おなじみ1本10円(販売当初価格)のうまい棒は味の種類の多さが魅力ですね。
そんなうまい棒の「うまい棒《げんだいびじゅつ味》」は、1本1万倍の10万円で売り出されるそうです。
一体どういうこと?
1本10万円の鑑賞用「うまい棒」



1本15円の「うまい棒」が1本10万円――!? ニューヨークを拠点に活動する現代美術家の松山智一さん(48)が、菓子販売の「やおきん」(東京)と共同開発した駄菓子「うまい棒 げんだいびじゅつ味」を1本10万円(税別)で売り出す。松山さんは「広く親しまれた商品にアートという概念を用いて新たな価値を創出できるか」を社会に問いたいとしている。
読売新聞オンラインより
うまい棒(げんだいびじゅつ味)はあくまでも観賞用のため、開封できないアクリルケースに入っています。
パッケージには松山智一氏の線画が描かれていますが、味はごく普通のうまい棒と同じだそう。
50本の限定販売!!
松山氏は「「好きな味に自分の個性を重ねるなど誰もが知る共通言語となったうまい棒の物語を、化石のように閉じ込めたい」と狙いを語っています。
国民的駄菓子のうまい棒。
大好きなあなた、インテリアにお1ついかがでしょう!!
うまい棒(げんだいびじゅつ味)は「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」でのコラボ企画の一つとして展示・販売されます。
現代美術家の松山智一

松山智一は、少年時代はアメリカにいたそうです。
帰国後、桑沢デザイン研究所夜間部ビジュアルデザイン科、上智大学経済学部卒業後、2002年に再び渡米し、ニューヨーク私立美術大学院プラット・インスティテュートコミュニケーションズ・デザイン科を首席で卒業しました。
学生時代はプロスノーボーダーを目指していたそうですが、怪我で断念。その後、デザインを学びに渡米したが授業ではクライアントのためのデザインばかりで、自分の目指すものではなかった。
そんな中、KAWSのほか、自分と同世代のストリートアーティストたちと交流がきっかけで、全くの独学でアートの道へ。

ストリートで描いているのを、地元のカルチャー誌が特集したもがナイキの目に止まりコラボレーションが実現します。その後、原宿でブランドを立ち上げたり、Tシャツを手掛けたりと幅を広げていきます。
「ヒップホップの成り立ちは、楽器を弾けない人たちが、既存の楽曲の一部をサンプリングし、ループさせることでブレイクビーツを発明したこと。そこから発展した “エディット(編集)” の手法がファッションなど音楽以外のカルチャーにも広がっていったわけですが、僕の場合はそれをアートに応用しようと考えました。多くの表現を引用し、それらを現代という情報過多な時代を反映して一つの絵の中に集約することで、マッシュアップ的に絵画を作り上げていった」
作品には、東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素や、また、江戸時代や明治時代の日本美術、古代ギリシャやローマ帝国の彫刻、フランスルネッサンス期の絵画、戦後のコンテンポラリーアートなど、様々な影響を受けているといわれています。

現在は、アメリカ・ニューヨークに在住し、絵画を中心に彫刻やインスタレーションも手掛けて世界各地の美術館等で展覧会を開催しています。
「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」
松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP
2025年3月8日(土)~5月11日(日)(会期中無休)
月・火・水・木・日10:00~18:00(最終入館17:30)/金・土・祝前日10:00~19:00(最終入館18:30)
(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
東京都港区虎ノ門5-8-1
Tribute + Collaboration
「うまい棒 げんだいびじゅつ味」は、「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」のサテライト企画「Tribute + Collaboration」の一つです。
第1弾「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」ファッション
「Tribute + Collaboration」の第一弾は松山智一と「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」の共同研究したコートとTシャツです。
三宅一生が提唱した「一枚の布」のコンセプトをさらに発展させていくブランドA-POC ABLE ISSEY MIYAKEのデザインと、松山智一がとらえる多面的なイメージの描写が融合した纏う立体作品です。

コート 363,000円(税込) ※全3作品 各3点限定
第2弾「うまい棒」 アート
味は普通のうまい棒、特別な加工はなく、違いはコンセプトのみ。
ただし50個しか存在しない。
誰もが知っている駄菓子という商品にアートという概念を用いて新たな価値を創出することが出来るのか、という問いを社会に投げかけたい松山の想いに、販売元の株式会社やおきんが快く応え実現しました。
社会通念上の価値の正体を問いかける行為は、松山が自身の作品を介して社会へ問いを投げる行為と通底するものがあります。

第3弾 「BE@RBRICK」 おもちゃ
東京を拠点にフィギュアなどの企画・販売を行うメディコム・トイ社が手掛け、世界的な人気を誇るクマ型ブロックタイプフィギュアBE@RBRICKは、様々なアーティストやブランド、企業、キャラクターなどとのコラボレーションを展開しています。
アートと商業性の接点について思考を巡らす松山智一は、本展において最新シリーズ「First Last」の代表作《Passage Immortalitas》(2024)のイメージをあしらったBE@RBRICKで、2010年以来二度目のコラボレーションを実現します。


第4弾「とらや」食べるアート
室町時代後期に創業した和菓子屋「とらや」と、現代を描写する松山智一が時の流れを超えて共に作り上げた、食べることの出来るアート作品。
《彩願》(いろどりねがひ)、《彩想》(いろどりおもひ)と銘が付けられた羊羹は、元々コロナ禍の2020年医療関係者へお配りするために、松山智一、KOTARO NUKAGA代表 額賀 古太郎、虎屋 18代・黒川光晴が共に作り上げた菓子。
今回の協創では、本展に展示されている《The Fall High》、《Keep Fishin’ For Twilight》の色彩をイメージしています。アートを通しての体験が、不確実な未来への希望と変わることを願う松山は、食文化がもたらす心の豊かさを芸術体験とクロスオーバーさせています。

《彩願》4,860円(税込)販売期間:3/8~4/8 ※数量限定
《彩想》4,860円(税込)販売期間:4/9~5/11 ※数量限定
購入方法
松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUPの展示会場での販売になります。
展示・販売会場:麻布台ヒルズ ギャラリー スペース(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1階)
販売方法
麻布台ヒルズ ギャラリー スペースにて販売 ※詳細は追ってWEBサイトにて公開予定
*Tribute 作品の購入には本展のチケットが必要です。
*数量限定のため購入希望の場合はサイトで情報をチェックしてください。
まとめ
あのうまい棒が10万円!!
しかも観賞用ってどういうこと?
と詳細を調べてみると、新進気鋭の現代美術家・松山智一氏が仕掛けているコラボレーション企画の一環です。
ファッションやお菓子、おもちゃなど日常のものが芸術となりうるかということですね。
色彩豊かな松山智一氏の展覧会で展示・販売されています。
興味本位で出かけて行くと、新しい発見が有りそうですね。
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