ジャーナリストの青木理さんが、2024年9月のYouTube番組での「劣等民族」発言をきっかけに地上波出演を自粛してから約10カ月。2025年8月10日、TBS系『サンデーモーニング』で復帰し、番組冒頭で改めて謝罪しました。
本記事では、発言の経緯や自粛理由、復帰当日のコメント全文、そしてSNSでの反応まで詳しく解説します。。
はじめに
青木理氏の復帰が注目される背景
青木理さんは、ニュース番組や討論番組での鋭いコメントで知られるジャーナリストです。政治や社会問題に切り込む発言が多く、時に物議を醸すこともあります。
2024年秋、あるインターネット番組での発言が原因で、約10カ月もの間、地上波テレビから姿を消しました。
その間も社会の出来事は止まらず、視聴者や番組ファンの間では「いつ戻ってくるのか」という声が絶えませんでした。そんな中での復帰は、彼の発言力や影響力を改めて感じさせる出来事となりました。
「劣等民族」発言とその波紋
問題となったのは、2024年9月12日に配信されたYouTubeチャンネル「ポリタスTV」での発言です。
番組中、一部の政治的支持者を指して「劣等民族」と表現したことで、差別的と受け取られかねないと批判が急速に拡散しました
。SNSでは切り取られた映像や引用が瞬く間に拡散され、テレビ出演者としての責任や言葉の影響力が議論の的となります。
この騒動を受け、青木さんは同年9月27日に地上波出演の自粛を発表。
その後は公の場から距離を置き、沈黙を守り続けましたが、この出来事は彼のキャリアだけでなく、報道と発言の自由をめぐる世間の意識にも影響を与えました。
1.発言の経緯と自粛の決断

問題発言が行われた場と状況
2024年9月12日、青木理さんはYouTubeチャンネル「ポリタスTV」にゲスト出演しました。
番組は政治や社会問題をテーマにした討論形式で進み、その中で一部の政治的支持者を例に挙げ、「劣等民族」という言葉を使いました。
会話の流れとしては批判的な分析をしていた場面でしたが、この表現は文脈を離れて一部だけが切り取られ、SNS上で急速に拡散していきます。
収録はカジュアルなネット番組だったものの、青木さんは地上波番組にも出演する立場であり、その言葉の重みが大きく問われる結果となりました。
批判の拡大と世論の反応
発言が拡散されると、「差別的な意図がある」「職業柄、発言にはもっと慎重であるべき」といった批判が次々と投稿されました。
特にSNSでは短い動画クリップや引用テキストが単独で広まり、発言全体の文脈を知らないまま憤りを示す声も目立ちました。
一方で、「発言の真意を理解すべき」「切り取り報道の弊害だ」といった擁護の意見もあり、賛否が大きく分かれます。
結果的に、この騒動はニュースサイトやワイドショーでも取り上げられ、ネット発の炎上がテレビ報道へ波及する典型例となりました。
地上波出演自粛の発表と期間
こうした状況を受け、青木さんは2024年9月27日に地上波番組への出演を自粛することを発表します。
自粛は明確な期間を定めず、事実上すべてのテレビ出演を控える形となりました。『サンデーモーニング』をはじめとしたレギュラー番組にも姿を見せず、その間は公のコメントもほとんど出さずに沈黙を貫きます。
結果として約10カ月間、地上波から離れることになり、この長いブランクは視聴者の間で「復帰はいつになるのか」「もうテレビでは見られないのか」という憶測を呼びました。
2.『サンデーモーニング』での復帰
復帰が決まった経緯
長期の自粛が続く中、青木さんの復帰の場として選ばれたのは、長年コメンテーターを務めてきたTBS系『サンデーモーニング』でした。
番組関係者によると、復帰時期は夏前から調整が始まり、放送内容や進行構成の中で謝罪の時間をしっかり設けることが前提となったといいます。
青木さん本人も、最初の復帰は信頼関係のある現場で行いたいという思いが強く、結果としてこの番組が選ばれました。
