応神天皇陵の前方部に石室!? 隠された報告書が語る真実

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

大阪府羽曳野市にある巨大前方後円墳、誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳。

応神天皇陵として宮内庁が管理するこの巨大前方後円墳に、実は昭和初期、とても興味深い調査が行われていたことが、最近になって明らかになりました。

発見された石室とその背景について紹介します。

目次

前方部に石室!? その意外すぎる発見とは

応神天皇陵

1935年、室戸台風の翌年。誉田御廟山古墳の前方部で、旧宮内省が巨大な竪穴式石室を確認していたというものです。

報告書によると、1935年(昭和10年)、室戸台風の翌年に古墳の前方部を調査中、南北約7メートル、東西約4.5メートルにも及ぶ石室の天井石の一部が確認されたとのこと。これは、同時代の竪穴式石室としては最大級の規模です。

さらに、石室の上の土からは家形埴輪の破片も見つかっています。つまり、単なる構造物ではなく、明確に埋葬や祭祀に関係した施設である可能性が高いのです。

これまで、古墳の埋葬施設は後円部にあるとされ、前方部は祭祀の場と考えられてきましたが、この発見はその常識を覆すものでした。

ところが、この石室の内部は調査されることなく埋め戻され、報告書も長いあいだ公開されてきませんでした。

なぜこの事実は長年“封印”されていたのか

埴輪片まで出土していたにもかかわらず、なぜ記録は表に出なかったのか?

背景には、「天皇陵」とされる古墳への調査が厳しく制限される事情があります。

なぜこの発見は“眠っていた”のか?

このような重要な発見がなぜ長年知られていなかったのでしょうか。その背景には、「天皇陵」の特別な立場があります。

宮内庁は、天皇陵を「皇室の祖先のお墓」として神聖なものと位置づけており、考古学的な調査は原則として許可されていません。宗教的な配慮や、静謐(せいひつ=静けさ)を守るという意味合いもあるそうです。

つまり、たとえ大きな発見があっても、「掘り進めて確認する」こと自体ができない。そして、その報告も長らく表に出ることがなかった――それが現実です。

天皇陵の「中身」は誰のものなのか?

ここで一つの疑問が浮かびます。

応神天皇陵とされている誉田御廟山古墳ですが、本当に応神天皇が葬られているのでしょうか? 実は、このような「治定(ちてい)」――つまり誰の墓かを決めること――には、記紀(古事記・日本書紀)に基づいた歴史的解釈が大きく影響しています。

しかし考古学の視点で見ると、年代や副葬品の内容などが記録と一致しないケースも多く、「本当にその人物の墓なのか?」という疑問が出てきます。もし掘ってみて全く違う人物の墓だったら…その時、公式な歴史はどう扱われるのでしょうか?

こうした「真実が表に出ることで、歴史が揺らぐことへの懸念」が、発掘が進まないもう一つの理由だと指摘する声もあるのです。

それでも、調査の手は止まっていない

発掘が難しいからといって、歴史の探求が止まっているわけではありません。最近では、地中レーダーや3Dレーザー測量、ドローンを使った空撮など、非破壊技術によって外からでも古墳の構造をある程度推定できるようになってきました。

実際、誉田御廟山古墳についても、こうした技術での再調査や周辺部の研究が進んでおり、今後さらに新しい事実が明らかになるかもしれません。


おわりに:土の中に眠る、もうひとつの歴史

今回明らかになった石室の存在は、私たちに「公式な歴史の裏側に、まだ知らない真実がある」ことを教えてくれます。

古墳は、静かにそこに在り続ける存在ですが、ときに過去の報告書が、それに新しい声を与えてくれることもあるのですね。

古墳を守ることも大事ですが、同時に「本当は何がそこにあったのか?」と問い続けることもまた、大切な姿勢なのかもしれません。

参考資料・引用元

  • 毎日新聞(2025年5月3日)
    「応神陵の前方部に巨大石室 宮内庁が1935年に確認」
    ※報道による未公開調査報告書の存在を紹介
  • 宮内庁ホームページ
    https://www.kunaicho.go.jp
    ※陵墓の管理・調査に関する方針など
  • 文化庁:埋蔵文化財情報
    https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/maizo/
    ※全国の古墳調査や遺跡管理方針など
  • 曽本壽『天皇陵はなぜ発掘できないのか』(講談社現代新書)
    ※天皇陵の考古学的・政治的背景を知るうえでの好著
スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次