2024年2月から突然姿を消していた東京ヤクルトスワローズの人気マスコット「つば九郎」。
その活動休止の背景には、長年パフォーマンスを担っていた担当スタッフの急逝がありました。
そして2025年6月、林田哲哉社長が株主総会で「つば九郎の活動再開」を正式に発表!この記事では、活動休止の経緯から再始動の方針、今後の展望やファンの反応までをわかりやすくまとめます。
はじめに

人気マスコット「つば九郎」の活動休止に注目が集まる理由
プロ野球・東京ヤクルトスワローズの公式マスコット「つば九郎」は、ただの着ぐるみではありません。
試合中のパフォーマンスはもちろん、ボードに書かれる“毒舌コメント”やイベントでのユーモアある発言で、多くのファンに親しまれてきました。
1994年の登場以来、球場の盛り上げ役として欠かせない存在であり、球団の象徴とも言えるキャラクターです。
しかし2024年2月、担当スタッフの急逝により突如として活動を休止。X(旧Twitter)やニュースサイトでは「どうしたの?」「何かあったのか?」と心配の声が相次ぎました。
長年愛されてきた存在だけに、その活動停止は多くの人の関心を集めています。
林田社長が株主総会で語った“再始動”への決意
そんな中、2025年6月25日に開かれたヤクルト本社の株主総会で、林田哲哉社長兼オーナー代行が「つば九郎の活動を来季以降に再開する方針」を明らかにしました。公式の場で初めて発言されたこの言葉に、ファンの間では安心と期待の声が広がっています。
林田社長は「今後もファンに愛され続ける存在でいてほしい」と語り、マスコットの再出発に向けた準備が進められていることも示唆。
単なる再開の発表ではなく、球団としての姿勢とつば九郎への想いが込められた発言として、大きな注目を集めました。
1.つば九郎活動休止の背景
つば九郎さんが愛したヤクルト球団が決めたことなら、どんな決断になっても受け入れます。
— 涼 (@Ryo_28962896) June 25, 2025
ただ、、、あの担当者さんが支えてくれたつば九郎さんのことが、世界で一番大好きです。
それだけは1ミリも変わらない。これからもずっと。 pic.twitter.com/Vh6I4r4DOM
担当スタッフの急逝による突然の休止
つば九郎の活動が突然止まったのは、2024年2月。球団からの公式発表はなく、ファンの間では「怪我をしたのでは?」「契約トラブル?」といった憶測が飛び交いました。
実際の理由は、長年つば九郎の中の人として活動していた担当スタッフが急逝したことによるものでした。
つば九郎のキャラクター性を理解し、パフォーマンスの細部にまでこだわっていたスタッフは、まさに“つば九郎そのもの”とも言える存在。その代替が容易でないことは、球団関係者にとっても明らかでした。
「つば九郎」の“中の人”として有名なのは、足立歩(あだち あゆむ)さんです。
- 足立さんは1994年のつば九郎デビュー以来、およそ30年間にわたってマスコットを務めました。北海道出身で、もともとは神宮球場で警備や清掃のアルバイトをしていたそうです 。
- 2025年2月19日に、球団から「つば九郎を支えてきた社員スタッフが永眠いたしました」という訃報が正式に発表されました。その方が足立歩さんと見られています。
マスコットの「つば九郎」はキャラクターとして熱烈に愛されていますが、その背後には、足立さんの長年にわたる支えと個性あふれるパフォーマンスがありました。彼の存在なしには、あの独特の“つば九郎らしさ”は成り立たなかったでしょう。
ファンや関係者に与えた影響
活動休止直後から、神宮球場に姿を見せなくなったつば九郎。SNSでは「今日は来ないの?」「つば九郎がいないと寂しい…」といった投稿があふれ、ファンイベントや出張パフォーマンスのキャンセルも相次ぎました。
また、つば九郎と長年共演してきたスワローズの選手やスタッフの中にも、舞台裏で彼の不在に寂しさを感じる人が多かったようです。
中でも、毎年恒例となっていた「つば九郎のお絵かきカレンダー」や「お年賀動画」が見られなかったことは、多くのファンにとって象徴的な出来事でした。
球団や本社の対応と沈黙の理由
この件に関して、球団側は当初、具体的な説明を避け、メディアへのコメントも控えていました。
理由としては、スタッフ本人や遺族への配慮、また後任探しの難航などが考えられます。
しかし、活動休止から数ヶ月が経ち、つば九郎のSNSが沈黙を続けたこともあり、「どうなっているのか説明してほしい」というファンの声は日増しに強くなっていきました。
今回の株主総会での林田社長の発言は、そうした長い沈黙に対する一つの応答でもあったと言えるでしょう。
2.株主総会での発表内容
林田社長の発言の要点
2025年6月25日に行われたヤクルト本社の株主総会は、通常の事業報告や経営方針の説明だけでなく、「つば九郎」に関する発言でも注目を集めました。
林田哲哉社長兼オーナー代行は、会場で「来季以降につば九郎の活動を再開する方針で準備を進めている」と明言。これまで沈黙を貫いていた球団としては、初めて明確な見通しを公の場で語った瞬間でした。
この発言には、単なる“復帰宣言”にとどまらない意味合いがあります。
