映画『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』大ヒットの評価、あらすじ・キャスト紹介 考察も

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ゴジラ-1.0
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第96回アカデミー賞 視覚効果賞受賞を受賞して、日本でもアメリカでも大ヒットした映画『ゴジラ-1.0』高評価も多いですね。あらすじ・キャストを紹介して、評価の考察もしています。

目次

あらすじ

第二次世界大戦の末期1945年、追い詰められた日本は特攻作戦を決行していた。特攻兵の敷島浩一(神木隆之介)は機体が故障したと偽り小笠原諸島の大戸島にある整備基地に着陸した。そこを島の人々が「呉爾羅(ゴジラ)」と呼ぶ全長15メートルほどの恐竜が襲う。整備隊の隊長橘宗作(青木崇高)に整備兵たちを救うために射撃を命じられるが、敷島は恐怖で打つことができず多くの犠牲を出してしまう。

戦争が終結し東京に戻った敷島は空襲で家も両親も失ったことを知り、隣人の太田澄子(安藤サクラ)からは「恥知らずもの!」と生きて帰ったことを罵られる。

誰もが生きるのに必死の時代、闇市で捨てられた赤子を抱く大石典子(浜辺美波)と出会い、共に暮らすことになる。敷島は、収入の良い機雷除去の仕事を見つけ生活も安定してきていた。

そんな時、敗戦から立ち直ろうとする東京に巨大生物が襲った。それは、敷島が大戸島で遭遇した恐竜が1946年の水爆実験によって巨大化したゴジラだった。

戦後の何もない状態、政府もアメリカも当てにできない。人々は生活を守るためゴジラと対峙し闘いを挑む。

生きて、抗え。

2023年11月03日公開

第96回アカデミー賞 視覚効果賞受賞

監督・キャスト

監督・脚本:VFX:山崎貴 

2000年『ジュブナイル』で映画監督デビュー。主な監督作に『ALWAYS 三丁目の夕日』、『STAND BY ME ドラえもん』シリーズ、『永遠の0』『アルキメデスの大戦』など。『ゴジラ-1.0』ではVFXも担当し、第96回アカデミー賞で日本映画初の視覚効果賞受賞した。

白組:山崎監督自身も所属する映像制作会社。VFXからミニチュア制作まで幅広い技術を誇る。話題の作品のほとんどに関わっている。

キャスト

役名キャスト
敷島浩一主人公神木隆之介
大石典子敷島と共同生活をしている浜辺美波
太田澄子敷島の隣人安藤サクラ
野田健治元は技術士官 吉岡秀隆
秋津淸治爆弾処理「新生丸」の船長佐々木蔵之介
水島四郎爆弾処理「新生丸」の見習い船員山田裕貴
橘宗作大戸島の海軍航空隊の整備部隊長青木崇高

映画『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』評価

庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』の大ヒットを受けての新作ゴジラについて、山崎貴監督は「「シン・ゴジラ」が対国家であったのに対して、対人間のドラマ」と評しています。VFXを存分に使い、アカデミー賞の視覚効果賞を受賞して白組の名を一躍有名にしました。評価の分かれ目は、ゴジラが見たい人間ドラマに入り込めたかによるようです。

高い評価

  • VFXは素晴らしいが、人間ドラマとしても素晴らしい。
  • ゴジラが破壊神となり恐怖を感じるくらい怖かった。銀座の破壊シーンは、迫力満点で素晴らしい。
  • 劇場で迫力を体感してほしい。
  • 歴代のゴジラ映画の中で一番!!

低い評価

  • ゴジラの出番が少なく、人間ドラマが主体になっている。
  • ゴジラの歩くシーンがロボットみたいで違和感がある。
  • ご都合主義が目立った。

考察

私は『シン・ゴジラ』が好きです。自虐っぽいけれど、初めてはっきりと「日本はアメリカの属国」と言い切ったすがすがしさが好きです。古い体制(政府首脳陣)をあっさりとゴジラの熱線で破壊して、外れ者たちの叡智を寄せ集めてゴジラと対峙するスピード感がありました。

『ゴジラ-1.0』の制作にあたって、山崎監督が「『シン・ゴジラ』はとてもよくできている。これに対抗するには真逆のことをするしかない。それは対国家から対人間のドラマ」と言っています。国家が体制や軍隊などの権力を指すのなら、それに対する人間は?という問いから『ゴジラ-1.0』の時代設定が生まれたのではないでしょうか。

敗戦後、連合軍(実質米軍)による占領下、自衛隊(警察予備隊)創立前。GHQの当初の目的は、日本を完全に非武装にすることとソ連など共産圏に対する防波堤とすることだったから、もし本当にゴジラが襲来したら米軍は攻撃をしたでしょう。ただし、守るのは国土であって東京を再び焼土と化すこともいとわない。『シン・ゴジラ』のように核兵器による攻撃も行ったでしょう。

そこは「ソ連を刺激するのでアメリカは出てこれない」ということにして、誰も頼るものがない時代にどう戦うか?

国家(天皇)のために戦わされ多くの犠牲を払った。やっと生き残って、敗戦後も生きるのがやっとの時代を歯を食いしばって生きてきた。もう一度戦うなら何のために戦うのか?

戦う意義を見つけるために、前半のドラマ部分は必要だったのでしょう。

特攻で犬死のように死ぬのを恐れて逃げた敷島は、生きて帰ったことを「恥知らず」と罵られる。大戸島で呉爾羅を攻撃できずに犠牲者を出したことは、戦場で生き残ってしまった苦悩と同じでしょう。敷島のせいではないけれど、他人も自分も彼を責める。戦後、多くの体験者が口をつぐみ、今、生きているうちにとその壮絶な体験を語り始めています。戦争体験者がほとんど亡くなってきた現在、もう遅すぎたと思いたくないですが。

映画はエンターテイメントです。『ゴジラ-1.0』が強い反戦メッセージを掲げているとは思いません。ゴジラが咆える!!街を破壊する!!戦闘機や軍艦で攻撃する!!ゴジラ映画のカタルシスです。それが見たくて劇場に足を運ぶのですから。

強力な軍備がない場合、どうにか探し出したのが急激な水圧の変化でゴジラを倒す作戦。当然、こんなことでゴジラが倒れる訳はないので、最終的に持ち出したのが特攻作戦です。けれど、死んで英雄になるよりも、生きることを選ばせたことが希望となってエンディングへ。

「生きて、抗え!」

海に消えていったゴジラに敬礼する場面は、いかにも日本らしいですね。ハリウッド映画なら、諸手を挙げて喜びあい、恋人とキスする場面です。ゴジラに対する日本人の感情の相違でしょう。私もゴジラ大好きです。

典子は、当初の脚本ではそのまま亡くなっている設定だったそうです。監督が「頑張った敷島がかわいそうだから」という理由で復活したのだとか。でもハッピーエンドでは終わらせない。典子の首筋に不穏な黒い痣が・・・。

そしてゴジラも復活します。これから多くのゴジラ映画がつくられていくのですから。対怪獣とのゴジラ映画に親しんだ世代です。今度のゴジラ映画ではどこどこのビルが破壊されるぞ!!なんてね。

ハリウッドのGODZILLAに負けないVFXで我がゴジラ映画をアメリカでもヒットさせた業績は大きいですね。その点でも観る価値はあると思います。

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