NHKで10月11日に放送された『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』が「神回」と話題です。代表曲「有心論」「前々前世」、朝ドラ『あんぱん』主題歌「賜物」まで、20年の軌跡を凝縮した45分。
観客500人の近さが生む一体感に、SNSは「正座して見た」「NHKありがとう!」の声であふれました。
一方、野田洋次郎さんのタトゥーが映像に写ったことで“表現の自由”と“公共放送の配慮”を巡る議論も。
この記事では、セットリストの見どころ、衣装と演出、ネットの反応、そして“紅白”への影響まで、初見でも分かるようにやさしく整理します。
はじめに

NHKで放送された『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』とは
2024年10月11日、NHKで放送された『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』は、メジャーデビュー20周年を迎えるロックバンド「RADWIMPS」の特別番組でした。
NHKスタジオには約500人のファンが集まり、ライブ形式で収録されたこの番組では、代表曲「有心論」や、映画『君の名は。』で知られる「前々前世」、そして現在放送中の朝ドラ『あんぱん』の主題歌「賜物」など、ファンにはたまらない名曲が次々と披露されました。
また、20年という節目にふさわしく、これまでの歩みを振り返るような構成となっており、音楽と映像演出が一体となった特別な時間となりました。
番組後半では、これまでの活動を支えてきたファンへの感謝の言葉も語られ、スタジオ全体が温かい拍手に包まれたのが印象的でした。
放送直後のSNS反響とファンの声
放送後、SNS上では大きな反響が広がりました。X(旧Twitter)やInstagramには
「もう最高すぎて正座しながら見ました!」
「地上波でこんな豪華なライブが見られるなんて!」
「45分間が一瞬で終わった…NHKありがとう!」
といった投稿が次々と寄せられ、ファンの満足度の高さが伝わってきます。
特に話題となったのは、ボーカル・野田洋次郎さんの衣装。黒いハットとフランスブランド「メゾンマルジェラ」のノースリーブトップスというシンプルながら個性的なスタイルで登場し、その姿が「洋次郎らしい」「アートそのもの」と称賛されました。
一方で、右腕のタトゥーがテレビ画面にも映り込んだことに対して、「NHKでタトゥーOKなんだ」「時代が変わった」といった意見も見られ、音楽番組を超えた“社会的な話題”にも発展していきました。
1.『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』の見どころ
セットリストと披露された代表曲
番組は、デビュー当時から現在に至るまでの軌跡をなぞるような構成で進行しました。
冒頭では、初期の名曲「有心論」が披露され、会場には歓声とともにどこか懐かしい空気が漂いました。
その後は映画『君の名は。』の主題歌として世界的に知られる「前々前世」、そして朝ドラ『あんぱん』の主題歌「賜物」へと続きます。
特に「賜物」は、ドラマのテーマである“受け継ぐ想い”と重なり、歌詞の一つひとつが丁寧に響き渡るような演奏でした。
野田洋次郎さんが静かに目を閉じ、歌い上げる姿に涙を浮かべるファンも多く見られました。
さらに、ライブ終盤には「ふたりごと」や「トレモロ」といった過去の名曲も披露され、長年のファンにとっては“20年分の感謝”を感じるラインナップとなりました。
野田洋次郎の衣装と演出のこだわり
今回の放送で印象的だったのが、野田洋次郎さんの衣装とステージ演出です。
彼は黒のハットに、フランスブランド「メゾンマルジェラ」のノースリーブトップスを合わせ、あえて肩や腕のラインを強調したスタイルで登場。照明が当たるたびに筋肉やタトゥーのラインが浮かび上がり、楽曲の持つ生命力やリアリティをより際立たせていました。
また、演出面では、NHKらしいシンプルで上品な照明の中に、RADWIMPSならではの幻想的な映像投影が融合。
特に「前々前世」ではスクリーンに流れる星空がステージ全体を包み込み、まるで映画のワンシーンのような空間が生まれていました。