視聴者の間でも「やはりサンモニから復帰するのか」という予想が多く見られ、当日は放送前からSNSで話題となっていました。
番組冒頭での紹介と謝罪
2025年8月10日放送回の冒頭、キャスターの膳場貴子さんが「10カ月ぶりの出演です。
青木さん、よろしくお願いします」と紹介すると、青木さんはやや硬い表情で深く一礼。
その後、すぐに今回の件に触れ、「まずはおわびを申し上げたい」と切り出しました。普段は落ち着いた語り口の青木さんですが、この日は言葉を選びながらゆっくりと話し、誠意を伝える姿勢が印象的でした。
謝罪コメントの全文と要点
青木さんは番組内で次のように述べました。
「インターネット上の番組で、支持者の方々を誹謗中傷したと受け取られても仕方ない発言をしてしまった。改めて不適切な発言だったと思う。傷つけた方、ご迷惑をかけた方々に本当にお詫び申し上げます。本当にすみませんでした。」
さらに、「誰かを差別する意図はなかったが、言葉の選び方が不適切だった」と認め、「今後はより一層慎重に発言していきたい」と続けました。
このコメントはニュースサイトやSNSでも引用され、復帰初日にして再び大きな注目を集めることとなりました。
3.謝罪のポイントとその意図
差別意図はなかったとする説明
青木さんは謝罪の中で、問題発言について「差別をするつもりはまったくなかった」と明言しました。
あくまで政治的な状況を批判する文脈で使った言葉であり、特定の民族や集団を蔑視する意図はなかったと説明しています。
しかし、テレビを通じて多くの視聴者に届く言葉は、意図とは別に受け取り方が大きく変わる可能性があることも認め、発言の影響力と責任の重さを再確認した形となりました。
発言の不適切性を認めた姿勢
意図はなかったとしながらも、青木さんは「結果として不適切だった」とはっきり認めました。
この点は、批判を受けた際にありがちな“誤解された”という言い訳とは一線を画しています。
発言の真意よりも、受け手がどう感じたかを重視し、傷ついた人がいる事実を受け止める姿勢は、多くの視聴者にも誠意として映ったようです。
また、番組内での発言は短く簡潔でありながらも、謝罪の核心部分が明確に伝わる内容になっていました。
今後の発言への配慮と再発防止
最後に青木さんは、今後はより一層発言に注意を払うことを誓いました。
特に、生放送や討論の場では瞬時に言葉を選ぶ必要があるため、「言葉の選び方や使う場面を慎重に見極める」と強調しています。
過去には、歯に衣着せぬ物言いが持ち味とされてきた青木さんですが、今後はその姿勢を保ちつつも、表現の幅や言葉の響きに配慮したコメントが求められるでしょう。
この決意表明は、単なる一度きりの謝罪にとどまらず、今後の活動全体に関わる方向性を示した発言となりました。
まとめ
青木理さんの「劣等民族」発言から復帰までの10カ月は、単なる番組欠席の期間ではなく、発言の自由とその責任を改めて考えさせる時間となりました。
発言の背景や意図がどうであれ、公共の場での言葉は受け手によって多様に解釈され、時に想定外の反発を招くことがあります。今回のケースでは、批判と擁護の声が同時に広がり、SNSや報道を通じて議論が長期間続きました。
復帰初日、『サンデーモーニング』での謝罪は簡潔ながらも核心を押さえ、意図の説明と不適切性の認定、そして再発防止の誓いが盛り込まれていました。
これは一度の発言で揺らいだ信頼を取り戻すための第一歩に過ぎません。視聴者や社会が求めているのは、今後の言動を通じた継続的な姿勢の証明です。
青木さんにとっても、今回の経験はジャーナリストとしての発信方法を見直す契機となったはずです。
言葉の切れ味を保ちながらも、より慎重で配慮ある発信ができるか――その歩みは、同じく発信する立場にある多くの人にとっても学びとなるでしょう。
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