世界陸上2025東京大会の男子110メートルハードルで、日本記録保持者の村竹ラシッド選手が準決勝を3位で通過し、見事決勝進出を果たしました!
これは日本人として初めての快挙であり、会場は大歓声に包まれました。
福井で叩き出した12秒92の日本記録を武器に、ホーム東京で挑む決勝ではメダル獲得の期待が高まっています。
本記事では、村竹選手のプロフィールや実績、そして決勝での勝算についてわかりやすく解説します。
はじめに
世界陸上2025東京大会と男子110mハードル
世界陸上2025は東京で開催され、日本の陸上ファンにとって特別な大会となっています。
男子110メートルハードルは、短距離のスピードとハードリング技術を兼ね備えた選手だけが挑める、見応えのある種目です。
スタートからゴールまでわずか13秒前後の間に10台のハードルを越えるこの種目は、集中力とリズム感、さらに一瞬の判断力が勝負を分けます。
近年はアメリカ勢が強さを見せていますが、ホームで戦う日本選手の挑戦に注目が集まっています。
村竹ラシッド選手への注目と期待
その中でも大きな期待を背負っているのが、日本記録保持者の村竹ラシッド選手です。
2025年8月に福井で12秒92をマークし、日本人初となる12秒台前半を叩き出しました。この記録はシーズン世界2位に相当し、トップ選手と肩を並べるレベルです。
さらに東京大会の準決勝では、強豪ひしめく組で3位に入り、見事決勝進出を決めました。
日本人選手として初めて世界陸上男子110mハードル決勝に立つ快挙に、観客も大歓声で後押ししています。今大会でのメダル獲得は夢物語ではなく、現実的な目標として語られるようになりました。
1.村竹ラシッド選手のプロフィール
生年月日・出身・所属チーム
村竹ラシッド選手は2002年2月6日生まれの23歳。
千葉県松戸市の出身で、現在はJAL(日本航空)に所属しています。
身長は179cmと恵まれた体格を持ち、ハードルを越える際のダイナミックさとリズム感を支える基盤となっています。
所属先のJALでは社会人アスリートとして支援を受け、競技と社会人生活を両立させながら世界の舞台に挑んでいます。
順天堂大学時代からの活躍
高校時代から注目を集めていた村竹選手は、順天堂大学に進学すると一気に頭角を現しました。
学生時代にはインカレでの優勝をはじめ、国内主要大会で好成績を重ねています。
大学で培った基礎体力と技術に加え、国際大会にも積極的に出場した経験が、現在の安定したレース運びにつながっています。
特にスタートから中盤にかけての加速力は、学生時代から群を抜いていました。
ハードリング技術と持ち味
村竹選手の大きな強みは、ハードルを越える動作のスムーズさと全体のリズムの安定感です。
ハードルの上で体を無駄なく運ぶ技術に加え、着地後すぐにスピードを維持できるのが特徴です。
多くの選手が後半でスピードを落とす中、村竹選手は最後まで力強い走りを見せるため、観客を沸かせる場面が多いです。
こうした「安定感と粘り強さ」は、世界のトップランナーと互角に戦える最大の武器となっています。
2.主な実績と記録

日本記録更新(12秒92/福井大会)
2025年8月の福井大会で、村竹ラシッド選手は12秒92の日本記録を樹立しました。
スタートの飛び出しから最初の3台をリズムよく越え、中盤は重心がぶれないフォームでスピードを落とさず、終盤もしっかりと脚が動いていました。
ハードル上で体を「前に投げる」動きが大きく、着地からの一歩目が早いことが記録更新の決め手。
会場では電光掲示板の「12.92」が点灯した瞬間、どよめきと拍手が一斉に起き、本人もガッツポーズ!日本人として“12秒台前半”に到達した意義は大きく、以降の国際レースで「表彰台を狙う選手」として見られるようになりました。
パリ五輪2024での決勝進出と結果
2024年のパリ五輪では、予選・準決勝を落ち着いた走りで突破し、決勝に進出。
