映画『十一人の賊軍』は実話?時代背景とあらすじ・キャストを紹介

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11人の賊軍
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『孤狼の血』白石和彌監督他キャストが集結し、伝説の映画『仁義なき戦い』の笠原和夫が残した幻のプロットを映画化して話題になっています。

主演の山田孝之仲野太賀玉木宏阿部サダヲとそうそうたるメンバーが集まりました。公開は2024年11月1日。

ここでは映画『十一人の賊軍』の時代背景を探ることで、この映画は実話なのか検証します。あらすじやキャストも紹介しています。

映画『十一人の賊軍』

「日本侠客伝」シリーズ(64 年)、「仁義なき戦い」シリーズ(73 年)などを手掛け、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆した幻のプロットが、60年の時を経て映画化!

明治維新の中で起きた“戊辰戦争”の最中、新発田(しばた)藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件・奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11 ⼈の罪⼈たちが「決死隊」として砦を守る任に就く物語。

公開日:2024年11月1日(金)

出演:山田孝之/仲野太賀 /尾上右近/鞘師里保/佐久本宝/千原せいじ/岡山天音/松浦祐也/一ノ瀬颯/小柳亮太/本山力/野村周平/音尾琢真/玉木宏/阿部サダヲ  

監督:白石和彌 原案:笠原和夫 脚本:池上純哉 音楽:松隈ケンタ

配給:東映  ©2024「十一人の賊軍」製作委員会

映画公式サイト: http://11zokugun.com/

映画公式X: @11zokugun_movie

映画公式Instagram: @11zokugun_movie

映画公式サイトより

上映劇場一覧

目次

時代背景

江戸末期、黒船来航などの列強諸国の圧力や国内の経済的、社会的問題により江戸幕府の統治能力は弱体化していました。幕府の政策に不満の藩、薩摩藩長州藩を中心に尊王攘夷運動が広がります。

1886年、薩摩と長州が手を組み薩長同盟を結び江戸幕府に対する強力な対抗勢力となります。

これ以上の内戦を避けるため、第15代将軍徳川慶喜は、政権を自ら天皇に返上する大政奉還を決断します。これにより江戸幕府は終焉を迎えることとなりますが、自ら政権を手放す一方で、徳川家の影響力を維持する目的もありました。

しかし、討幕派は徳川慶喜が依然として強い影響力を持っていることを懸念し、完全に徳川家を政権から排除し、天皇を中心とした新政府を樹立するために京都御所王政復古の大号令を発します。これにより江戸幕府は完全に廃止され、天皇中心の新政府が樹立されます。

これに反発する旧幕府勢力と新政府軍が衝突し、1886年京都で鳥羽伏見の戦いが勃発。敗北した旧幕府軍の徳川慶喜は江戸に逃れ、戊辰戦争が始まります。

戊辰戦争は全国の諸藩を巻き込み、新政府に従うか旧幕府に味方するかを迫られ、多くの藩が戦争に参戦することになります。特に、会津藩や東北地方の諸藩は、旧幕府に近い立場を取り、新政府と対立奥羽越列藩同盟を結成して戦います。

新発田藩は、豊臣に恩のある外様大名で、幕末まで5万石から10万石に髙直しされた小藩でした。

一度は奥羽越列藩同盟に加入しますが、新政府軍の圧力もあり藩存続のため新政府軍とひそかに連絡を取り、最終的には新政府側に寝返ります

新発田藩は新政府軍として新潟町征圧の作戦に参加し、貢献します。

新潟町は交通の要所であり、海港としても重要な位置を占めていました。この町を征圧することで、新政府軍は物流や軍事作戦の拠点を手に入れ、会津藩などの強大な抵抗勢力に対して戦局を有利に進め、最終的には旧幕府軍の敗北に終わりました。

新潟町征圧は、戦略的、政治的な側面から見ても戊辰戦争の勝敗に大きな影響を与えたのです。こうして新発田藩は、廃藩置県まで存続することができました。

しかし、旧幕府軍からは裏切り者として非難されることになります。

その非難を覆すためにも新発田藩は常に前線で戦うことを余儀なくされます。より多くの犠牲者が出たことが想像されますね。

あらすじ

この物語は戊辰戦争の中、新政府軍の圧力を受けながら旧幕府軍の奥羽越列藩同盟に加入していた新発田藩が、藩存続のため新政府軍に寝返り、最終的に新政府軍の勝利に貢献する歴史的事件を題材に作られたフィクションです。

