人気の菓子メーカー「シャトレーゼ」のお菓子にカメムシが混入していたことが発覚しました。
報道を受け、シャトレーゼは謝罪文を公表しました。
しかし、問題視されているのは、異物混入の通報からメディアで取り上げ発覚するまでの経緯です。
企業の体質や危機管理能力が問われる事態となっています。
経緯を詳しくご紹介します。
シャトレーゼ「揚げ餅焼きとうもろこし小袋」にカメムシ混入
人気の菓子メーカー、シャトレーゼのお菓子ににカメムシが混入していたことがわかりました。
東京都に住む40代の女性がシャトレーゼで購入した「揚げ餅焼きとうもろこし小袋」を購入し、食べていたところ、口の中に異物感を感じ出してみると虫の足のようなものが・・・。
袋の中を見てみるとカメムシが一匹見つかったそうです。他に、虫の足のようなものも。
女性が翌日、シャトレーゼのお客様相談室に電話をかけ、「虫が混入した原因を報告してほしい」と伝えたところ、「2週間以内に原因と状況をご報告します」と回答があったそうです。
ところが、3週間経っても連絡がなく、女性の夫が再度電話をかけたところ、以下のような内容の回答があったそうです。
それはちょっと難しいですと言われまして、工場と電話がつながらないから、責任者とお話しする機会を設けることができない。
納得がいかない女性からの情報提供で、フジテレビ「イット!」がシャトレーゼに問い合わせた回答がこちらです。
「当該商品の製造現場での調査の結果、調理工程ではなく、パッキング工程にて今回の生体が混入したと推測されます。ただちに当該製造ラインを止め、改めて防虫対策の徹底を図るとともに、洗浄、殺菌、全点検を実施しております」
報道を受け、シャトレーゼは産経新聞のサイトに「異物(カメムシ)混入関連報道について」とする書面を掲載しました。
2024 年 11 月 7 日
【お詫びとご報告】異物(カメムシ)混入関連報道について
平素はシャトレーゼをご愛顧賜り誠にありがとうございます。
このたび、一部マスコミにて報道されております弊社商品「揚げ餅 焼きとうもろこし
(小袋)」への異物(カメムシ)混入案件につきましては、皆さまに多大なるご心配をおか
けいたしました。ここに改めましてお詫びを申し上げますとともに、経緯のご報告をさせ
ていただきます。
10 月 4 日に弊社お客様相談窓口にお客さまより異物混入のご連絡が入りました。
その後、弊社では 2 週間の調査期間をいただき原因の究明にあたりましたが、弊社側のお
客様対応におきましてご報告の大幅な遅れや不十分なコミュニケーションがあったことが
判明いたしました。お客さまに与えてしまった不快な思いや不信感は計り知れなく、今後
も信頼回復に向け誠意ある対応をとらせていただく所存です。
製造部門における異物混入に関しては、調理工程ではなく包装工程において今回の生体が
混入したと推測されるため、弊社ではただちに製造ラインを止め、改めて防虫対策の徹底
を図るとともに、洗浄・殺菌・全点検を実施いたしました。
なお、既に保健所にも報告済ではありますが、同製造エリアにおけるカメムシ混入の事実
は過去2年遡っても本件のみであるため、混入事案に関する限り多発性はなく、偶発的な
ものと判断しております。
今回の案件につきましては、社として事例共有の上大いなる反省をし、改めて誠意ある対
応をしてまいります。日頃より当社をご愛顧いただいておりますお客様ならびに関係者の
皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
以上
シャトレーゼとは
株式会社シャトレーゼは、山梨県甲府市に本社を置く食品メーカーです。
キャッチコピーは「自然のおいしさと。人の想うおいしさと。」
現シャトレーゼは2010年に旧シャトレーゼから食品事業を分社したものです。
旧シャトレーゼ時代の1980年代から、卸売を介さず各地の自社工場からフランチャイズ店舗へ配送することで、低価格の商品を提供し、幅広い人気を獲得しています。
コンビニやショッピングセンター内にも出品し、全国展開しているので、お住いの地域でも親しまれてるのではないでしょうか?
過去の出来事
シャトレーゼが係る事件として主な出来事を挙げてみました。
金属片混入
2004年 よつ葉乳業の無縁バターから金属片が発見されたことを受け、シャトレーゼでも当該品を使用していたためレーズンサンドに金属片の混入が発見。食した一人が口を切る怪我をしました。
バター使用の25品目、約190万個を2億円かけて回収、売上も一時低迷しました。
シャトレーゼはよつ葉乳業に損害賠償を請求、和解しています。
無償提供
シャトレーゼは、2014年の豪雪のため中央自動車道で立ち往生したシャトレーゼのトラックに積載していた菓子類を社長の指示で周囲の同様に立ち往生している人々へ無償提供しています。
2021年の北陸自動車道でも同様の対応をしています。
賞味期限改ざん
2023年、店舗で冷凍販売しているスイーツ「濃厚ショコラテリーヌ」の一部において、同製品を製造する子会社が賞味期限の書き換えを行なっていたことが発覚し、9月7日に公式サイト上で謝罪しました。
この事件は記憶に新しいところですね。
危機管理能力は?
食品メーカーや食料品を扱う店舗などにとって、異物混入は大きなクレームにつながると慎重に管理されていることと思います。
それでも不可抗力でこういう事体はありうることでしょう。
問われるのは、事体が発覚したときの対処法ですね。
今回の場合、消費者からの連絡があり、対応すると回答していたにもかかわらず放置していたと取られても仕方ありません。
昨今、カスタマーサービスやコールセンターへのハラスメント(カスハラ)が問題になっていますが、対応を誤ると大きな問題に発展する場合も少なくないと思います。
消費者からの支持の高い菓子メーカーだけに、残念な事件です。
問題は企業の体質なのか、危機管理能力の不足なのか、原因追求をして今後の教訓としていただきたいですね。
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