大阪市住之江区の大型商業施設ATCシーサイドテラス内にあるストリートピアノの公式Xで、ピアノを弾く人への注意喚起という投稿が物議をかもしています。
突っかかってばかりの演奏は「苦音」でしかないと、練習を家でしてからきてくださいとの注意喚起に、ストリートピアノの本質からどうなの?と批判殺到!!
あなたはどう思う?
南港ストリートピアノ公式Xの注意喚起とは?
#南港ストリートピアノ からのお願い
— 南港ストリートピアノ (@nankostreetpf) March 22, 2025
こんな掲示はしたくなかった、、というのが正直な気持ちです、、
「練習は家でしてください」
こんなこと書かなきゃいけないなんて想定外でした。
間違うのはしょーがないんです、、生身だから😅
でも、人の練習聞かされる側はたまったもんじゃないんです。 pic.twitter.com/mRldm3fiV0
ストリートピアノとは
ストリートピアノとは、公共の場所に設置された誰でも年齢にかかわらず自由に弾ける状態にに置かれているピアノの通称です。
置かれている場所によって「街角ピアノ」「駅ピアノ」「空港ピアノ」とも呼ばれています。
つまり、公共の場所でも演奏に許可が必要な場合は、ストリートピアノとは呼ばない。また、誰でも演奏できるが、設置された場所に公共性がない場合もストリートピアノとは呼べないとのこと。
始まりは?
「ストリートピアノ」の発祥については諸説あるようですが、普及したのは2008年、イギリスのアーティストルーク・ジェラムが ‘Play Me, I’m Yours’ というプロジェクトアートを展開したことによるようです。
このプロジェクトは、2008年から世界中を巡回して、今までに1700台を超えるピアノがロンドンからリマヘと世界を巡り55以上の都市に置かれ「‘Play Me, I’m Yours’ (さあ、私を弾いて)」とだけ書かれたメッセージが通りすがりの人をピアノへと誘い、世界中で1000万人以上の人々が楽しみました。
日本では、2018年3月に初めて国内で開催されました。
ルーク・ジェラムは日本でのプロジェクト開催において、‘Play Me, I’m Yours’ についてコメントを寄せています。
Play Me, I ’m Yours の着想は、週末、地元のコインランドリーに行くと、いつも同じ人たちに会うれど、誰もお互い話をしないというところから生まれました。
朝、バスや電車を待つ人々も、やはりお互い会話を交わすことはない・・・。
こんな見えないコミュニティが街じゅうに存在しているのだと気づきました。
もしそんな場所にピアノを置いたら、会話が生まれるきっかけをつくる触媒のような働きをするのではと思いました。人々をつなぎ、ひとりひとりの創造力を生む真っ白なキャンバスのような働きをするのではないかと…。
ピアノは誰でも弾けるように通りに置かれます。ギターでもサックスでも何か楽器が弾けるなら、そばに行ってピアノと一緒に演奏できるよう、ピアノは置かれているのです。バンドを組んでいる人も、幼い音楽家たちも、プロもアマチュアも誰でも弾けるようピアノはそこに置かれています。皆さんがこの時を楽しんでくれるよう願っています。
Play Me, I’m Yours’Kunitachi2018より
Play Me, I’m Yoursプロジェクトの目的
公共のスペースでも許可やルール、規制によって音楽を演奏することが禁止されることに疑問を呈し、誰でも自由に音楽が演奏できること、また、一般市民が都市環境に関与し活性化することで公共のスペースの所有権を市民が取得することを目的としています。
演奏のスキル、人気があるなしにかかわらず、誰もがピアノを弾くことが出来、ピアノを通して人と人、人と街のコミュニケーションとしての役割を担うために置かれています。
ルーク・ジェラムのアートプロジェクトに賛同する地元のアーティストや組織、個人のボランティアによって開催され、カラフルにペイントされた様々なピアノが大反響を呼びました。
ストリートピアノの認知と広がり
日本では2011年に鹿児島の一番商店街にストリートピアノが設置されたことが始まりだそうです。
2013年に東京都庁がストリートピアノを設置し、注目を浴びました。
2018年「Play Me, I’m Yours – 私に触れて、私を弾いて」が東京の国立にて開催され、2週間で約6万人が参加しました。2019年にはNHK、「駅ピアノ」「空港ピアノ」「街角ピアノ」、というドキュメンタリー番組が始まり、注目を集め、全国各地に広がっていきました。
ストリートピアノというものを初めて知ったのは「街角ピアノ」でした★
ストリートピアノ利用のマナー
ストリートピアノが多く設置されるようになりましたが、利用者のマナーなど問題も出てきました。
JR加古川駅のストリートピアノ撤去問題
2023年5月、兵庫県加古川市は、JR加古川駅構内に設置されたストリートピアノを撤去することを決定しました。
理由は、利用者の中に演奏ルールやマナーを守らない人がいたため、市や駅に対して通行者から苦情が寄せられ、設置からわずか30日での撤去となりました。
- 不快な音: 一部の利用者が通行者に不快感を与える音を奏でていたことが問題視されました。
- 運用時間の遵守: 午前7時から午後9時までの運用時間を超えて演奏するケースもありました。
- 禁止行為: 酒を飲んだ状態での演奏や、歌唱をしながらの演奏も禁止されていたにもかかわらず行われていました。
- 使用時間の違反: 1回10分程度と定められた使用時間を守らない利用者も存在しました。
ストリートピアノの常設は、市内では初めての試みで、マナーの改善を訴えましたが結局は撤去が決定されました。
南港ストリートピアノの注意喚起に対する意見まとめ
注意喚起は公共の場所でのマナーを守るために必要。演奏者だけでなく、周囲の人々の快適さも考慮する必要がある。
ストリートピアノは多くの人が集まる場所に設置されているため、事故やトラブルを未然に防ぐ目的がある。
より良い環境になれば、ストリートピアノを利用する人が増える可能性がある。
ストリートピアノの利用が増えれば、音楽文化や地域の活性化になる。
厳しい規制を設けると演奏者の自由な表現が制限される恐れがある。
注意喚起が強調されると、ストリートピアノの利用者が減る可能性があり、活気が失われる恐れがある。
誰でも自由に弾けることがストリートピアノであって、制限するのは違う。
レストランのような一定時間滞在する場所に隣接していのは設置場所が悪い。
「家で練習してこい」とは、ピアノの無い人もいるし、下手な人は弾くなと言われているようで不快だ。
「人に届けるのが音楽」というのは違う、弾くことを楽しむのが音楽だ。
まとめ
大阪市住之江区の大型商業施設ATCシーサイドテラス内にあるストリートピアノの公式Xで、ピアノを弾く人への注意喚起という投稿について紹介しました。
本来、ストリートピアノは公共の場所でピアノの経験や年齢にかかわらず誰でも自由に演奏できるように設置されているものです。
しかし、公共の場所ということは公共のマナーを守って利用することが必要です。
私自身はピアノが弾けないので、街角でピアノを弾いている人を羨ましく、あんなに弾けたら楽しいだろうなと思います。
でも、下手でもピアノを弾いてみたいと思って気軽に利用できるほうが楽しいと思うのですが。
ストリートピアノというトレンドに乗って商業施設などで設置すると、色々と問題が出てくるのも当然なのでしょう。
まるで発表会のような雰囲気になってしまうと本来の意味から遠のいてしまいますね。
街に音楽が流れるのは素敵ですが、YouTubeで人気が出る演奏家ばかりではないですから、素人の演奏を許容できるか、設置に適した場所かどうか配慮が必要です。
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