自民党の次期総裁選を前に、小泉進次郎さんの陣営をめぐって大きな波紋が広がっています。
一つは「ニコニコ動画でのコメント指示」という“ステマ疑惑”。
もう一つは、地元・神奈川県で826人もの自民党員が、本人の意思を確認されないまま「勝手に離党」扱いされていたという衝撃の事実です。
投票権に関わる重大な問題と、有権者の信頼を揺るがす情報操作。なぜこのようなことが起きたのか…?
本記事では、その背景と影響を分かりやすく整理しました。
はじめに
小泉進次郎陣営を巡る最近の問題

自民党の次期総裁選を前に、小泉進次郎氏の陣営では連日のように新しい問題が取り沙汰されています。
中でも大きく注目されているのが「ステマメール問題」です。ニコニコ動画を使って、特定の候補を持ち上げたり、ライバル候補をさげすむようなコメント例を共有していた、と報じられました。
一般的に「ステマ」とは、広告だと分からない形で宣伝するやり方のことです。
今回はそれが政治の場にまで持ち込まれた…という点が大きな衝撃でした。政治の活動は、何よりも「分かりやすく」「ごまかさない」ことが大切だと思います。
だからこそ、こうしたやり方は有権者の不信感につながりやすく、小泉陣営への批判が強まっているのだと感じます。
神奈川県で発覚した党員離党の背景
さらに、小泉氏の地元・神奈川県で新しい問題が浮かび上がりました。
地元の自民党員826人が、本人に確認もないまま「勝手に離党」扱いにされていたというのです。
この件を明らかにしたのは、神奈川9区の支部長を務めた経験がある中山展宏前衆院議員。

中山さんによると、自分が勧誘した約1000人の党員のうち、8割以上が突然名簿から外され、総裁選の投票用紙が届かなかったそうです。
選挙の人数訂正が急いで発表されたことで、やっと事態が表に出ましたが、その裏には派閥同士の思惑や、支持基盤を揺さぶるような狙いがあったのでは…と勘ぐってしまいます。
単なる事務ミスとは言いにくく、当事者の党員や、私たち有権者にとってもとても重い問題だと受け止めています。
1.大量の高市派党員“勝手に離党”の真相
離党させられた人数と発覚の経緯
問題がはっきりしたきっかけは、「総裁選の投票用紙が届かない」という党員からの問い合わせでした。
9月26日、神奈川県内の党員から「投票用紙が来ていない」という連絡が入り、そこで初めておかしな状況が見えてきます。
調べていくと、約1000人の党員のうち826人が、本人に確かめないまま「離党扱い」にされていたことが分かりました。
これは単なる数字のまちがいではありません。選挙の人数そのものを左右してしまう、大きな問題です。
中山展宏前衆院議員の証言
状況を直接語ったのが、中山展宏前衆院議員です。
中山さんは、昨年の総裁選で高市早苗氏を支持しており、実際に自分が勧誘した多くの党員が高市氏に投票していたといいます。
だからこそ、今回離党扱いになった826人の多くは高市派だった可能性が高い、と指摘しています。
「まさか自分がお願いして入ってくれた党員が、本人の意思を無視して外されるとは…」という中山さんの言葉には、強い怒りと悔しさがにじみます。
偶然ではなく、政治的な思惑がからんでいるのでは?という見方が強まるのも無理はありません。

