2025年7月10日に放送されたフジテレビ系『めざましテレビ』で、Snow Manのラウールさんが発した“食レポ批判”コメントがSNSを中心に大きな反響を呼んでいます。新人キャスター・林佑香さんの真剣なレポートに対する厳しい一言、そしてそれを笑いに変えようとしたスタジオの空気に、多くの視聴者が「朝から不快」「もう古い」と違和感を覚えた様子。この記事では、一般視聴者の視点から、問題となった発言の背景やフジテレビの“変わらない体質”について、過去の事例とあわせて掘り下げていきます。
はじめに
初回放送で注目を集めた『愛の、がっこう。』
2025年7月10日、フジテレビ系で新ドラマ『愛の、がっこう。』がスタートしました。主演を務めるのは、Snow Manのラウールさんと実力派女優・木村文乃さん。初回放送当日には、2人がフジテレビの各番組に登場し、いわゆる「電波ジャック」を敢行。早朝の『めざましテレビ』では番組冒頭から出演し、スタジオも大いに盛り上がる……はずでした。
ところが、番組内で起きた“あるやり取り”が思わぬ波紋を呼びました。特に注目されたのは、林佑香キャスターが中継リポートで紹介したグルメに対して、ラウールさんが辛口コメントを返したシーン。ここから一気にSNS上で議論が巻き起こり、ドラマそのものよりも“スタジオの空気”に視線が集まる形となってしまったのです。
食リポ批判が生んだスタジオの異様な空気
問題の発言があったのは、人気コーナー『イマドキ』内の「やってユカ」でのこと。林キャスターが神奈川県の名物“茅ヶ崎メンチ”を試食し、「甘い! お肉がギュッと詰まっていて、肉汁がじゅわと出てきます」と丁寧にレポート。その映像を見たスタジオのラウールさんが、「ありきたりな食レポだなと思いました」と、あっさりとコメントを切り捨てたのです。
一見、冗談とも受け取れそうな一言ですが、ワイプに映った林キャスターの表情は明らかに動揺しており、視聴者の間でも「朝から胸が痛くなった」「スタジオの笑いが余計だった」といった反応が続出しました。特にその後、伊藤アナウンサーの「我々が忘れていたレポーターへの厳しさをね」といった追い討ちのような発言が、フジテレビの“イジリ体質”を象徴するものとして批判される事態に。
この出来事は、ドラマのプロモーションとは裏腹に、番組全体の印象を損なう結果をもたらしてしまいました。
1.ラウールの“食リポ酷評”発言とは?
林佑香キャスターへの辛辣コメント
「ありきたりな食レポだなと思いました」——この一言が、番組の空気を一変させました。発言の主は、Snow Manのラウールさん。林佑香キャスターが丁寧に紹介したご当地グルメ“茅ヶ崎メンチ”に対し、コメントを求められたラウールさんは、笑顔ひとつ見せずにこのように返しました。
林キャスターは2022年から『めざましテレビ』のお天気キャスターを務めており、今回の「やってユカ」コーナーも新たな挑戦でした。グルメレポートは未経験者にとって特に難易度が高く、言葉選びや表情、間の取り方に気を配りながら行うもの。そんななかでのストレートすぎる否定は、経験の浅い林キャスターにとって決して軽い言葉ではなかったはずです。
発言直後、画面に映し出された林キャスターの表情は、笑顔とはほど遠く、驚きと戸惑いが混ざったような神妙なものでした。それがまた、視聴者の“いたたまれなさ”に拍車をかけた形です。
番組内でのやり取りと視聴者の反応
スタジオでは笑いが起こり、アナウンサー陣もその流れに乗ってラウールさんのコメントを面白がるような空気が広がりました。「ジューシーだけは言っちゃいけない」と冗談交じりに畳みかけたラウールさんに対し、伊藤アナが「我々が忘れていたレポーターへの厳しさをね」と笑いながら補足。まるで“笑って済ます”流れが当たり前のように進行していったのです。
