大家族の父として一躍有名になった「ビッグダディ」こと林下清志さんの人生と家族の現在についてご紹介します。
最大20人もの子どもを育て上げ、多産DVや教育方針への持論、ロシア人恋人との8年間の恋愛、そして成長した子どもたちや孫との日常まで――その歩みはまさに波乱万丈です。
この記事では、林下さんの経験から見える家族観や人生観を、わかりやすくまとめました。
はじめに
波乱万丈な人生を歩む“ビッグダディ”とは
「ビッグダディ」の愛称で知られる林下清志さんは、連れ子を含め最大20人もの子どもを育てたことで一躍有名になりました。
2006年から2013年まで放送されたドキュメンタリー番組『痛快!ビッグダディ』では、7年間にわたる大家族の生活と奮闘が全国に知られ、最高視聴率19.3%を記録。離婚と再婚を繰り返しながらも、父親として日々子育てに向き合う姿は賛否両論を呼びました。
現在60歳となった林下さんは、メディア露出を控えつつも、YouTubeやバラエティ番組で時折その姿を見せ、話題を集め続けています。
彼の人生は、結婚・離婚・再婚を繰り返す中で培った家族との絆や、数えきれない子どもたちとの関わりに彩られています。波乱万丈という言葉がぴったりな日々を歩みながらも、常に「家族のために」という信念を持ち続けてきました。
多産DVや家庭の教育方針への独自見解
近年、望まない妊娠や出産を強いる「多産DV」が社会問題として注目されています。
林下さん自身、最初の妻との間に年子で8人の子どもをもうけ、「多産DVではないか」と指摘された経験があります。しかし本人は、浮気を一度もせず、女性の妊娠の機会が限られていることを理解したうえで子どもをもうけたと語ります。そのうえで、「男女双方の“勘違い”が問題を生む」と分析。
また、わいせつ行為をする教師の存在にも強い危機感を示し、「親が子どもを守るしかない」と断言。
特に娘たちには「子どもができたら勝手に堕ろすな、オレの孫でもある」と真剣に伝え、中学生になる頃から命の重みや家族の相談体制を意識させてきました。
林下さんの家庭教育は、厳しさの裏にある深い親心と、経験から導き出した現実的な視点が特徴です。
1.多産DVと家族観

多産DV成立の背景と男女間の“勘違い”
林下さんは、多産DVが成立する背景として「男女双方の思い込み」を挙げています。
男性側は「子どもをたくさん産ませれば妻は自分から離れない」と考え、女性側は「この人は私がいないと生きていけない」と思い込む。この勘違いが重なったときに、望まない妊娠や出産が繰り返されるといいます。
実際、林下さん自身も最初の妻との間に年子で8人の子どもをもうけ、「多産DVではないか」と指摘された経験があります。
しかし本人は浮気を一度もせず、女性の妊娠可能な期間が限られていることを理解したうえで子どもを作ったと語ります。そのため、「知識を持たずに行動することこそ危険」だと強調しており、男性にも正しい理解を求めています。
自身の経験と子どもへの向き合い方
林下さんは、自らの子育て経験を通じて「親の責任」の重さを何度も感じてきたといいます。
特に印象的なのは、娘たちに向けた「子どもができたら勝手に堕ろすな、オレの孫でもある」という言葉です。これは感情的な脅しではなく、命の大切さを早いうちから意識させるための教育方針でした。
中学生になれば異性との関わりが増え、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も高まります。
林下さんは「何かあったときに親に相談できる関係性を作ること」が重要だと考え、小学生高学年から率直な話をするよう心がけてきました。
結果的に娘たちからそのような相談を受けることはありませんでしたが、それは家庭内での信頼関係が築かれていた証でもあります。
わいせつ教師問題と親の役割
林下さんは、わいせつ行為を行う教師が後を絶たない現状にも強い警鐘を鳴らしています。
「わいせつをする人が教師になることが一番の問題」であり、採用制度そのものを見直す必要があると主張します。
しかし、制度の改善だけで全ての危険を防げるわけではありません。だからこそ「最終的に子どもを守れるのは親だけ」だと断言します。
学校や社会に任せきりにするのではなく、家庭内で危険を予測し、子ども自身が自分を守れる力を育てること。その姿勢が、林下さんの子育て観の根底に流れています。
2.ロシア人恋人との出会いと別れ