結果は5位でしたが、世界の大舞台で最後まで崩れずに戦い切った経験は、現在の安定感につながっています。
準決勝までの連戦で脚に疲労がたまる中でも、スタートの反応を維持し、ハードル間の歩数を乱さないレース運びを徹底。
決勝では序盤でやや遅れたものの、中盤以降に伸びて順位を押し上げました。「最速でなくても、崩れない」ことを証明した大会で、以降のシーズンでの成長の土台になりました。
アジア選手権での金メダル獲得
2025年のアジア選手権では、予選から決勝まで危なげない走りで金メダルを獲得。
決勝は向かい風の難条件でしたが、ハードル上で体を高く上げすぎないコンパクトなクリアと、着地後の加速で主導権を握りました。タイムだけでなく、状況対応力の高さが際立ったのがこの大会です。
スタート合図がやや長く感じる“待たされる”場面でも動じず、集中を切らさないメンタルが光りました。
国際タイトルを取ったことで、世界陸上東京に向けた「勝ち方」を体得し、自信を深めています。
3.今大会の展望と勝算
準決勝3位通過のレース内容
準決勝はスタートの反応が良く、1~3台目までをリズムよく通過。
中盤の6~8台目でやや接戦となりましたが、着地後の一歩目が早く、最後の2台で前に出て3位でフィニッシュしました。
向かい風でもフォームが崩れず、上半身がぶれないため減速が最小限。ゴール直前の“もう一伸び”が光り、決勝に向けて「勝負どころを後半に置ける」手応えをつかんだ内容でした。
メダル獲得が期待できる要因
- 日本記録級の巡航速度:福井での12秒92以降、13秒前後を安定して出せる再現性があるため、混戦の決勝でも崩れにくい。
- 後半型の強み:8台目以降で前に出られるため、序盤でわずかに遅れても差し返しが可能。接戦になりやすい大舞台で効く武器です。
- ホームの後押し:スタジアムの歓声に乗って加速できるタイプ。スタートの集中と中盤のリズムが噛み合えば、12秒台後半~13秒00の勝負に持ち込めます。
- 大舞台の経験値:パリ五輪決勝のレース運びを踏まえ、レーン割や招集所の待機時間など“外的要因”に左右されにくい準備が整っている。
決勝での課題と勝負の条件
- 課題
- スタートの0.02秒:最初の一歩が深くならないよう、反応と一足目の角度を最適化したい。
- 4~6台目の接触リスク:混戦で肘やスパイクが触れる場面に備え、ハードル上での“最短・最小”の動きに徹する。
- 連戦の疲労管理:準決勝から決勝までの短いリカバリーで、腸腰筋とハムの張りを最小化するケアが鍵。
- 勝負の条件(メダルを引き寄せる具体像)
- 前半:0~3台目で出遅れを最小化(反応+0.13秒台目安)。
- 中盤:4~7台目はストライド一定、着地の接地時間を短く“押す”走りで失速ゼロ。
- 終盤:8~10台目で腰の高さをキープし、最後の2歩で腕を強く振って前傾を保つ。
- 想定レンジ:12秒88~13秒03が表彰台ライン。風とレーンが良ければ12秒8台突入で金争いも。
この条件が揃えば、銀・銅は十分射程。スタートをまとめ、8台目以降の伸びを再現できれば、金メダルの扉も開きます。

まとめ
村竹ラシッド選手は、福井での日本記録12秒92とパリ五輪決勝の経験を土台に、世界陸上東京で準決勝3位から決勝へと駆け上がりました。
強みは、ハードル上の無駄のない動きと着地後の素早い加速、そして8~10台目で伸びる後半力。
決勝でメダルを手繰り寄せる鍵は、前半3台までの出遅れ最小化、4~7台目のリズム維持、終盤の前傾キープです。想定レンジは12秒88~13秒03。
ホームの後押しと安定した再現性が噛み合えば、銀・銅は十分に射程、条件が揃えば金争いも見えてきます。
歴史的瞬間に向けて、最後の10台をどう刻むか――すべてはスタートの一歩目から始まります。私も一視聴者として、ドキドキしながら決勝の瞬間を楽しみに待っています!
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