しかし、このやり取りは多くの視聴者の神経を逆なでしました。X(旧Twitter)では「ラウールくん、冗談でもやりすぎ」「新人さんの努力を茶化すのは違う」「朝から不快」といったコメントが相次ぎ、投稿は瞬く間に拡散。特に若い女性を中心に、「応援していたけど、ちょっと冷めた」という声も多く見受けられました。
「面白さ」と「配慮」のバランスに疑問の声
ラウールさんの発言は、彼の持ち味である“鋭いコメント力”としてファンの間では評価されてきた部分でもあります。しかし、その「鋭さ」が誰かを傷つける形で発揮されたとき、それはもう“面白さ”とは受け取られません。
とくに生放送という場では、相手のリアクションがそのまま視聴者に伝わります。今回のケースでは、林キャスターの表情がすべてを物語っていました。視聴者の多くが違和感を抱いたのは、「キャスター本人が明らかに傷ついているのに、それを笑って流す空気」そのものだったのです。
バラエティ要素を含む情報番組において、出演者同士のやり取りが「笑い」になることはありますが、その一線を越えてしまったときにどう対応するか——今回の放送は、フジテレビと出演者にその“線引き”の難しさを改めて突きつけた出来事だったのではないでしょうか。
2.フジテレビの“笑い”とイジリ体質
スタジオ内の爆笑とアナウンサーの追い打ち発言
ラウールさんの「ありきたり」発言にスタジオが爆笑する中、空気をさらに奇妙なものにしたのは、番組司会の伊藤利尋アナウンサーのコメントでした。「我々が忘れていたレポーターへの厳しさをね」と、あたかも“これくらいのイジリは当然”という前提で語ったのです。さらにラウールさんが「ジューシーだけは言っちゃいけない」と茶化すと、アナウンサー陣も笑い声で応酬。これがまるで“身内ノリ”のように見えてしまったのか、視聴者の不快感を一層強めました。
この場面は、生放送であることも相まって、出演者たちの素のリアクションが露骨に伝わってしまった瞬間でもあります。言葉そのもの以上に、スタジオ全体の“雰囲気”が冷ややかに見えたことで、放送を観ていた人たちは一種の置いてけぼりを食らったような感覚に陥ったのではないでしょうか。
視聴者が感じた違和感とSNSの批判
放送後、SNSではスタジオの「笑い」に対して疑問を投げかける声が相次ぎました。
《笑って済ませる感じが気持ち悪かった》
《ラウールもアナも、周囲も…誰も止めないの?》
《こういう空気が新人を潰す》
中でも多く見られたのが、「ラウールさんの発言も問題だけど、周囲がそれを“正解”とするような空気がもっと嫌だった」という声です。林キャスターの引きつった表情がワイプで映ったこともあり、「泣きそう」「顔が強張ってた」と、そのリアルな反応が強く印象に残ったようです。
また、「朝からこんなの見せられると不快で一日が憂鬱になる」といった意見も多く、ただの“笑い話”としては受け止められなかった様子がうかがえます。
「ジューシー禁止」発言が象徴する軽視の空気
「ジューシーだけは言っちゃいけない」——一見、バラエティ的なノリにも聞こえるこの発言は、ある意味で今回の騒動の象徴と言えるかもしれません。林キャスターが食レポで使った形容詞を茶化し、番組の出演者全員がそれを“笑い”として受け入れる。この一連のやり取りが、フジテレビが未だに“内輪ウケ”の空気を引きずっていることを示してしまったのです。
過去にも問題となった“イジリ”演出や、出演者同士の雑なやり取りは、視聴者からたびたび批判を浴びてきました。それでも変わらない姿勢に、今回も《またか》《懲りてない》《成長がない》という厳しい声が噴出しています。
「ジューシー」と言っただけで揶揄される。それが若手にとってどれだけ萎縮を生むか。フジテレビにとっての“笑い”が、果たして本当に視聴者と共有できる笑いなのか、改めて考え直す必要がありそうです。
