithonia)

- 特徴: 黒地に白の縞模様が特徴的な細長い翅を持つ蝶。
- 生息地: 熱帯雨林や低地の森林。
- その他: 花の蜜を吸うだけでなく、花粉も食べる珍しい蝶。
4. ジュリアチョウ(Dryas iulia)

- 特徴: 鮮やかなオレンジ色の翅を持つ美しい蝶。
- 生息地: 熱帯雨林、庭園、公園など。
- その他: 活発に飛び回る習性があり、ハチドリのように花の蜜を吸う姿が観察される。
5. ガラス翅蝶(Greta oto)

- 特徴: 透明な翅を持ち、英語では「Glasswing butterfly(ガラスの翅の蝶)」と呼ばれる。
- 生息地: 森林の薄暗い場所に多く生息。
- その他: 翅が透明なため、捕食者から見つかりにくいという利点がある。
6. ホウセキチョウ(Urania leilus)

- 特徴: 緑色や青色の金属光沢を持つ美しい蝶。
- 生息地: 熱帯雨林の低地。
- その他: 昼間に活動するが、実はガの仲間。
コスタリカの国立公園や保護区では、これらの美しい蝶を観察することができます。特に、モンテベルデ、コルコバード、マヌエル・アントニオ国立公園などが有名なスポットです。
まとめ
南米コスタリカで許可なく蝶の多量捕獲をして密輸しようとした日本人コヤマ・モトアキ容疑者が逮捕されたというニュースについて紹介しました。
コスタリカは蝶だけでなく、昆虫や鳥など多くの野生動物が生息し、珍しい種類も多いそうです。
美しい蝶を眺めるだけなら良いのですが、お金のために大量捕獲して密輸するのは種の保存や生態系の破壊など大きな罪を招き、絶対に許されない行為ですね。
コスタリカでは動物の密輸は厳しく処罰されるようです。
訂正文について、報道には興味をそそるような過度な表現が含まれることがあります。事実を正確に見極める目が必要になりますね。
コメント
コメント一覧 (3件)
先ず、213頭を大量とはいいません。3800万円とありますが、これは誰が評価した金額なのでしょうか?。1日で簡単に採れる蝶なら、うまくいけば38000円になるかもしれませんが、下手をすれば3800円です。当方、蝶に関わって50年以上になります。しかし、「闇市場」の存在など聞いたこともありません。また、一旦三角紙に納められた蝶は死んでいるか弱っており、「野に放たれ」るはずがありません。今からでも結構です。この極めて虚偽と悪意に満ちた情報を一般の人々は信じてしまい、偏見を助長するので、訂正してください。
関様 サイトに訪問いただきありがとうございました。本記事はコヤマ・モトアキ容疑者逮捕のライブドアニュースを元に作成しました。チョウに関しては素人なので、専門家のご意見は大変参考になりました。訂正文を記載しましたのでご確認下さい。今後ともご指導宜しくお願いいたします。
速やかで誠に丁寧なご対応、深謝致します。信頼するのに十分なサイトだと理解し、今後も折に触れ訪問させていただきたいと思います。かつての映画「コレクター」や「冬彦さん」以来、メディアの報道も負のバイアスがかかり、しばしば法外な金額に換算され、我々蝶愛好家は強い偏見に悩まされております。但し、今回のケースは明らかな犯罪であることは明確に認識しております。改めましてありがとうごさいました。