「非実在型炎上」で再炎上?「赤いきつねCMはエロい」「AEDは女性に使えない」

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「AEDを女性に使ってはいけない」というツィートを見かけたことがありますか?

最近では「どん兵衛赤いきつねのアニメCMがエロい、性的でいやらしい」とのツィートが流れてきました。

ところが、そんな元ツィートをした人は少数、もしくは存在しない場合があるのに、あたかも炎上しているようにみえる「非実在型炎上」というのがあるそうです。

一体どういう事?

追記:赤いきつねが「非実在型炎上」であるかをデータ分析した記事が出ました。興味深いですね。

目次

「赤いきつね」CMは性的描写でいやらしい?

私がこのニュースを見たのはヤフーニュースです。

「性的でキモい」 マルちゃん【赤いきつね】アニメCMが炎上 「エロ要素なくない…?」反論多数も、やまぬ批判

 食品会社の東洋水産が販売するカップ麺「マルちゃん」のアニメCMが、X(旧ツイッター)で炎上を見せています。若い女性が自分の部屋で「マルちゃん 赤いきつね」を食べるという、何気ない日常を描いた34秒の動画ですが、これに対し「性的だ」「キモい」などの言葉が向けられています。

LASISA 2/17(月) 6:32配信

Xで「赤いきつね」を検索すると、「くねくねして、キモイ」「エロい」と批判が多く流れます。

赤いきつねじゃなくて即席麺を食べてる「女」になってるのが気持ち悪い。女性を商品化している。

女は食べるという生きるために欠かせない行為にすら性的な眼差しを向けられるんだ

「緑のたぬき」のアニメCMは男性教師が残業をしながら食べているストーリーで、それと比較して「なぜ女性はひとりで、涙を浮かべて食べているのか?口元をクローズアップするのか?」と「それは男性が望んだ形で女性を表現しているからだ」となってしまうようです。

どう思われますか?

ゲームキャラクターのように胸を強調しているわけでもなく、だしの効いたカップうどんを食べてホッとしているだけなのですが・・・。

「エロい」というツィートを読んでいると、そんな気にもなってしまいますが、「エロい」と批判しているのは少数で、世間的に見るとCMがそんなことになっているなんて知らない人がほとんどなんですね。

「少数派が炎上させることができるネットの恐ろしさ」と上記に紹介したツィートにありますが、実際は炎上もしていないということです。

非実在型炎上

非実在型炎上」とは、文字通り「実在しない炎上」のことで、「少数の批判意見をメディアが大げさに炎上した」と報じることを言うのだそうです。

スマホが普及して情報を仕入れるのはネット中心になってきました。

テレビもネットニュースを大々的に取り上げますね。

氾濫する情報の中で記事をクリックしてもらうために、少数派の意見でも過激な表現を使うことがあります。

クリックして記事を読んでみたら、「どうでもいいことだった」ってことは日常茶飯事です。

「非実在型炎上」ということは、実在しないので被害者もいないということです。

今回の「赤いきつね」の場合は、東洋水産(まるちゃん)が被害者といえば被害者ですが、このCMで不買運動がおきているわけでもなく、大多数は「エロい」とは感じていないのなら、企業としての対応は静観するのがベストだそうです。

