2025年9月8日、日本全国で約3年ぶりに皆既月食が観測されます。
幻想的な赤銅色の満月は、肉眼で眺めるだけでも十分に美しいですが、せっかくならスマホで写真に残したいと思う方も多いでしょう。
この記事では、スマホ初心者でもできる皆既月食の撮影方法とコツをわかりやすく解説します。
三脚の使い方やおすすめ設定、風景との組み合わせ方など、ちょっとした工夫で幻想的な一枚が撮れるはずです。
はじめに
2025年9月8日未明、日本全国で約3年ぶりの皆既月食が観測されます。
「せっかくならスマホで幻想的な赤い月を撮影したい!」という方のために、撮影方法と当日の天文情報をまとめました。
2025年の皆既月食情報【最新版】
日時(日本時間)
- 半影食開始:9月8日 0:28
- 部分食開始:9月8日 1:27
- 皆既食開始:9月8日 2:30
- 皆既食終了:9月8日 3:52
- 部分食終了:9月8日 4:56
- 半影食終了:9月8日 5:55
- 皆既時間(赤銅色の月が見られる時間):約82分間

日本からの見え方
- 東~中部地方では、ほぼすべての過程が夜空で観測できる見込みです 。
- 東京では、皆既食の最大は 3:11:46頃 と予測されています
1.撮影の準備
三脚で固定
手ブレは失敗の原因ナンバーワン。三脚やスマホホルダーを使って、しっかり固定しましょう。
なければ、ベンチや手すりなど安定した場所に置くだけでも効果的です。
撮影アプリや機能をチェック
- iPhone:ナイトモードを活用
- Android:夜景モードやプロモードを選択
撮影前に、設定画面を確認しておくとスムーズです。
2.撮影の基本設定
ピントを月に合わせる
画面上で月をタップして、ピントと明るさを固定(AE/AFロック)しましょう。
露出を下げる
自動設定だと月が白飛びしやすいので、露出を少し暗めに調整すると赤銅色が出やすくなります。
ISOとシャッタースピード
- ISO:400〜800が目安(自動で調整できる機種もOK)
- シャッタースピード:1/10〜1秒程度(手ブレ防止のため必ず固定撮影)
スマホ別・皆既月食撮影のおすすめ設定例
PhoneとAndroid(GalaxyやXperiaなどの代表的な機種)での 皆既月食撮影の設定例 を表にまとめました。
設定項目 | iPhone(ナイトモード) | Android(プロ/マニュアルモード) |
---|---|---|
撮影モード | ナイトモードON | プロモード(夜景モード可) |
シャッタースピード | 1/15〜1秒程度 | 1/10〜2秒程度 |
ISO感度 | 自動 or 400〜800 | 400〜800(できれば低め) |
ピント | 月をタップして固定(AE/AFロック) | マニュアルで無限遠(∞)に |
露出補正 | 明るすぎる時はマイナス補正 | 露出-1〜-2段階がおすすめ |
ズーム | 1〜3倍(光学優先) | 1〜3倍(望遠レンズがあれば使用) |
ホワイトバランス | 自動でもOK | 4000〜5000K(やや寒色寄り) |
撮影方法 | 三脚+セルフタイマー(2〜3秒) | 三脚+セルフタイマー or リモートシャッター |
3.構図の工夫で差をつける
🌙 プラスαの撮影アイデア
- 風景と一緒に撮る → 建物や木をシルエットに入れると雰囲気UP。
- 連続撮影して合成 → 月食の進行を並べた写真が作れる。
- 動画で撮る → 赤銅色に変わっていく様子をタイムラプスで記録。
建物や風景と一緒に
月だけを大きく写すのは難しいため、街並み・山・お城などをシルエットに入れると雰囲気のある写真に。

