映画『ブルーピリオド』評価は? 青春の苦悩と情熱!!あらすじ・キャスト紹介 

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ブルーピリオド
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人気漫画『ブルーピリオド』の実写版。眞栄田郷敦、高橋文哉ら若き俳優たちが集結して、青春の熱き情熱がほとばしる!!映画のあらすじ・キャスト・主題歌・挿入歌の紹介し映画の評価と考察をしています。

目次

あらすじ

高校生の矢口八虎(やぐちやとら)は、煙草も吸うし、仲間とスポーツパブでつるんだりする不良に見えるが、実は陰で勉強は欠かさず成績は優秀。特に目的はないが、少し高い人生のレールに乗る、その努力もしている。でも空気を読んで生きる毎日の中、虚しさだけが募っていく。

ある日、特別好きでもないが選択授業の美術で「私の好きな風景」という課題が出される。八虎は放課後、忘れた煙草を取りに美術室に足を踏み入れると、そこに置かれていた美術部員の桜田ひよりが描いた「天使の絵」に圧倒される。

「私の好きな風景」の課題に、一番好きな「明け方の青い渋谷」を描いてみる。自分が感じた青をどう表現すればいいのか。ひよりの言葉が蘇る「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎも青でいいんだよ」

描いた絵は納得のいくものではなかったが、「明け方の青い渋谷」のイメージを仲間は感じ取ってくれた。その時、初めて人と会話ができたような気がした。「絵は言葉ではない言語」という美術部顧問の佐伯先生の言葉が響く。

「今までずっと生きている実感が持てなかった。あの青い絵を描くまでは」

絵が好きだ、でも美術を志すなんて人生のレールを踏み外すようなことではないか?悩む八虎に佐伯先生の言葉が背中を押す。「好きなことに人生の一番大きなウェイトを置く、これって普通のことじゃないでしょうか」

国内最難関の東京藝術大学を目指して受験を決意するが、天才高校生、高橋世田介などのライバルの前で挫折を味わう。「才能ないかもしれない、だったら天才と見分けがつかなくなるまでやるしかない」と努力と戦略で合格を目指す。

『ブルーピリオド』とはピカソの「青青の時代」に由来し、苦悩と葛藤の日々を表している。

「好きなことをする努力家は最強なんです!!」

アート版スポコンドラマ。「情熱は武器だ!!」美術に捧げる青春のグラフティ。

『ブルーピリオド』上映劇場一覧 2024年8月9日全国公開

スタッフ

原作は山口つばさの「マンガ大賞2020」を受賞した人気漫画『ブルーピリオド』

監督は『サヨナラまでの30分』『東京喰種 トーキョーグール』の萩原健太郎

脚本はアニメ版『ブルーピリオド』も担当した吉田玲子

音楽;小島裕規”Yaffle”。

主題歌;WurtS「NOISE」(EMI Records/W’s Project)

製作;映画『ブルーピリオド』製作委員会

制作プロダクション;C&Iエンタテイメント

配給;ワーナー・ブラザース映画

また、登場する400枚に及ぶ絵画は、原作マンガの挿入絵画を提供した方々などが担当しています。

キャスト

マンガ原作の再現度が高いですね。八虎役の眞栄田郷敦の金髪はウィッグだそう。何といってもユカちゃん役の高橋文哉君の可愛らしいこと!!世田介の板垣李光人くんのほくろの一つは自前だそうですよ。予備校講師役の江口のりこさんもいい味出してます。

役名キャスト
矢口八虎眞栄田郷敦
ユカちゃん(鮎川龍二)女性的な容姿の八虎の同級生高橋文哉
高橋世田介八虎の最大のライバル板垣李光人
森まる八虎の一つ年上の先輩・美術部員桜田ひより
桑名マキ八虎が通う美術予備校の一番の実力者中島セナ
橋田悠世田介の高校の同級生秋谷郁甫
恋ヶ窪晋八虎の悪友仲間兵頭功海
後藤先生八虎たちの高校の物理教師三浦誠己
矢口行信八虎の父やす(ずん)
矢口真理恵八虎の母石田ひかり
大葉真由美術予備校の講師江口のりこ
佐伯昌子八虎たちの高校の美術教師・美術部顧問薬師丸ひろ子
美術講師会田誠

