人気ドラマ「VIVANT」の続編撮影が進められていたアゼルバイジャンで、悲しい事故が起きました。
撮影に必要な備品を運搬していたトラックが山岳道路から転落し、運転手が死亡。同乗者も負傷する事態となり、TBSも公式に発表しています。
なぜこのような事故が起きたのか――。
本記事では、事故現場となったアゼルバイジャンの道路事情や地形・気象のリスクをわかりやすく解説し、ドラマ制作現場の過酷な実態に迫ります。
はじめに
ドラマ「VIVANT」海外ロケで発生した事故

2026年に続編が決定したTBSドラマ「VIVANT」の海外ロケ中、アゼルバイジャンで悲しい事故が起きてしまいました。

撮影に必要な衛生設備を運んでいたトラックが、山間部の道路から転落したのです。
この事故で運転していた52歳の男性が命を落とし、同乗していた48歳の男性も腕を骨折して入院することになったと報じられています。
人気シリーズの舞台裏を支える大切なスタッフが犠牲になったことで、私自身も胸が締めつけられるような思いを抱きました。
撮影地アゼルバイジャンと事故の背景


事故が発生したのは、アゼルバイジャン北東部グバ県から標高約2,000メートルに位置するグリズ村へと続く山岳道路でした。
グバの市街地までは高速道路が整備されており快適に走れるそうですが、その先は一転して急カーブや崖沿いが続く未舗装の山道となり、現地の人も4WD車を推奨するほど険しい道のりです。加えて、この地域は濃霧や積雪が多い気候で、運転には高度な注意が必要だといわれています。
TBSは「昨年から下見を重ねていた」とコメントしていますが、自然の厳しさと道路整備の不十分さが重なり、今回の事故につながってしまったと考えざるを得ません。
視聴者として作品を楽しみにしているからこそ、安全の裏にある過酷な現場環境を知り、胸が痛みました。
1.事故の概要
運搬車両の転落と被害状況
事故が起きたのは8月27日、グバ県から山間部へと続く道路でした。
衛生設備を積んだトラックが崖沿いの道を走っていたところ、バランスを崩して谷底へと転落しました。
乗っていたのは2人で、52歳のドライバーが亡くなり、48歳の同乗者は腕を骨折して1週間の入院を余儀なくされたそうです。
現地の報道では「視界が悪く、急カーブが続く危険な区間だった」と伝えられており、その状況を想像すると本当に恐ろしくなります。
TBSの発表と公式コメント
事故を受け、TBSはすぐに公式コメントを発表しました。「亡くなられた方のご遺族に心よりお悔やみ申し上げます」との言葉とともに、負傷者の一日も早い回復を祈ると述べています。
さらに再発防止策として、現地制作会社を通じて道路や天候、ドライバーの体調まで点検しているとのことです。
人気ドラマの撮影中に起きた事故ということもあり、国内外で大きく報道され、SNSでも多くの声が寄せられていました。私自身もニュースを見て、作品を支える現場の人々の大変さにあらためて思いを馳せました。
撮影スケジュールと現地体制
今回の撮影は、昨年から何度も下見を行い準備を整えたうえで、8月27日から本格的に始まる予定だったそうです。
制作チームは現地のスタッフとも協力し、安全を第一に考えていたといいます。
しかし山岳地帯という厳しい環境は予想を超えるもので、輸送の段階で大きなリスクが表面化しました。
続編の撮影に豪華キャストが揃う期待感が高まっていた中での事故は残念でなりませんが、裏方の努力と危険を知ることで、ドラマが生まれる舞台裏にある重みを強く感じました。
2.道路整備状況
幹線道路(M1/E119)の良好な区間

片側複数車線で整備されており、高速性が確保された幹線道路です。
首都バクーからグバ市街までは、国道M1(E119)が整備されており、片側2車線の快適な高速道路が続いています。道路幅も十分で、標識や照明も整っていて、日本の高速道路に近い感覚で走行できるといいます。
物流や観光の中心ルートとして機能しており、都市部からのアクセスも便利です。
グバ以北山岳路の未舗装・狭隘区間
しかし、グバ市街を越えて山岳地帯に入ると様子は一変します。
グリズ村までの道は未舗装の部分が多く、細い一車線の道路が長く続きます。急勾配やカーブの連続、そして崖のすぐ脇を通る道は、運転するだけでも神経を使う環境です。
雨が降ればぬかるみ、晴れれば砂埃が舞うなど、路面状況も刻一刻と変わるため、観光客や運搬車両にとって大きな負担になります。
ガードレール未整備や住民の声
さらに大きな問題は、安全設備の不足です。崖沿いの道でもガードレールが設置されていない箇所が多く、わずかな操作ミスが命取りになってしまいます。
地元の人々からは「道路の整備が遅れていて生活に支障がある」「救急搬送にも時間がかかる」という声が挙がっています。
視聴者としてこうした実情を知ると、撮影隊が直面する危険の大きさを実感し、胸が痛みました。
3.地形と気象の危険性(画像はイメージ)
グディアルチャイ川峡谷沿いの急勾配
谷底が見える区間が多く、大型車は特に減速が必須です。
事故現場となった道路は、グディアルチャイ川の峡谷沿いを通っています。谷底まで切れ込んだ急な地形で、道路は山肌に沿って敷かれているため勾配がとても急です。
グバから標高600メートルほどで出発し、短い距離で一気に2,000メートル近くまで上がるため、車両には大きな負荷がかかります。
特に大型車は減速が難しく、ちょっとした判断の遅れが重大な事故につながります。
つづら折りカーブと崖沿い走行
つづら折りカーブが連続する峡谷ルート。見通しが悪いブラインドカーブが続きます。
グリズ村に向かう道はつづら折りのカーブが連続しており、先が見えない場所も多くあります。道幅も狭く、すれ違うのがやっとという箇所もあるそうです。
砂利道や未舗装の区間が多く、雨や雪で路面が崩れやすくなっています。
観光で訪れた人が「車窓から下を見たら足がすくむ高さだった」と話すほどで、その危険さが伝わってきます。こうした環境で大型のトラックを運転するのは、ほんのわずかなミスでも命取りになると想像できます。
濃霧・積雪・視界不良によるリスク
アゼルバイジャン・グバ地方の山岳道路。断崖と霧が重なると視界は一気に悪化します。
さらに気象条件も厳しいものです。夏でも濃霧が発生し、数メートル先が見えないこともあります。
冬になると積雪や凍結で道路は滑りやすくなり、通行はさらに危険を増します。地元の人からも「霧で前の車のライトすら見えなくなる」との声があり、運転者にとっては命がけの環境だといえるでしょう。
今回の事故も、自然の厳しさと道路環境の脆さが重なった結果だと考えると、本当に切なくなります。
まとめ
「VIVANT」の海外ロケで起きた今回の事故は、山岳地域という過酷な環境で行われる撮影の裏側を私たちに突きつけました。
高速道路のように整備された道がある一方で、山に入ればガードレールもない未舗装の道路が続きます。
そこに急勾配や崖沿い、濃霧や積雪といった自然の要素が重なり、運転は常に危険と隣り合わせです。
尊い命が失われたことは本当に痛ましく、今後の再発防止に向けて道路整備や安全対策が進むことを願います。
そして、普段何気なく見ているドラマの裏には、こんなにも多くの努力と危険があるのだということを、視聴者として忘れずに心に留めておきたいと思います。
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