綾瀬はるかさん主演のドラマ『ひとりでしにたい』。
タイトルを見た瞬間、ドキッとして、少し身構えてしまった方も多いのではないでしょうか?
原作は
「笑って死ねたら最高。」
そう思える人生って、素敵ですよね。
このブログでは、そんな言葉の意味を、ドラマの主人公・鳴海の生き方を通して一緒に考えてみたいと思います。
『ひとりでしにたい』(NHK、土曜午後10時〜)の初回6月21日放送
ドラマ「ひとりでしにたい」はカレー沢薫さん原作の人気漫画をドラマ化した社会派コメディです。
タイトルに込められた“前向きな死生観”
『ひとりでしにたい』というタイトルは一見すると重たく聞こえるかもしれません。でもこのドラマが伝えたかったのは、孤独や死を悲しみとして描くことではなく、「ひとりで生きることも、終わりを迎えることも、自分らしく選んでいい」という前向きなメッセージです。
綾瀬さんはインタビューで、「笑って死ねたら最高だと思うんです」と語りました。その言葉が、この作品全体のテーマを表しているように思えてなりません。
1.ドラマ『ひとりでしにたい』とは何か
“死”を身近に感じるきっかけ
物語の主人公・鳴海は、39歳独身。ある日、憧れていた独身の伯母が風呂場で孤独死したことに直面し、「自分もいつか、ひとりで死ぬのかもしれない」と強く意識します。
この出来事をきっかけに、“終活”に向き合い始めるのです。
原作は、高齢者の孤独死を扱ったルポルタージュ。脚本ではそれをベースに、現代の独身女性が老後をどう生きるか、どう終えるかをリアルに描いています。
鳴海が直面する選択と孤独
鳴海は、親の介護や結婚を意識し始める周囲と、自分との間に距離を感じています。
そんなときに伯母の死をきっかけに「自分の人生も、もう折り返しなんだ」と思い知る――そのリアルさに、私自身も思わず息を飲みました。
「ひとり」の先に見えてきたもの
鳴海は、さまざまな人々との出会いを通して、「ひとりで死ぬ」ということを恐れるのではなく、自分らしく受け入れる準備を始めます。
そして、少しずつ気づいていくのです。
誰かがいなくても、自分で自分の人生に“よかった”って言えたら、それでいいんじゃないか――と。
2.綾瀬はるかが語る役への想い
「鳴海は私自身と重なる存在」
綾瀬さんは、鳴海を「とても頑張って生きている人」と評しています。
39歳独身という設定は、綾瀬さん自身とも重なっており、「自分もこのまま一人で生きていくのかな」と、ふと考えたことがあるとも話していました。
そんな彼女だからこそ、鳴海の不安や孤独、そしてそこから抜け出そうとする姿がとてもリアルに伝わってきました。
「終活ノートを手にする勇気」
劇中では、鳴海が“終活ノート”を買う場面があります。若いのに…と周囲に思われながらも、鳴海は「今のうちから考えておきたい」と迷いながら一歩を踏み出します。
その姿に、綾瀬さんも「自分もそろそろ考え始める時期なのかもしれない」と感じたそうです。
私たち視聴者にとっても、ふだん避けていたテーマを自然に考えるきっかけになったのではないでしょうか。
3.「笑って死ねたら最高」──その言葉に込めた意味
綾瀬はるかさんがインタビューで語った本音
「死に際に“私の人生、楽しかった”って笑えたら最高ですよね」
と語る綾瀬さんの言葉は、明るくて、そしてどこか希望にあふれていました。
これは決して冗談でも、強がりでもありません。鳴海という役を通して、「自分の死に方を考えることは、生き方を考えることなんだ」と気づいたからこその本音なのだと思います。
“ひとり”でも自分らしく生きていい
このドラマは、誰かに依存しないと“幸せ”ではない、という社会の前提をゆるやかに壊してくれます。
ひとりでいることは、寂しさだけじゃない。
ひとりだからこそ、「自分のために生きて、自分のために終われる」という自由があるのだと感じました。
視聴者に残る静かな問いかけ
綾瀬さんの言葉、そして鳴海の選択を見て、私は思いました。
「私はどんなふうに生きたいんだろう?」「どうやって最期を迎えたいんだろう?」
『ひとりでしにたい』は、“自分ごと”として「死」や「終活」を考えさせてくれる、そんな優しいドラマでした。
まとめ
綾瀬はるかさんの「笑って死ねたら最高」という言葉には、きっと鳴海だけでなく、彼女自身の生き方も込められていたのだと思います。
伯母の死をきっかけに、鳴海が少しずつ変わっていったように、私たちもこのドラマを通して、「自分の最期ってどうありたい?」と考えるきっかけをもらいました。
ひとりでも、誰かとでも。
悔いのない日々を積み重ねていくことが、「笑って死ねる人生」につながっていくのかもしれません。
この作品は、そんな静かな“希望”を私たちにくれました。
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