投票用紙の未着と訂正発表
離党扱いにされていた党員には、9月26日の夕方になってようやく速達で投票用紙が届きました。
ただ、その時点ですでに総裁選は目前…。翌日には党本部の総裁選挙管理委員会が「選挙人数の訂正」を発表し、神奈川県の党員数は57,344人から58,170人に修正されました。
理由は「一部党員の継続に齟齬(そご)があったため」とのことですが、具体的な流れや、誰が責任を持っていたのかは、はっきりしていません。
投票できるかどうかは、党員にとってとても大切な権利です。対応の遅さや説明の曖昧さは、大きな不信感につながりました。だからこそ、この一連の出来事が「勝手に離党」と強い言葉で語られるのだと思います。
2.小泉進次郎陣営とステマ問題
ニコニコ動画での“ステマ指示”内容
もう一つの焦点は、ニコニコ動画を使った「ステマ指示」といわれる行為です。
陣営の内向きメールには、配信中に投稿するコメント例が並んでいたと報じられました。
「石破さんを説得できたのスゴい」「小泉さんの若さが魅力」など、一見すると自然な視聴者の声に見える言葉が書かれていたそうです。
視聴者が自由に意見を交わすはずのコメント欄が“演出”されていたとすれば、モヤモヤしますよね…。政治は見え方だけでなく、中身で勝負してほしいと強く思います。
高市氏への中傷コメント例
問題なのは、ライバル候補への中傷につながるコメント例まで含まれていた点です。
「高市さんの演説は古臭い」「世代交代にはついていけない」など、相手の印象を下げる内容が具体的に示されていた、と伝えられています。
こうした言葉は、ネット上で広がると“世論の声”のように見えてしまいがち。特定の候補のイメージを不当に傷つけるおそれがあり、短い期間でも大きな影響を与えます。
やっぱり、正々堂々と政策で勝負してほしい…そう感じた方は多いのではないでしょうか。
石破氏を巡る説得エピソード
指示の中には、石破茂氏にまつわるエピソードも含まれていました。
「石破さんを説得できたのは進次郎さんのおかげ」といった内容は、一見すると小泉氏のリーダーシップをほめる流れです。でも、実際にどうだったのかは分かりません。
物語のような“持ち上げ方”は、見ている私たちに誤解を与えかねないからです。
政治は本来、実績や政策で評価されるもの。印象をつくるやり方に偏るのではなく、正面から説明して、納得を得てほしいと思います。
3.神奈川県連と総裁選への影響
大量離党が支持勢力に与えるダメージ
826人もの党員が「勝手に離党」とされていた事実は、高市派にとって大きな痛手でした。
総裁選の行方を決めるのは、地方票や党員票といった“草の根の力”です。もし投票用紙が届かないまま選挙が進んでいたら…高市氏の支持は大きく削られていたかもしれません。
選挙の公正さに疑いを持たせる出来事は、単なる人数の修正だけでは済まない問題です。派閥間の信頼にも深い傷を残します。
高市派・小林鷹之議員支持層の動向
中山展宏前衆院議員の話では、今回離党扱いになった多くの党員は高市氏を支持していた人たちとのこと。今年の総裁選では、その多くが小林鷹之議員に投票する見込みだったそうです。
つまり、この“離党問題”は高市派の力だけでなく、小林氏への広がりにもブレーキをかけた形になりました。
一票の積み重ねで勝敗が決まる総裁選で、826人という数はやはり大きい…! 当事者の党員からは「自分たちの票が操作されるのでは」と不安の声が広がっています。
神奈川県連の回答と責任追及の行方
党本部は「一部党員の継続に齟齬があった」と説明していますが、なぜここまで大規模な“離党処理”が起きたのか、まだ見えてきません。
神奈川県連の中で誰が判断したのか、ただの事務ミスだったのか――真相は不透明なままです。
総裁選を前に、この問題の責任をどこまで明らかにできるかは、党の信頼回復に直結します。
私たちが求めているのは、ただの数字の修正ではなく、「どうして起きたのか」という丁寧な説明です。そこから目をそらせばそらすほど、政党全体の信用が揺らいでしまいます。
まとめ
今回の問題は、「情報の見せ方」と「票の扱い」という、民主主義の基本に関わる2つの課題を浮き彫りにしました。
まず、ニコニコ動画での“コメント例共有”は、視聴者の自然な声に見せかけて印象を操作する行為として強い反発を招きました。
政治の発信は、誰が何を意図して言っているのかを明確にすることが信頼の土台です。
次に、神奈川県で起きた“勝手に離党”問題は、投票用紙が届かないという具体的な不利益を党員に与えました。
数字を後から直せばよい、という話ではなく、「なぜ起きたのか」「誰がどう判断したのか」をはっきり示す説明責任が問われています。
読者として確認したいのは、(1)コメント運用のルールと実態の公開、(2)党員名簿の管理手順とチェック体制、(3)誤りが起きた場合の迅速な再発防止策の3点です。
たとえば、配信での投稿ガイドラインを第三者が監査する、党員継続の確認を文書と電話の二重で行う、訂正が出た際は時系列と担当部署を明示する、といった具体策はすぐにでも取り組めます。
透明性は“あと出し”では伝わりません。手続きの一つひとつを開示し、丁寧に説明することが、結果として陣営や政党全体の信頼回復につながるはずです。
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