2025年8月19日放送のフジテレビ系『ぽかぽか』に俳優・堤真一さんが出演しました。
普段は寡黙で宣伝中心のトークが多い堤さんですが、この日は舞台裏の苦悩から名作ドラマ『やまとなでしこ』の裏話、さらには後輩・中村倫也さんとの“師弟関係”まで、率直で温かい言葉を次々と披露。
スタジオには驚きと共感の空気が広がりました。
特に「自分は役者に向いていない」と語る一言は大きな反響を呼び、華やかな表舞台の裏にある役者としての葛藤が垣間見える瞬間でした。
一方で、中村倫也さんとの16年にわたる交流エピソードは、師弟を超えた“家族のような絆”を感じさせ、多くの視聴者の心を温めました。
はじめに

堤真一が『ぽかぽか』に出演した背景
2025年8月19日に放送されたフジテレビ系の昼番組『ぽかぽか』に、俳優の堤真一さんがゲストとして登場しました。
普段はドラマや映画の宣伝を中心に出演することが多い堤さんですが、この日はいつも以上に率直な言葉で自身の役者人生について語り、スタジオが驚きと共感に包まれました。
番組では、若い頃に坂東玉三郎さんの舞台で黒子を務めた経験や、演劇の養成所に通わずに役者になった経緯、そして大ヒットドラマ『やまとなでしこ』出演の裏話までが紹介され、視聴者にとって新鮮な内容となりました。
番組で語られた本音の重要性
今回の放送で特に印象的だったのは、堤さんが「自分は役者に向いていない」と感じる瞬間があると率直に明かしたことです。
舞台はその日の公演で完結しますが、映像作品は何カ月も同じ役に縛られるため、時に苦しく感じることもあるというのです。
華やかな表舞台とは裏腹に、役者としての悩みや葛藤を率直に語ったことで、視聴者は堤さんの人間味に触れることができました。
また、共演した中村倫也さんが堤さんを「役者人生の父」と慕う姿もあり、師弟関係の温かさが伝わったことで、番組は単なるトーク以上に深い余韻を残しました。
1.若い頃の黒子体験と舞台への思い
坂東玉三郎の舞台で黒子を務めた経験
堤真一さんが舞台の世界に最初に足を踏み入れたのは、坂東玉三郎さんの舞台で黒子を務めたときでした。黒子とは、舞台上で背景の転換や小道具の出し入れを行う黒衣のスタッフのこと。
観客からは目立たない存在ですが、舞台を成り立たせる上で欠かせない役割です。
堤さんは、この裏方の仕事を通して、舞台全体が一つになって進んでいく緊張感や完成度の高さに魅了され、「自分もこの世界に関わりたい」と強く思うようになったそうです。
舞台に関わりたいと思った原点
黒子として働く中で、照明の光、役者の発する声、観客の反応が一体となって空間を作り上げる瞬間に触れ、舞台芸術の奥深さを実感した堤さん。
華やかな役者の表情だけでなく、裏方の支えがあってこそ舞台が完成することを目の当たりにした経験は、後に彼の演技観に大きな影響を与えました。
「舞台に関わる仕事がしたい」という気持ちは、このとき芽生えたものだといいます。
演劇養成所に通わずに歩んだ俳優への道
ただし、堤さんは演劇の養成所で演技を体系的に学んだわけではありませんでした。
多くの俳優が専門の学校や劇団で訓練を受ける中、堤さんは偶然の出会いや現場での経験を通して、自分なりに演技の力を磨いていったのです。
舞台裏からスタートし、やがて表舞台へと歩みを進めた彼の道のりは、決して一直線ではありません。それでも一歩ずつ積み重ねてきた実体験が、後の役者としての説得力につながっていきました。
2.「役者に向いていない」と感じる瞬間
舞台は1日で完結する仕事の特性
堤真一さんが俳優の仕事について語るとき、よく引き合いに出すのが「舞台」と「映像」の違いです。
舞台は一日の稽古や本番で区切りがつき、その日の拍手や観客の反応を糧に次の日へ向かうことができます。演じる側にとっては、その日ごとに気持ちをリセットできる点が魅力でもあり、長く続けるエネルギー源にもなります。
堤さんは舞台の「一回性」に安心感を覚えると同時に、観客と同じ時間を共有できる喜びを強調していました。
映像作品で長期間役に縛られる苦しさ
一方で映像の仕事は、映画やドラマの撮影が数カ月単位に及ぶことも珍しくありません。
堤さんは、役に入り込む時間が長く続くことで、プライベートな時間までも役柄に影響されてしまうと語ります。
特にシリアスな役や感情を揺さぶる役を演じる際は、撮影が終わっても気持ちが抜けきらず、日常生活に持ち込んでしまうことがあるそうです。
その積み重ねが「役者は自分には合っていないのではないか」という思いにつながることもあると、率直に明かしました。
俳優を辞めたいと思う本音
堤さんは、長い撮影の中で「辞めたい」と感じることが何度もあったと語っています。
作品が成功しても、その過程で消耗する気力や体力は大きく、時には限界を感じたこともあるそうです。
多くの視聴者が羨む華やかな俳優の世界ですが、実際には役に縛られる時間の長さと、その負担から「自分は役者に向いていない」と心の底で思ってしまう瞬間がある。
堤さんの言葉は、俳優という仕事の裏に隠れたリアルな側面を映し出していました。
3.『やまとなでしこ』出演と転機