錦糸町での出会いと交際のきっかけ
林下さんがロシア人の元恋人と出会ったのは、知人に誘われて訪れた錦糸町のロシアンパブでした。
そこで彼女から聞かされたのは、最初の日本人夫との結婚生活がいかに酷いものであったかというエピソード。その話を聞いた林下さんは、日本人として申し訳ない気持ちを抱き、「自分が彼女を幸せにしたい」と思ったのが交際のきっかけになったといいます。
彼女には息子と娘がいて、母親としての姿勢や家族を大切にする心に惹かれたことも大きな理由でした。華やかな出会いというよりも、相手の人柄や生き方への敬意から始まった関係だったのです。
8年間の関係と別れの理由
二人は8年間にわたり交際を続け、日本とロシアの文化の違いも受け入れながら関係を築いていきました。
特に印象的なのは、ロシアの「国際女性デー」にまつわるエピソードです。その日は「あなたと出会ってからどれだけ幸せか」を4時間ほどかけて伝えるという習慣があり、林下さんは8年間欠かさず実行したといいます。
しかし、林下さんがライブ配信サービスで女性に対し卑猥なコメントをしたことを彼女が耳にしたことで、信頼が揺らぎました。
「この人は無理だ」と感じた彼女は別れを選び、二人の関係は終わりを迎えます。長年の積み重ねがあっても、信頼を損なう行為は取り返しのつかない結果を招くことを示す出来事でした。
別れ後も続く“後味”の楽しみ方
驚くべきことに、林下さんは別れた後もこの関係を「後味を楽しんでいる」と表現しています。
これは未練というより、8年間の時間を通じて得られた思い出や経験を前向きに捉えているという意味です。
彼女との日々は、異文化交流や家族観の違いを肌で感じ、自身の価値観を広げる貴重な時間だったと語ります。
恋愛の終わりを単なる喪失としてではなく、自分の人生の一部として大切に残す姿勢は、波乱万丈な人生を歩んできた林下さんらしい考え方だといえるでしょう。
3.子どもたちと家族の現在
娘たちの仕事・生活と孫の世話
林下さんの次女・柔美さん(29)と四女・都美さん(24)は、同じマンションに暮らしながらそれぞれ家庭と仕事を両立させています。
柔美さんは2児の母でガラス加工の仕事に従事し、都美さんは3児の母で浄化槽の清掃業に就いています。朝早くから出勤する2人に代わって、林下さんは5人の孫を保育園まで30分かけて送り届ける日々です。
孫を「かわいい」と感じることはあまりないと語る林下さんですが、「娘たちが喜ぶから」という理由で世話を続けています。
さらに、娘婿のお弁当作りも引き受けており、かつて11年間子どもたちのお弁当を作り続けた経験からも、その手際はお手のもの。娘たちから時折プレゼントをもらうこともあり、そんなやり取りが日常の小さな喜びになっているといいます。
三男の1700万円使い込みと家族の返済
三男・武志さん(29)は、過去に勤務先からおよそ1200万円を不正に使い込んだことがあります。
理由は不妊治療の高額な費用を賄うためだったといいますが、林下さんは「頭を下げるところには下げろ」と諭し、家族総出で返済する姿勢を示しました。その誠意が功を奏し、会社側は「返済すれば不問にする」とまで言ってくれました。
しかし、その後武志さんはギャンブル(競艇)でお金を増やそうとし、さらに500万円を持ち出して失踪。合計1700万円もの返済を家族が背負うことになりました。
最終的には昨年すべてを完済したものの、武志さんは現在も消息不明。林下さんは「優しさではなく親としての責任で尻拭いをした」と語り、息子との関係は複雑なままです。
メイド喫茶勤務や女子プロレスラーとしての活躍

三女・詩美さん(26)は、女子プロレス界で華々しい活躍を見せています。2018年にデビュー後、わずか3か月で4つのベルトを獲得し、2021年には女子プロレス大賞を受賞。
現在は「マリーゴールド」に所属し、試合会場に父・林下さんが応援に訪れることもあります。ただし父としては「チャンピオンは圧倒的でなければならない」と厳しい評価も忘れません。
また、かつて林下家で暮らしていた三つ子のうち、五女・心美さんと七女・空美さんは、秋葉原のメイド喫茶でナンバー1を争った経験があります。
現在は母親のいる岐阜で飲食業に従事し、六女・海美さんも同地で働いています。還暦祝いには心美さんと空美さんが駆けつけるなど、血縁を超えた家族の絆が続いています。
さらに八女・紬美さん(17)は高校生活を送りながら大学進学を視野に入れており、林下家の新しい世代として成長を続けています。
まとめ
林下清志さんの歩んできた道は、家族の数だけ物語があります。
多産DVや教育方針、わいせつ教師問題に対する鋭い視点は、ただの意見ではなく、自らの経験に裏打ちされた“生きた言葉”です。
ロシア人恋人との8年間の交際や別れも、彼にとっては人生を豊かにする一つの章であり、終わりを悲しむよりも経験を糧として受け止めています。
そして、成長した子どもたちはそれぞれの道を歩み、孫たちも加わった大所帯のなかで、新たな日常が続いています。
時に家族がトラブルを起こしても、「親としての責任」を果たすために全力で向き合う姿は、林下さんの信念そのもの。
血のつながりだけに縛られず、関わったすべての子どもたちを家族として迎え入れる柔軟さも、彼の大きな特徴です。
波乱万丈ながらも「普通に暮らしたい」と語る林下さん。その“普通”は、多くの人にとって特別で、ドラマのような日常です。彼とその家族がこれからもどのような物語を紡ぐのか、注目は尽きません。
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