鹿児島銘菓「ボンタンアメ」が、いま再び脚光を浴びています。
誕生から100周年を迎えたこのお菓子は、懐かしい味わいだけでなく「映画やライブで尿意を抑えられる」という噂とともに、若い世代を中心に人気が急上昇中です。
SNSでは「3時間の上映もトイレに行かずに楽しめた」「ライブの必需品!」といった投稿が相次ぎ、全国で売り切れが続出するほど。
果たしてその効果は本物なのか、それともプラセボなのか――今回は、ボンタンアメと“尿意抑制”の関係について詳しく検証してみました。
はじめに
ボンタンアメが“必須アイテム”として注目される背景
普段から映画やライブに行くことが好きなのですが、そのときに「トイレ問題」に悩まされることが多いんです…。そんな私の目に飛び込んできたのが「ボンタンアメで尿意を抑えられる」という噂でした。
鹿児島銘菓「ボンタンアメ」は、誕生から100年を迎える歴史あるお菓子で、昔から親しまれてきた甘さと独特の食感が魅力です。
でも今注目されているのは、単なる懐かしさではなく、音楽ライブや映画鑑賞といった長時間のイベントを乗り切る“必須アイテム”としての役割なんです。
とくに3時間近くある映画『国宝』や『鬼滅の刃』を観るとき、「ボンタンアメのおかげで最後まで集中できた!」という声が多く、実際に会場近くのお店で売り切れが続出しているのを私も目にしました。
お土産の定番から日常の“お助けアイテム”へ…その変化がとても面白いと感じます。
SNSで広がる「尿意抑制」うわさのきっかけ
ブームのきっかけはSNSでした。X(旧ツイッター)には「3時間の上映でもトイレに行かずに済んだ」「ライブの必需品」といった投稿がどんどん拡散され、若い世代を中心に話題が広がったのです。
しかもそのタイミングが100周年記念グッズのPRと重なっていたため、一気に注目度が高まりました。
私自身も最初は半信半疑でしたが、ネットで「効いた!」という声を見て「ちょっと試してみようかな」と思った一人です。
さらに過去には、大福やカステラなど糖質の高いお菓子が「トイレ対策になる」と話題になったこともあり、その延長で水あめやもち米を使ったボンタンアメが注目されたようです。
昔からあるお菓子が新しい意味を持って再評価されていくのを見て、時代の面白さを感じずにはいられません。
1.ボンタンアメとは?

誕生から100年の歴史と鹿児島銘菓としての地位
ボンタンアメは1924年(大正13年)に鹿児島で誕生し、2024年でちょうど100周年を迎えました。
柑橘のボンタンをイメージした爽やかな風味と、もちもちとした食感が特徴で、鹿児島土産の定番として長く親しまれてきました。
戦後の時代から観光客や地元の人々に愛され続け、いまでは「鹿児島銘菓」といえば真っ先に名前が挙がるほどの存在になっています。
100年もの間、世代を超えて食べ継がれてきたこと自体が、その信頼と人気を物語っています。
記念缶や関連グッズ販売で高まる話題性

100周年を迎えるにあたり、製造元のセイカ食品は「記念缶」や関連グッズを販売し、ファンの心をつかみました。
特に昔ながらのレトロなデザインを活かした記念缶は、コレクションや贈り物として人気を集めています。
SNSには「懐かしいデザインに惹かれて買った」「開けるのがもったいない」といった声が多数投稿され、単なるお菓子としての枠を超え、文化的なアイコンとしても注目されていることがわかります。
これまで食べたことがなかった若い世代も、「かわいい」「映える」と手に取るきっかけになっているようです。
品薄状態になるほどの人気と製造元の対応
人気が急拡大したことで、各地のスーパーやコンビニでは「ボンタンアメ売り切れ」の張り紙が目立つようになりました。
特に映画館の近隣店舗では需要が高まり、棚いっぱいに陳列されてもすぐに空になる状況が続いています。
セイカ食品によると、今年に入ってから生産が追いつかず、工場のラインを増員して対応しているとのことです。
それでも需要が上回り、まさに“幻のアメ”となりつつあるのが現状です。
これまで鹿児島で主に流通していた銘菓が、全国的なブームとなった背景には、100周年の節目とSNSでの拡散が大きく影響しているといえるでしょう。
2.SNSでの評判と広がり
「国宝」「鬼滅」観賞との関係性
ボンタンアメの人気を一気に押し上げたのは、映画やアニメのヒット作との結び付きでした。
とくに3時間近い長編映画『国宝』や、約2時間半にわたる『鬼滅の刃 無限城編 第一章』の上映が大ヒット中というタイミングで、「長時間でもトイレに行かずに集中できた」という体験談がSNSに多く投稿されました。