ブルーピリオドの評価

映画は原作マンガの1巻から6巻まで、藝大合格までを描いています。絵に目覚めて、難関藝大の入試を突破するまでの長い原作を2時間に凝縮するため、原作ファンからは物足りないという評価が多いようです。原作アリの作品の場合は、どうしても低い評価になってしまいますね。

しかし、全体的に見ると、若い俳優陣の演技は高評価で「胸が熱くなった」「好きを貫いてみたくなった」と八虎たちの熱い情熱を確かめに映画館に足を運んでみるのもよさそうですね。

高い評価

  • 自分の環境とリンクする部分が多く共感した。
  • 若手俳優が味があったしリアル、ベテラン女優3人も存在感があってよかった・
  • 受験生たちのひたむきさや苦悩もとてもよく描かれていて胸が熱くなった。
  • 盛り上げ所や見せ場がとても上手で随所で号泣。
  • 眞栄田郷敦、高橋文哉がかっこよくて、目の保養です♪

低い評価

  • 原作の良さが生かし切れていない。
  • 俳優陣の演技は良かったが、脚本が悪い。大事なシーンがカットされている。
  • あっさりと藝大に合格しすぎ。もっと努力の過程を描いてほしかった。
  • 世田介が嫌な奴にしか見えない。
  • ダイジェストにしか見えなかった。漫画ではモノクロの絵をカラーで見られたのは良かった。

考察

題名の『ブルーピリオド』は、ピカソの『青の時代』を指しています。スペイン語ではPeríodo Azul、英語訳ではThe blue period。『青の時代』は1901年から1904年の間に描かれ青と青緑の色合いで描かれた陰鬱な絵画が特徴です。

映画のスタッフやキャストのインタビューでは、『ブルーピリオド』は転換点になった時期のことを指しているようですね。実際のピカソの場合は、親友の死に衝撃を受けてうつ状態になった時期で、陰鬱な絵画はなかなか売れなくて、経済的にも苦しい状態だったようです。

調べてみると、親友の画家カルレス・カサゲマスは娼婦のジェルメーヌに結婚を申し込んだが拒否されピストルで心中を図ります。ジェルメーヌは無事でしたが、カサゲマスは自ら頭を撃ちぬいて亡くなりました。それを知ったピカソもうつ状態になり、カサゲマスと共有していたアトリエに住み着き、ジェルメーヌとも不倫関係を持ちます。ジェルメーヌは長くピカソと関係があり、有名な『アヴィニョンの娘たち』のモデルにもなっています。ピカソの女性遍歴は有名ですが、奔放というか正直というか、天才にはあまりお近づきになりたくないですね。

話がそれてしまいましたが、映画では『青の時代』という青春のもがき苦しむ思春期を連想させる良い題名だと思います。ただし、『青』は陰鬱な『青』ではなく、澄みきった朝の『青』。それがこの映画の爽快感を醸しています。今、思い起こせば、その時は苦しくても、ただ真っすぐに前だけを見ていた若き日々が蘇ります。人は思い出を美化するものですから(苦笑)

実は、私も東京藝大の足元にも及びませんが、芸大出身でして、懐かしさがこみ上げました。鉛筆の削り方、木炭デッサン、テレピン油の匂い・・・。映画スタッフにも美大出身者が多いようで再現にも熱が入っていますね。

主演の眞栄田郷敦も、音楽とジャンルは違いますが藝大受験に挑戦したことがあるそうですね。失敗しましたが、受験の厳しさ、挫折はよく知っているのでしょう。表情が薄いという意見もあるようですが、彼の声と目は結構好みです。

年齢を重ねていくと、「早く打ち込むものを見つけた方が勝ち」と思います。そして「好きなことをする努力家は最強なんです!!」これが才能だと。

原作に掲載されている絵画たちが色彩豊かに蘇って、絵を描く楽しさを教えてくれます。また絵が描きたくなりますね。俳優陣も実際に描いているそうで、とてもリアルで好感がもてました。

それにしても、藝大のみならず現在の大学の授業料の高さには驚きます。好きなことを経済的理由で諦めずに済む国にすることこそが、この国の将来に必要なことだと思うのですが。

若き未来の才能たちにエールを!!

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