林田社長は「今も多くのファンがつば九郎の再登場を待ち望んでいる。その気持ちに応える形で、しっかりと準備していきたい」と述べ、スタッフ体制の再構築や安全面への配慮も考慮したうえで再開を目指していることを明かしました。
株主総会という公式の舞台での発言は、つば九郎というキャラクターが企業ブランドにとっても重要な存在であることを改めて印象づけました。
来季以降の再開方針とは
林田社長は再開の具体的な時期や形態については明言を避けつつも、「来季(2026年シーズン)にはファンの前に元気な姿を見せられるようにしたい」と話しました。この「来季」という言葉が示すのは、再開までに約半年から1年の準備期間が必要だという現実です。
再開には新たな担当者の選定だけでなく、つば九郎ならではのパフォーマンスや“言葉選び”を引き継ぐノウハウの共有が不可欠です。
また、復帰のタイミングをどのイベントで飾るのか、どのように“帰ってきた感”を演出するかなど、球団内でも議論が進んでいるとのこと。
球団関係者の話では、「神宮での開幕戦やシーズン中の記念日などが候補に挙がっている」との声もあるようです。
株主やメディアの反応
株主総会でのこの発表には、会場内からもどよめきが起こりました。
「ようやく発表してくれた」「再開を明言してくれて安心した」という声が聞かれる一方、「なぜもっと早く説明しなかったのか」といった指摘もありました。メディアもこの話題を大きく取り上げ、スポーツ新聞やニュースサイトでは「つば九郎、復帰へ」「林田社長が再始動を宣言」といった見出しが躍りました。
SNS上でも「帰ってくるのね!」「よかった…泣ける」など、再始動の知らせに涙ぐむファンの投稿が相次ぎ、つば九郎の影響力の大きさを改めて感じさせられました。
株主への説明というかたちではありましたが、それは同時に全国のファンへの“第一声”でもあったのです。
3.今後の展望と課題
新体制での再スタートの可能性
つば九郎の再始動に向けて、球団は「新しい体制づくり」が大きな課題となります。
長年“中の人”としてつば九郎を支えてきた担当スタッフは、つば九郎の性格や動き、ファンとの距離感などを熟知した存在でした。その代役を立てることは、単なる人員補充では済まない難しさがあります。
これからは複数名による交代制や、キャラクターの動きを細かく記録・伝承するマニュアルの整備が検討されているとも言われています。
また、他業種からの人材登用や、舞台や演劇出身のパフォーマーとの連携なども視野に入っているようです。「つば九郎らしさ」を保ちながら、安定した運営体制を築くことが今後の鍵となるでしょう。
ファンとの関係修復に向けた課題
活動休止中、ファンの間では不安や寂しさが募る一方で、球団からの十分な情報提供がなかったことへの不満の声もありました。
「もっと早く事情を知らせてほしかった」「SNSを止めるならひとこと欲しかった」など、ファンとのコミュニケーションに課題が残ったのも事実です。
そのため、再始動にあたっては“感謝”と“説明”がセットであるべきだという意見も多く見られます。
復帰第一声での挨拶や、球団側からの経緯説明、そしてファンへの感謝イベントなどが行われれば、信頼回復の一助になるはずです。「ただ帰ってきました」ではなく、「みなさんのおかげで戻ってこられました」という誠意あるメッセージが、再び絆を深める鍵となるでしょう。
他球団マスコットとの比較と期待
プロ野球には他にも多くの人気マスコットが存在し、それぞれが独自のキャラクターを確立しています。
たとえば中日の「ドアラ」は奇想天外なアクロバット、阪神の「トラッキー」は軽快なダンスでファンを魅了。ソフトバンクの「ハリーホーク」もSNSでの発信力に長けています。
そんな中で、つば九郎は“毒舌と手書きボード”というユニークな個性で異彩を放ってきました。
復帰後は、そうした「らしさ」をどう維持し、時代に合った進化を見せられるかが注目されます。今後はSNSとの連携強化、YouTubeなどの動画配信コンテンツ、さらにはAIボイスなどを活用した新しい取り組みも期待されています。
再びファンの前に現れるその日、つば九郎がどんな姿を見せてくれるのか──それは、ただの復活ではなく、“次の時代を切り開く”挑戦でもあるのです。
まとめ
長年にわたってヤクルトファンのみならず、全国のプロ野球ファンから愛されてきた「つば九郎」。
その活動が突如止まり、沈黙が続いた数ヶ月間は、多くの人々にとって不安と寂しさの時間でした。しかし、林田社長の「来季以降の復帰」発言を受けて、再びつば九郎に光が差し込み始めました。
今回の活動休止は、単なるキャラクター不在ではなく、球団やファンとの関係、情報発信のあり方、そしてマスコットの役割そのものを見つめ直すきっかけにもなりました。
これからの再始動は、つば九郎だけでなく、東京ヤクルトスワローズという球団が“ファンとの関係性”をどのように築いていくかを示す大切な試金石です。
時代が変わっても、つば九郎が変わらずユーモアとやさしさでファンを笑顔にしてくれる存在であってほしい──その願いとともに、再び神宮のグラウンドに立つその日を心から待ちたいと思います。
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