3.繰り返される“やらかし”と視聴者の記憶
上垣アナの容姿イジリ事件と今回の共通点
今回の“茅ヶ崎メンチ”事件がここまで注目された背景には、過去の似た騒動が記憶に新しいことも影響しています。2024年7月、同じ『めざましテレビ』のYouTubeチャンネルで、当時新人だった上垣皓太朗アナウンサーが、お天気キャスターデビューした際の未公開映像が公開され、大きな批判を受けました。
その映像では、CM中のやりとりとして、先輩アナたちが上垣アナに対し「Tシャツ、似合ってないね~(笑)」「本当に23歳?」など、容姿や年齢をからかう発言が続きました。しかもそれが笑い交じりで交わされていたことが、多くの視聴者にとっては不快で、「イジリというよりハラスメント」「これがフジテレビの文化なの?」と、厳しい声が噴出したのです。
そして今回の林キャスターに対する“笑って流す”構図は、まさにその時と酷似しています。新人や若手が人前で傷つく空気を、ベテランたちが笑いに変える構図。変わらない演出体質が、またもや視聴者の反発を呼んでしまったのです。
林キャスター就任後の番組体制とイジリの再発
林佑香キャスターは2022年4月にお天気キャスターとして番組に加入して以来、丁寧な語り口と明るい笑顔で、視聴者からの好感度も高く保ってきました。今回の「やってユカ」コーナーは、彼女自身が挑戦的に取り組んでいる新企画であり、レポートの内容にも工夫が見られました。
にもかかわらず、それを真正面から否定された形になってしまった今回の出来事は、本人にとっても大きな挫折だったのではないでしょうか。
また、こうした空気を止めることなく、むしろ“お約束”として笑いのネタに変えてしまうスタジオの構造は、上垣アナの時と何ら変わっていません。現場の空気が変わらない限り、同じような“やらかし”は繰り返されてしまう——それが、視聴者の多くが今感じている不安です。
フジテレビが変われない理由と課題
フジテレビはこれまでも、「イジリ」や「身内ネタ」の限界を何度も問われてきました。しかし、事あるごとに繰り返される同じような構図に、視聴者の“あきらめ”すら感じられます。
一方で、変わり始めている他局の情報番組では、若手を立てる演出や、視聴者目線のリアクションを大事にする傾向が目立ってきました。たとえばNHKでは、経験が浅いアナウンサーの発言に対しても、フォローを入れるスタジオの姿勢が好意的に受け止められています。
こうした違いを比べると、フジテレビの“変われなさ”は明らかです。視聴者の笑いの感覚が時代とともに変わる中で、放送局がどう柔軟に対応していくか——その姿勢が今、強く問われています。
まとめ
ドラマ『愛の、がっこう。』の初回放送当日、本来は華やかに盛り上がるはずだった番宣が、思わぬ形で視聴者の怒りと疑問を呼びました。ラウールさんの“ありきたり”発言は、その内容以上に、スタジオの空気や対応、そしてフジテレビの根強いイジリ体質を浮き彫りにする結果となりました。
林佑香キャスターの引きつった表情、アナウンサー陣の無邪気な笑い、SNSで繰り返される「またか」の声……。これらは単なる“騒動”ではなく、番組の在り方そのものに対する視聴者からの無言のメッセージです。
過去にも同様の「やらかし」があったにもかかわらず、それを活かしきれていない番組作りと演出姿勢。このままでは、番組に出演する若手や視聴者の信頼を失いかねません。
情報番組に求められているのは、「誰かを笑いのネタにすること」ではなく、「誰もが安心して朝を迎えられる空気づくり」です。今後、フジテレビがこの声をどう受け止め、変化につなげていけるかが、視聴者との信頼回復への第一歩になるでしょう。
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