駕籠かき人足のは侍殺しの罪で捕まります。政は連れていかれた牢屋で強烈な個性を持つ9人の囚人と出会うことになります。一方、新発田藩の侍、鷲尾兵士郎は佐幕派で、新政府軍に恭順したい新発田藩の中で疎まれている存在でした。

兵士郎は、城代家老溝口内匠から薩長率いる「官軍」から3日間砦を守るよう命じられますが、味方は十人の死刑囚のみ。勝てば無罪放免、負ければ死。藩存続の捨て駒としての戦いを強いられます。

十人の囚人と一人の侍、果たして、彼らは生きて帰ることができるのか――。

映画のシナリオをノベライズした小説があります。映画が待てない方、予習しておきたい方は読んでみてはいかがでしょうか小説『十一人の賊軍』冲方 丁著

監督・スタッフ

『十一人の賊軍』の脚本は、「日本侠客伝」シリーズ(64 年)、「仁義なき戦い」シリーズ(73 年)の脚本家・笠原和夫が1964年に執筆したものだそうですが、当時、製作を断られ、頭にきて300ページもある脚本を破り捨てたとか!!

その幻の脚本のプロットを、監督:白石和彌  脚本:池上純哉と『孤狼の血』スタッフが集結して制作されました。そういえば、『仁義なき戦い』も『孤狼の血』も広島が舞台でした。

リアルで生々しい描写と深い人間ドラマに定評がある白石和彌監督作品。『十一人の賊軍』でも、強者の狭間であがく弱者の熱き戦いを描いています。

キャストと配役

役名キャスト
山田孝之
鷲尾兵士郎仲野 太賀
赤丹尾上 右近
なつ鞘師 里保
ノロ佐久本 宝
 引導千原せいじ
おろしや岡山 天音
三途松浦 祐也
二枚目一ノ瀬 颯
辻斬小柳 亮太
爺っつあん本山 力
入江数馬野村 周平
仙石善右エ門音尾 琢真
山縣狂介(山形有朋)玉木 宏
溝口内匠阿部 サダヲ

政の入れ墨の意味

侍殺しで死刑を言い渡された政の背中には一面に菩薩を守る龍の刺青が刻まれています。

映画本編では刺青の意味は語られていませんが、監督から刺青に込められたドラマが語られました。

荒くれ者だった政が、さだと出会ったことで改心し、真面目に働くようになり、それを機に刺青を入れ始めたという夫婦の歩が刻まれているというもの。

それゆえ、刺青は完成していなく、本編で政が見せる“何がなんでも生きて帰る”という執念の裏にある、互いを思い合う夫婦の絆の物語を感じさせるキーアイテムの一つとなっている。

シネマトゥデイより

ちょっと泣かせる話です。

政が侍を殺したのは、耳が不自由な妻・さだ(長井恵里)が新発田(しばた)藩士に襲われたからです。

妻のさだに出会って「初めて人として生きることが出来た」政の妻への深い愛情が生きる希望ですね。

『十一人の賊軍』ロケ地紹介

新発田城址公園 (日本歴史公園100選)

劇中にも登場する三匹の鯱が特徴的です。赤穂浪士堀部安兵衛は新発田の出身なんですね。映画やドラマ、CMのロケ誘致に積極的な市のようです。この映画では当然、ロケ地に!!

城下町新発田の象徴である「新発田城(別名:あやめ城)」を含む市街地の中にある広い公園です。
国の重要文化財である新発田城表門や旧二の丸隅櫓、お堀が当時のままの姿で残されています。平成16年7月には、全国でも例を見ない三匹の鯱を配した三階櫓と新発田出身の赤穂義士堀部安兵衛の運命を決めたといわれている辰巳櫓が復元されました。春には360本の桜の花見、秋には紅葉、冬には一面の雪景色が美しい憩いの公園です。

新発田市HPより

長野市松代地区

長野市もロケ地として有名なところですね。多くのドラマや映画、CMが撮影されています。

ロケ地巡りも楽しそうです。ロケ地案内パンフレット

長野市松代でもロケ、映画「十一人の賊軍」 11月公開 知名度アップや誘客に期待

信濃毎日デジタル
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