ズームはほどほどに
デジタルズームは画質が荒れやすいので、1〜3倍程度までに。光学ズーム搭載機種なら活用しましょう。

2021年11月19日に別所隆弘(@TakahiroBessho)さんが、珍しい『ほぼ皆既月食』を背景にした岐阜県岐阜市にある岐阜城を撮影。その神秘的な1枚に、多くの人が心を奪われました。
こんな素敵な写真を撮影してみたいですね★
本格カメラで撮影に挑戦していたい方へのアドバイス
「お城+皆既月食」のような構図を撮るには、月と建物がちょうど重なるように事前準備と工夫が必要です。ポイントをまとめます。
📍 撮影準備のポイント
- ロケハン(事前調査)
- 撮りたい建物(例:お城、タワー、橋など)と月の位置関係を確認します。
- 天文アプリ(例:SkySafari, Star Walk, Stellarium)や地図アプリ(Google Earthなど)で、月の出・月の入りの方角、高度をシミュレーション。
- 撮影位置の選定
- 建物と月が重なる場所を探すため、被写体から数百m〜数km離れた場所に立つ必要があります。
- 距離を取ることで、望遠レンズを使った際に「大きな月+建物」を同じ画角に収めやすくなります。
📷 撮影テクニック
- カメラ:スマホでも可能ですが、望遠レンズ付き一眼レフやミラーレスが有利。
- 焦点距離:200〜600mm程度の望遠で「月を大きく」写しやすい。
- 三脚:必須。夜景+月は暗いので手持ちだとブレやすい。
- 設定目安:
- シャッタースピード:1/60〜1/200秒(皆既中は暗いので長めに)
- ISO:400前後(ノイズを抑える)
- F値:F8〜F11(建物と月の両方にピントを合わせやすい)
🌙 撮影成功のコツ
- タイミング重視:皆既中は月が赤銅色で暗いので、建物のライトアップとのバランスが良い。
- 位置合わせ:月が建物に「乗る」瞬間を狙うため、連写やタイムラプスを活用。
- 構図:あえて建物をシルエットにするのも雰囲気が出ます。
📊 スマホ vs 本格カメラ 撮影比較表
スマホと本格カメラでの 皆既月食+建物(お城やタワーなど)撮影方法の比較表 を作りました。
項目 | スマホ撮影(簡易版) | 本格カメラ撮影(望遠レンズ使用) |
---|---|---|
必要機材 | スマホ(三脚+ホルダー推奨) | 一眼レフ・ミラーレス+望遠レンズ(200〜600mm)+三脚 |
アプリ/設定 | ・夜景モード/ナイトモード ・露出補正をマイナス ・月にタップしてピント固定 | ・マニュアルモード ・シャッター速度:1/60〜1/200秒 ・ISO:400前後 ・F値:F8〜F11 |
月の大きさ | 小さく写りやすい(建物が主体) | 大きく強調できる(建物と同じ画角に収められる) |
撮影距離 | 被写体からやや近め(数百m〜1km程度) | 被写体から遠め(数km離れて、望遠で圧縮効果を狙う) |
構図の工夫 | 建物を主役にして「背景に赤い月」を入れる | 「建物に月が重なる」瞬間を狙う(圧縮で大きな月を建物に重ねる) |
難易度 | ★☆☆(手軽だが月は小さい) | ★★★(準備・機材・位置取りが必要) |
仕上がりイメージ | 夜景+小さめの赤い月の雰囲気写真 | 建物に「大きな赤い月が乗る」ドラマチックな写真 |
- スマホなら「雰囲気を残す記録写真」として十分楽しめます。
- 本格カメラ+望遠なら「月が建物に乗る」迫力ある一枚を狙えます。
- 成功の鍵は「事前の位置確認」と「タイミング」!
4.さらに楽しむアイデア
- 連写モードで月の欠けていく過程を記録
- タイムラプス動画で皆既月食の変化をドラマチックに残す
- 双眼鏡や望遠鏡の接眼部にスマホを当てて撮影(コリメート撮影)で拡大も可能

コリメート撮影に挑戦してみよう
「もっと大きく、迫力ある月を撮りたい!」という方におすすめなのがコリメート撮影です。

コリメート撮影とは?
双眼鏡や望遠鏡の接眼レンズにスマホのカメラを直接当てて撮影する方法です。専用のアダプターを使えば安定して固定でき、赤銅色の月を大きく写すことができます。
手順
- 望遠鏡・双眼鏡で月を導入してピントを合わせる
- スマホを接眼部にまっすぐ近づけ、像が円形にきれいに見える位置を探す
- アダプターや三脚でしっかり固定する
- スマホの露出を下げ、セルフタイマーで撮影
ポイント
- 手持ちだとブレやすいので、固定は必須
- ISOは低めに(100〜400)設定すると月の模様が鮮明
- 動画やタイムラプス撮影にも向いています
まとめ
スマホでも、準備と工夫次第で皆既月食をしっかり写真に残せます。
- 三脚で固定
- 夜景モード+露出補正
- 月と風景を組み合わせて撮る
今年の皆既月食は、ぜひスマホ片手にチャレンジしてみてください。赤銅色の神秘的な月を、思い出として残せますよ。
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