「賜物」では淡い金色の光がステージを照らし、歌詞に込められた“命のつながり”を象徴するような美しい演出となっていました。
NHKスタジオでの臨場感と観客の反応
約500人という限られた観客の前で行われた収録は、スタジオライブならではの近さと一体感がありました。
観客席との距離がわずか数メートルという中で、野田さんは何度も目線を合わせ、観客に語りかけるように歌う姿勢を見せました。
曲の合間に「20年ってあっという間だけど、こうしてまたNHKで歌えるのは本当にうれしい」と語ると、会場中から温かい拍手が沸き起こります。
放送後、SNSでも「生で聴けた人がうらやましい」「あの距離で聴く『有心論』は一生もの」といったコメントが多数投稿され、テレビ越しでも伝わる臨場感の高さが話題になりました。
この日の『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』は、単なる記念ライブではなく、ファンとNHK、そしてバンド自身が20年間の歩みを共有する“感謝のセッション”ともいえる特別な時間だったのです。
2.ネットが注目した「タトゥー」騒動

放送中に映った野田洋次郎のタトゥーとは
番組放送中、視聴者の目を引いたのが、野田洋次郎さんの右腕に刻まれたタトゥーでした。
ノースリーブの衣装からしっかりと見える位置にあり、照明の角度によってはかなりはっきりと映っていました。野田さんのタトゥーは以前からSNSでも公開されており、デザインには個人的な意味が込められていると言われています。
これまでもライブやMVなどでは見られたものの、NHKという公共放送でここまで明確に映り込むのは珍しいことでした。
そのため、ファンの間では「ついに隠さなくなった」「自然体でかっこいい」と肯定的な声があがる一方で、「NHKで放送して大丈夫?」「苦情が来ないか心配」といったコメントも見られました。
特にNHKは、長年「健全で万人に受け入れられる表現」を重視してきたため、タトゥーが映ることに対しては慎重な姿勢を取る印象が強くありました。それだけに今回の放送は、NHKの表現方針の変化を感じさせる出来事でもありました。
SNS上の賛否と“映して大丈夫?”の声
放送直後、X(旧Twitter)では「タトゥー映ってたね!」という投稿が急速に拡散され、関連ワードがトレンド入りしました。
賛成派の意見としては、「自分らしさを隠さない姿勢が素敵」「もうタトゥーを理由に放送できない時代じゃない」「アートとしての表現だと思う」といった声が多く見られました。特に若い世代を中心に、ファッションや自己表現の一部としてタトゥーを肯定するコメントが目立ちました。
一方で、批判的な立場からは「子どもが見る番組でタトゥーはどうなの?」「NHKらしくない」「家族で見ていて少し驚いた」といった意見も少なくなく、世代による受け止め方の違いが浮き彫りになりました。
この議論は、単なる一アーティストの話題にとどまらず、「テレビにおける表現の自由」と「公共放送の中立性」というテーマへと発展していきます。
中には「これをきっかけに時代が変わるのでは」と、NHKの姿勢転換を歓迎する声もありました。
NHKが映像をそのまま放送した理由を探る
では、なぜNHKは野田洋次郎さんのタトゥーを隠さず放送したのでしょうか。
音楽関係者によると、「NHK側は事前に野田さんの衣装や演出内容を確認した上で“そのままでOK”と判断した」とのこと。つまり、局としてもあえて修正やカットを行わなかったのです。
その背景には、『RADWIMPS』が朝ドラ『あんぱん』の主題歌「賜物」を担当していることも関係していると見られています。すでに多くの家庭に馴染みのある存在として、野田さんの姿を“アーティストの個性”として尊重した形です。
また、NHK内部でも近年は「多様性」や「自己表現の自由」を重視する動きが強まっており、タトゥーに対して過剰な配慮を行わない方向に舵を切っているともいわれます。
この決断は賛否を呼びながらも、結果的に多くの視聴者に“新しいNHK像”を印象づけました。今後の番組制作においても、アーティストの個性や生き方をより自然な形で伝える機会が増えていくかもしれません。
3.“タトゥーアーティスト”の紅白復活はあるか
近年の紅白における出演傾向とタトゥー問題