事務所社長に説得され出演が決定
2000年放送の月9ドラマ『やまとなでしこ』は、堤真一さんのキャリアを大きく飛躍させた代表作のひとつです。
しかし、当時の堤さん自身は出演に消極的で、「自分には合わない」と感じていたといいます。
そんな堤さんを現場へ送り出したのは、事務所の社長でした。「今は土壇場だから、仕事をしなさい」という強い言葉に背中を押され、渋々ながら出演が決まったのです。
この“強制的な決断”が、後に彼の俳優人生を方向づける大きな転機になりました。
放送当時の本人の葛藤と迷い

撮影が始まってからも、堤さんは自分の演技に確信を持てず、葛藤し続けていたそうです。
主演の松嶋菜々子さんとの掛け合いに圧倒され、「自分でいいのか」という不安を抱きながら現場に立っていたといいます。
人気枠の月9ドラマというプレッシャーも重くのしかかり、撮影初期は気持ちの余裕がなかったとも語っています。
それでも、周囲の俳優やスタッフの支えがあり、少しずつ役に向き合えるようになった堤さん。その過程は、彼が役者を続ける大きな力になっていきました。
大ヒットによるキャリアの転換点
結果として、『やまとなでしこ』は大ヒットを記録し、堤真一さんの知名度を一気に全国区へと押し上げました。
堅実な舞台俳優から、テレビでも広く知られる存在へと変化した瞬間でした。
振り返れば、出演をためらいながらも挑戦したからこそ、俳優としての新しい道が開けたのです。
この経験は、堤さんにとって「役者に向いていない」と感じる瞬間がありながらも歩みを止めず、結果的に大きな成果を掴むきっかけになりました。
- 名前:堤 真一(つつみ しんいち)
- 生年月日:1964年7月7日
- 年齢:61歳(2025年現在)
- 出身地:兵庫県西宮市
- 身長:178cm
- 血液型:AB型
- 学歴:西宮市立西宮東高等学校 卒業
- 所属事務所:シス・カンパニー
- デビュー:1984年、蜷川幸雄演出『ハムレット』でデビュー(黒子として参加)
- 主な出演作:
- ドラマ:『やまとなでしこ』『恋ノチカラ』『SP 警視庁警備部警護課第四係』
- 映画:『ALWAYS 三丁目の夕日』『クライマーズ・ハイ』『地下鉄(メトロ)に乗って』『容疑者Xの献身』『とんび』
- 舞台:『マクベス』『ハムレット』『朗読劇 えんとつ町のプペル』など
- 家族:2013年に一般女性と結婚、現在2児の父
番組に登場した堤真一さんと中村倫也さん

この日は生放送ということもあって、いつも以上に飾らない雰囲気。
堤さんは、役者としての本音を語ることが多い方ですが、今回はそれに加えて中村倫也さんとの“師弟関係”にも注目が集まりました。
中村さんは堤さんを「役者人生の父」と慕っていて、16年来のお付き合いがあるそうです。テレビを通しても、お二人の信頼関係が伝わってきて、見ているこちらまで温かい気持ちになりました。
ほうれん草のエピソード
番組で紹介された中で特に印象に残ったのが「ほうれん草」のお話です。
若い頃の中村さんは、食事がレトルトやコンビニ食品ばかりだったそうで…。
そんな時、堤さんが「インスタントでもいいから、ホウレンソウだけは食っとけ」とアドバイスしたのだとか。
中村さんは本当にその日にほうれん草を買って帰ったというエピソードが明かされました。
堤さんらしいシンプルで実用的な助言に、思わずクスッとしてしまいましたし、弟子を想う親心のような温かさを感じました。
一人暮らしを後押しした堤さん
さらにもうひとつ心に残ったのが、「来週から1人暮らししろ」と堤さんに言われて、中村さんが翌月には本当に一人暮らしを始めたというお話です。
若手の頃はどうしても環境に甘えてしまいがちですが、堤さんの一言が中村さんを自立へと導いたのだと思うと、まさに“父”の存在ですよね。
このエピソードを聞きながら、堤さんが後輩思いで面倒見の良い方であることを改めて感じました。
お二人の関係性から感じたこと
今回の放送で見えたのは、華やかな俳優業の裏で築かれた人間同士の絆でした。
堤さんが「役者に向いていない」と感じることがある一方で、こうして後輩を支え導いてきたこと自体が、役者としてだけでなく“人”としての魅力を証明しているように思います。
そして中村さんにとっても、堤さんの存在が役者人生を歩む上で大きな支えになっているのだと強く感じました。
まとめ
堤真一さんが『ぽかぽか』で語った内容は、華やかな俳優という仕事の裏に隠された葛藤を知る貴重な機会となりました。
坂東玉三郎さんの舞台で黒子を務めた経験から始まり、舞台の一回性に魅力を感じつつも、映像作品では長期間役に縛られる苦しさを抱え、「自分は役者に向いていない」と本音を吐露した堤さん。その言葉は、役者という職業の厳しさをリアルに映し出しています。
しかし同時に、大ヒットドラマ『やまとなでしこ』のように、迷いながら挑戦したからこそ新しい道が開け、俳優として大きな飛躍を遂げてきたのも事実です。
事務所の社長に背中を押され、渋々踏み出した一歩が、後の堤真一という存在を形づくるきっかけになりました。
「役者に向いていない」と感じながらも演じ続け、キャリアを重ねてきた堤さんの姿は、完璧に見える俳優にも迷いや弱さがあることを教えてくれます。
そして、その葛藤と継続こそが、今の堤真一を支えている大きな力なのかもしれません。
コメント