観客の間では「映画館に行く前にボンタンアメを買う」という行動が広まり、上映会場近くの店舗では一時的に品薄になるほどの現象が見られました。
まるで映画とセットになった新しい観賞スタイルが生まれたようです。
ライブ・映画での“トイレ対策”としての活用
SNSには「ライブ必需品」「映画館に行く前に必ず口に入れる」といった投稿が相次ぎました。
実際にライブ会場では、開演前にボンタンアメを口にしているファンの姿も見られ、アーティストの演奏を最後まで見逃さず楽しむための工夫として定着しつつあります。
飲み物を控えればよいという考えもありますが、それでは喉の渇きに悩まされることも多く、適度に口を潤すボンタンアメが「ちょうどいい対策」として支持されているのです。
こうした体験談がSNSで広まったことで、単なるお菓子が“観賞用アイテム”に変化していきました。
他の食品との比較と「糖質と尿意抑制」説
過去には、大福やカステラといった糖質の高いお菓子が「トイレ対策になる」とSNSで話題になったことがあります。
その延長線上にあるのがボンタンアメで、水あめやもち米を原料とする点が注目を集めました。
「糖質が体内で水分を引き込むことで尿意が遅れる」という説が、科学的に完全に証明されているわけではないものの、納得感を持って受け止められたのです。
投稿者の多くは「気のせいかもしれないけれど、本当に効いた気がする」と半信半疑ながらも肯定的に語っており、この“ちょっとした実感”が次の投稿を呼び込み、さらにブームを加速させるきっかけとなりました。
3.実際の検証結果と専門家の見解
大学生による実験とその結果
「本当に効果があるのか」を確かめるため、西日本新聞の取材班は長崎大学の学生10人に協力を依頼し、実験を行いました。
方法はシンプルで、1日目は500ミリリットルの水とボンタンアメ2粒を摂取、2日目は水だけを摂取してもらい、尿意を感じるまでの時間を比較するというものです。
その結果、10人中7人が「ボンタンアメを食べた日の方が尿意を感じるのが遅かった」と回答しました。
なかには「ボンタンアメを食べた日は3時間も持ったが、食べなかった日は1時間半でトイレに行きたくなった」という学生もおり、一定の差を実感する人がいたことが報告されています。
個人差と「一時的な効果」の可能性
一方で、両日とも差がなかったという学生もおり、全員に共通する結果ではありませんでした。
このことから、ボンタンアメには一時的に尿意を抑える効果があるかもしれないものの、その強さや持続時間には個人差が大きいと考えられます。
甘いお菓子を食べたことで「効いている気がする」と感じる心理的な作用も無視できません。
実際、SNSの投稿を見ても「全然変わらなかった」という声もあるため、万人に当てはまる効果とは言い切れないのが現状です。
医師が指摘する血糖値・プラセボ効果とリスク
長崎大学病院の泌尿器科医・松尾朋博医師は、ボンタンアメを食べると血糖値が上昇し、その影響で臓器や筋肉に水分が引き込まれ、一時的に尿意が抑制される可能性があると説明しています。
ただしこれは一過性の作用にすぎず、根本的な解決にはならないと強調します。また「効く」と信じ込むことで症状が改善する“プラセボ効果”も影響している可能性があると指摘しました。
さらに、糖質の摂り過ぎは糖尿病や肥満のリスクにつながるため、頻尿対策として常用するのは適切ではありません。
医師は「頻尿を改善するには生活習慣や食生活の見直しが基本」と話し、あくまでも一時的なお助けアイテムとして楽しむ程度にとどめるよう注意を呼びかけています。
まとめ
ボンタンアメは、鹿児島で100年にわたり愛されてきた銘菓でありながら、SNSの拡散によって「尿意を抑えられる」という意外な効能が注目され、一気にブームとなりました。
映画『国宝』や『鬼滅の刃』の長時間上映を乗り切るアイテムとして取り上げられ、ライブ会場や映画館で欠かせない存在とまで言われるようになったのは大きな変化です。
実際の実験では一定の効果を感じた人がいる一方で、個人差が大きいこともわかり、専門家は「一時的な作用にすぎない」と指摘しています。
とはいえ、信じて試した人が「効いた」と感じるプラセボ効果も含め、ボンタンアメが人々の体験をより快適にしていることは確かです。
懐かしのお菓子が新たな役割を与えられ、文化的な存在感を増している今、ボンタンアメは単なる銘菓にとどまらず、時代を象徴するユニークな“生活の相棒”として再評価されているといえるでしょう。
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