ここ数年の『紅白歌合戦』は、アニメ主題歌やSNS発のヒット、海外でも通じるポップスなど、より“今”の空気を取り込む流れが強まっています。
一方で、家族で観る年末の国民的番組という性格上、衣装や演出に対しては保守的な配慮が働きやすいのも事実です。
その中で、タトゥーを持つアーティストの扱いは、長く“見せない工夫”が主流でした。
たとえば、長袖衣装で隠す、肌色テープを使う、カメラの抜き方を調整する——といった方法です。
ところが今回、NHKの特番で野田洋次郎さんのタトゥーが自然な形で映像に写り込んだことは、「紅白でも必ず隠すべき」という暗黙の前提が揺れ始めたサインとして捉えられます。
家族番組としてのラインを大きく越えない範囲で、“個性の表現”として許容する余地が少しずつ広がっている——視聴者の反応も踏まえれば、そう読める出来事でした。
YOASOBI・優里らの落選理由との関連性
昨年、実力と人気のあるアーティストが落選した際に「タトゥーが理由では?」という憶測がネットで飛び交いました。
ただ、実際の選考は、年間の話題性、曲の広がり、当日の番組全体のバランス、スケジュール調整など、複数の要素が絡みます。タトゥー“だけ”で当落が決まると断言するのは現実的ではありません。
むしろ重要なのは、「タトゥーをどう“見せる/見せない”か」を含め、本人・事務所・放送側が事前にすり合わせ、番組のトーンに合わせた落としどころを作れるかどうかです。
たとえば、紅白仕様の衣装でさりげなくカバーする、歌唱カメラを“手元表情寄り”にする、パフォーマンスの世界観に自然に収める——こうした工夫ができれば、当落の“懸念材料”は一段と小さくなります。
今回の特番で「自然体でも大丈夫だった」という成功例ができたことで、今年の交渉テーブルは以前よりも前向きに進むはずです。
NHKが変わる?「公共放送」と表現の自由の行方
公共放送は「誰もが安心して見られる」ことを最優先しますが、同時に「時代の多様性を映す」役割も担います。
タトゥーは、かつては“避ける対象”とされがちでしたが、今はファッションや自己表現として受け止める人も増えました。今回、NHKが野田さんの姿をそのまま届けたのは、まさにその“世代感覚の変化”を見据えた判断といえます。
この流れが『紅白』にも波及するなら、たとえば「楽曲やメッセージ、パフォーマンスの価値を最優先に評価し、見せ方は番組トーンに合わせて丁寧に設計する」という実務的な解決が主流になっていくでしょう。
結果として、タトゥーの有無で線を引くのではなく、番組全体の品位とアーティストの個性を両立させる“編集と演出の知恵”が問われる時代へ。
『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』は、その転換点を示す小さくないサンプルでした。紅白のステージでも、「音楽の力」と「多様な表現」を両立させる新しい答えが、今年こそ見られるかもしれません。
まとめ
『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』は、20年の歩みを凝縮した濃い45分でした。
代表曲「有心論」「前々前世」「賜物」を軸に、NHKスタジオならではの近さと上品な演出が重なり、テレビ越しでも“その場にいる感覚”を多くの視聴者に届けました。
放送直後のSNSには「正座して見た」「あの距離感は一生もの」といった具体的な感想が並び、番組の満足度を物語っています。
同時に、野田洋次郎さんのタトゥーが自然体で映ったことは、「家族で観る番組」と「表現の自由」の接点を改めて考えさせる出来事でした。
これまで“隠す工夫”が主流だった中で、音楽の価値を損なわない見せ方があれば受け止められる——そんな空気の変化が感じられます。
この流れは、年末の『紅白歌合戦』にも波及する可能性があります。選考は話題性や番組全体のバランスなど複合要素で決まるものの、「見せ方の設計」で品位と個性を両立できるなら、タトゥーの有無で線を引く時代ではなくなっていくはずです。
『RADWIMPS 20th YEAR SPECIAL』は、その“次の一歩”を静かに示すサンプルでした。今後の再放送情報や紅白の出演発表にも注目しつつ、音楽そのものの力に耳を澄ませたいところです。
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