金融機関が通報しても防げなかった…12億円詐欺事件の手口を時系列で整理

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

愛媛県で、80代女性が警察官や検察官を名乗る人物らに約12億円をだまし取られる特殊詐欺事件が明らかになりました。今回の事件で特に衝撃的なのは、被害の途中で金融機関が異変に気づき、2025年12月17日に県警へ通報していたにもかかわらず、最終的に被害を防げなかったことです。

事件は、2025年10月ごろの「保険証が不正利用されている」という電話から始まり、SNSでのやり取りや資産調査の名目を通じて、2026年2月まで長期間続いていました。この記事では、男たちと連絡が取れなくなったことで女性が警察に相談し、事件が発覚するまでの流れを時系列で整理しながら、“ニセ警察詐欺”の巧妙な手口をわかりやすく見ていきます。

はじめに

愛媛県で起きた今回の特殊詐欺事件は、被害額の大きさだけでなく、その進み方にも大きな衝撃があります。警察官や検察官を名乗る人物らが、長い時間をかけて被害者を信用させ、結果として約12億円もの送金につながったとされています。

しかも今回は、途中で金融機関が不審な動きに気づき、県警へ通報していました。それでも最終的な被害を止められなかったという事実は、今の特殊詐欺がどれほど巧妙になっているかを物語っています。単なる「振り込め詐欺」ではなく、“捜査への協力”だと思わせながら被害者自身に資金を動かさせる、非常に悪質な手口だったといえそうです。

目次
スポンサーリンク

1.最初の接触は「保険証が不正利用されている」という電話だった

事件の始まりは、2025年10月30日ごろでした。女性の自宅固定電話に、薬局店員を名乗る女から「あなたの保険証が不正に使われている」「警察につなぎます」などと電話が入ったとされています。

続いて、石川県警の警察官を名乗る男が電話に出て、「あなたの身の潔白を証明するために協力してほしい」と説明したと報じられています。突然、自分の個人情報が犯罪に使われているかもしれないと言われれば、不安になるのは当然です。そのうえで警察につながれれば、「本当の事件なのかもしれない」と思ってしまいやすくなります。

今回の事件の怖さは、最初からお金の話を持ち出したわけではないところにあります。まずは保険証の不正利用という身近な不安をぶつけ、そのあとで警察を名乗って信用させる。入口の段階で、すでに心理的な囲い込みが始まっていたとみられます。

2.電話からSNSへ移り、少しずつ「捜査」のように見せていった

その後、女性は別の警察官や検事を名乗る男らとSNSでやり取りするようになったとされています。そこで相手は「あなたの口座で資金洗浄されています」「財産を調査する必要があるので、お金を全て送金してください」などと伝えていたといいます。

ここで重要なのは、相手が単に「送金してほしい」と頼んでいるのではなく、「捜査の一環」「あなたの潔白を証明するため」といった名目を与えている点です。被害者からすると、自分がだまされているのではなく、むしろ自分を守るために必要な手続きをしているように感じられてしまいます。

電話からSNSへ移ることで、やり取りはより日常的で継続的なものになります。複数の人物が登場すれば、「これは本当に組織だった捜査なのではないか」と思い込まされやすくなります。今回の事件は、“本物らしさ”を丁寧に作り込んでいく詐欺だったといえます。

3.2025年12月17日、金融機関が異変に気づいて県警へ通報していた

今回の事件で特に重く受け止めたいのが、2025年12月17日の時点で、詐欺被害の懸念があるとして金融機関から県警に通報があったという点です。報道では、その際に県警は女性に直接話を聞くなどし、適切な対処をとっていたとされています。

それでも結果として、被害は防げませんでした。この事実はとても重く、今の特殊詐欺が単純な「怪しい話」ではなく、外から止めに入ってもなお被害者の認識を変えにくいレベルまで巧妙化していることを示しています。

いったん「これは本当の警察案件だ」と信じ込まされると、金融機関や警察からの確認さえも、「捜査上の確認なのだろう」と受け止めてしまうことがあります。今回の事件は、犯人側が“だます技術”だけでなく、“疑いを打ち消す技術”まで使っていたように見える事例です。

4.2025年12月から2026年2月にかけて、8回で約12億円を送金

女性は2025年12月から2026年2月にかけて、計8回、指定された口座に約12億円を振り込み、だまし取られたとされています。被害額は愛媛県内で過去最悪、特殊詐欺としても全国で過去最高規模と報じられました。

さらに報道では、女性が12億円を振り込む前に、インターネットバンキングに1億円を入金し、5000万円分の暗号資産を購入していたことも伝えられています。つまり犯人側は、銀行振込だけでなく、ネットバンキングや暗号資産の利用まで被害者に操作させていた可能性があります。

暗号資産が絡むと、一般の人にはさらに状況がわかりにくくなります。「難しい手続きだからこそ、本当の捜査かもしれない」と感じてしまう人もいるかもしれません。しかし実際には、資金の流れを見えにくくする目的で暗号資産が使われるケースもあり、今回もその一端がうかがえます。

5.男たちと連絡が取れなくなり、2026年2月に女性が相談して事件が発覚

事件が発覚したきっかけは、男たちと連絡が取れなくなったことでした。報道によると、女性はそれを不審に思い、2026年2月に警察へ相談したことで事件が明らかになったとされています。

この点からも、女性が被害の途中では「だまされた」とは思っていなかった可能性がうかがえます。最後まで相手を信じていたからこそ、連絡が途絶えたことではじめて違和感が強くなり、相談につながったのかもしれません。

時系列で見ると、今回の事件は一度の電話で終わるタイプではなく、2025年10月ごろから2026年2月まで、数か月にわたって信じ込ませ続けた詐欺だったことがわかります。長期間にわたる接触が、被害をここまで大きくした大きな要因だったのでしょう。

6.今回の事件が示した“ニセ警察詐欺”の怖さ

今回の事件の本質は、犯人が「警察」「検察」「資産調査」といった言葉を使って、被害者に送金を“協力行為”だと思わせていた点にあります。お金を取られるというより、自分の潔白を証明するための行動だと受け止めさせることで、被害者の警戒心を外していったのです。

しかも、金融機関が異変に気づき、県警も途中で接触していたのに、それでも止められなかった。これは被害者を責める話ではなく、誰でも状況によっては判断を狂わされるおそれがあることを示しています。詐欺の手口は、こちらが思っている以上に現実の制度や心理を研究して作られています。

警察は、本物の警察官がSNSで連絡したり、捜査を理由に送金を求めたりすることはないとして注意を呼びかけています。相手が警察や検察を名乗っていても、「口座が犯罪に使われている」「資産確認のためにお金を動かして」「暗号資産を買って」と言われた時点で、まず詐欺を疑うことが大切です。

まとめ

今回の12億円詐欺事件を時系列で整理すると、2025年10月30日ごろに「保険証の不正利用」を口実に電話で接触され、警察を名乗る男らを信用。SNSでやり取りを続ける中で「財産を調査する必要がある」などと伝えられ、2025年12月から2026年2月にかけて8回、約12億円を送金させられたという流れになります。

しかも途中の2025年12月17日には金融機関から県警へ通報があり、県警も女性に直接話を聞いていました。それでも防げなかったことは、今の特殊詐欺がいかに巧妙で、被害者の判断を長期間支配してしまうかを示しています。

警察や検察を名乗る相手から、お金の移動や暗号資産の購入を求められた場合、それは本物の捜査ではありません。不安をあおる電話やSNSが来たときこそ、その場で応じず、家族や最寄りの警察署、金融機関に自分から別ルートで確認することが大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次