投稿者の言論の自由

少数派のアカウントが批判を投稿したとしても、それは言論の自由は保証されるべきではあります。

その少数派の意見を、いかにも炎上したようにメディアが取り上げミスリードすることで「非実在型炎上」が発生してしまいます。

「炎上させよう」という意図を持って投稿した場合、それに対して同調する数人が多量のツィートを繰り返す場合もあります。炎上商法なんて呼ばれていますね。

ある人や物を意図して批判して陥れることも出来てしまうなら怖いことです。

受け取る側のネットリテラシーが問われますが、メディアの側もバランスを保った情報を提供してもらいたいものです。

AEDは女性に使えない

「心停止の女性にAEDで救命したら、後日セクハラで訴えられた」という投稿が話題になりました。

ASEMAのニュース番組で、この投稿が取り上げられ波紋を広げることとなりました。

しかし警察に問い合わせたところ、そのような事例は無いということが判明し、デマだとわかりました。

このような投稿に対して、本来の反応は「そんな事があるわけがない」「一時を争う場合、まず命を優先スべき」と感じると思うはずですよね。

ところが、「セクハラで訴えられたら人生が終わるから、女性には手を出さないほうがいい」「見て見ぬふりが正解ですね」と同調する投稿が多数見られました。

実際にも、AEDを使用したいという女性の割合は、男性よりもかなり低い実態があるそうです。

救命救急の訓練でAED講習を受けたことがありますが、確かにダミー人形は男性で裸でした。女性の場合の注意点はなかったと思います。

実際に女性に使用する場合は、ブラジャーは外す必要はないそうです。(ただし、パットがブラジャーのワイヤーにかからないように注意が必要)

その他に、「男性が女性にAEDを使っているところをスマホで撮影されて拡散さたら、セクハラが疑われて人性を台無しにする」という投稿をみて、ちょっと驚きました。

救命現場をスマホで撮影して、「セクハラだ!」と拡散するほうが絶対悪いでしょう!!

「赤いきつね」の場合は非実在型で被害者はいないけれど、AEDの場合は、もしそのような状態で躊躇されたら命を落とすかもしれません。

ネットで拡散された情報は、ちょっと疑って自分で調べてみることが必要ですね。

「非実在型炎上」で再炎上?

「赤いきつね」炎上は「非実在型炎上」だったという話題について、ヤフーニュースのエキスパート鳥海不二夫氏(東京大学大学院工学系研究科教授)がデータ分析しています。

上記は東洋水産(公式X)最初の投稿は2月6日。

「エロい」と批判的な投稿があったのが2月17日。

6日から16日の間は、ほとんど批判的な投稿はなかったそうです。

その後、批判的な投稿が爆発的に増加していますが、「そんなことはない」という投稿も多く、全体的に見ると肯定的な投稿のほうが多いとのことです。

そして、「非実在型炎上」という言葉が出てから、またリポストが増えているそうです。

当初はB群(性的主張)のクラスタの拡散が一定数存在していましたが,2月16日の正午くらいにはすでにA群(反論側)の方が多くなっていることが分かります.先に挙げた記事が2月17日の6時くらいに出ていますが,その時点まででA群(そんなことはない)B群(エロい)合わせて3万程度の拡散でした.その後当該記事が出た後に一気にA群(反論側)の拡散が増えていったことは間違いないようです.その後,2月17日11時ごろGLOCOM小木曽さんのYahooのコメンテーターコメントがX上で言及され「非実在型炎上」という言葉とともにA群(反論)の情報の拡散が増加したようです.

赤いきつねと非実在型炎上 Yahooニュースより

上の分析を見ると、当初から「エロい」という投稿はあったものの、「そんなことはない」という投稿のほうが多かった。

17日に「エロい」という投稿をニュースが取り上げて一気に拡散されたが、「そんなことはない」との投稿のほうが勝っていた。

そして「非実在型炎上」という言葉が出て、「そんなことはない」との投稿が増加して小炎上しているとのことです。

あれ?「エロい」で炎上だったのでは?

結局は「エロいCM」だとか「非実在型炎上」だとか言葉のインパクトで注目を集めたということですね。

当たり前っちゃ当たり前なんですが。

今回の「赤いきつね」は「そんなことはない」の意見のほうが当初から多数で、商品に対するイメージは結局変わりませんでした。

しかし、インパクトのある言葉で意図的にこの現象を起こせば、先の選挙のように評価が反転することもありますね。

SNSの課題は、もう個人的な言論の自由を超えてきているのかもしれません。

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