女優の浜木綿子さん(89)が“最初で最後”の自叙伝『浜木綿子 楽しく波瀾万丈』を出版しました。
これまで語られなかった元夫・市川猿翁さんとの結婚と離婚、そして息子・香川照之さんへの母としての思いが初めてつづられています。
さらに、2025年8月に放送されたフジテレビ系『ボクらの時代』では、萩本欽一さん(84)と44年ぶりに再会し、柴田理恵さんを交えた軽妙なトークを披露。
書籍とテレビ出演の両方で、波瀾に満ちた半生と家族への深い思いを明かした浜木綿子さんに、多くの注目が集まっています。
浜木綿子、“最初で最後の本”で明かした元夫・市川猿翁への思い
女優・浜木綿子さん(89)が、自身の半生をつづった書籍『浜木綿子 楽しく波瀾万丈』を発売しました。タイトル通り、華やかでありながらも波瀾万丈な人生を歩んできた浜さん。これまで沈黙を守ってきた「家族」について初めて深く語ったことで、大きな注目を集めています。
宝塚から名女優へ
浜さんは、宝塚歌劇団・雪組の娘役トップスターとして人気を集めた存在。その後は舞台やテレビドラマで活躍し、数々の名作を残しました。美貌と確かな演技力で、多くの人の記憶に残る名女優です。
こちらは浜木綿子さん(当時は若き宝塚娘役スター)の若い頃のお写真です。1970年代以前のご婚礼写真と思われ、品格ある美しさが感じられますね。

浜木綿子(はま ゆうこ) プロフィール
- 本名:香川 阿都子(かがわ あつこ)
- 生年月日:1935年10月31日(現在89歳)
- 出身地:東京市目黒区緑が丘(現:東京都目黒区)
- 血液型:B型
- 身長:157cm
経歴と活動内容

- 宝塚歌劇団 雪組 娘役トップスター(40期生)として活躍(1953年入団、1961年退団)
- 宝塚退団後は、舞台女優として多数の舞台・ドラマ・映画に出演。代表作には「監察医・室生亜季子」シリーズや「尼さん探偵シリーズ」などがあります
主な受賞歴
- 文化庁芸術祭奨励賞(1962年)
- ゴールデン・アロー賞 演劇部門賞(1973年)
- 菊田一夫演劇賞 大賞(1989年)
- 紫綬褒章(2000年)
- 菊田一夫演劇賞 特別賞(2013年)
- 旭日小綬章(2014年)
家族とプライベート
- 元旦那:三代目市川猿之助(後に市川猿翁として知られる)
- 長男:俳優・香川照之さん
- 孫:歌舞伎役者・五代目市川團子さん
元タカラジェンヌとしての気品と長年の女優活動が融合されたキャリアは、さすがとしか言いようがありません。若い頃から現在まで、その美しさと表現力に変わりはなく、多くの人に親しまれ続けています。
元夫・市川猿翁との結婚と離婚
書籍で大きく取り上げられたのが、歌舞伎俳優・市川猿翁さん(享年83)との関係です。2人はミュージカルで知り合い、結婚しました。しかし結婚から1年あまりで猿翁さんが別の女性に心を寄せ、家を出てしまいます。その2年後には離婚が成立。
当時は今ほど離婚が一般的ではなく、幼い息子・香川照之さんを抱えての決断は並大抵ではなかったはずです。浜さんは「恥ずかしいし、死にたいという気持ちになった」と振り返りながらも、「子供のために働かなければ」と母としての覚悟を固めたといいます。
沈黙を破り明かした“恩讐を超えた思い”
長年、家族の話題について語ることを避けてきた浜さん。しかし本では、元夫・猿翁さんへの複雑な思いを初めて明かしました。
浜さんの父は三味線の名手で、猿翁さんもその手ほどきを受けていました。後に父の形見である三味線の撥を見つけた浜さんは、なんと息子・香川照之さんに「これを元夫の仏壇にお供えしてほしい」と頼んだのです。
離婚した相手でありながら、人生でただひとりの夫。憎しみだけでは語り尽くせない、愛と感謝、そして哀惜が入り混じった思いを、浜さんは書き残しました。
息子・香川照之への母としての姿

息子である俳優・香川照之さんが、性加害報道を受けて活動を制限された時期もありました。その間、浜さんのもとにも取材が殺到しましたが、一切語ることはありませんでした。
やがて香川さんが復帰への道を歩み始めたことを見届け、母として安堵した浜さん。だからこそ、家族の歴史と胸の内を「今こそ伝えるべき」と考えたのかもしれません。

女手一つで息子を育てた。香川照之さん、子供の頃から変わってないですね★
浜木綿子さんの“最初で最後の本”は、ひとりの女優としての歩みと同時に、母として、そして女性としての苦悩と誇りが刻まれた一冊でした。
元夫への恩讐を超えた思い、息子を守るための沈黙、そして今だからこそ語れる家族への気持ち…。そこには、人生の喜びと悲しみをすべて抱きしめて生きてきた浜さんの姿がありました。
読む人それぞれに、「家族」や「人生」について深く考えさせられる一冊になりそうです。
フジテレビ系「ボクらの時代」44年ぶりの再会が話題に

2025年8月17日に放送されたフジテレビ系「ボクらの時代」では、女優の浜木綿子さん(89)とタレントの萩本欽一さん(84)が、実に44年ぶりとなる再会を果たしました。
二人は1980年代初頭に放送されたコントドラマ「欽ちゃんのちゃーんと考えてみてネ!!」で夫婦役を演じ、息の合った掛け合いで人気を集めました。
その後はお互いの誕生日に連絡を取り合うなど交流は続いていたものの、直接会う機会はなかったため、今回の共演は大きな注目を集めています。
テレビ画面に並んだ二人の姿に、多くの視聴者から「懐かしい」「時間を超えた絆を感じる」といった声が寄せられました。
番組出演に至るまでの経緯
今回の対面は、番組側からのオファーに応える形で実現しました。浜さんは「どうせなら萩本さんと一緒に」と共演を希望し、さらに舞台「売らいでか!-亭主売ります-」で信頼関係を築いた柴田理恵さん(66)にも声をかけました。
柴田さんは「欽ちゃんの仮装大賞」で審査員を務めた経験もあり、萩本さんとの縁も深い人物。
こうして3人がそろった番組収録は、世代を超えて笑いと感動を届ける時間となりました。長い年月を経ても変わらぬ信頼関係と、再会を喜ぶ素直な気持ちが、画面を通じて伝わってきたのです。
1.浜木綿子と萩本欽一の縁

「欽ちゃんのちゃーんと考えてみてネ!!」での夫婦役
浜木綿子さんと萩本欽一さんの出会いのきっかけは、1980年から81年にかけて放送された日本テレビ系コントドラマ「欽ちゃんのちゃーんと考えてみてネ!!」でした。
二人は夫婦役として共演し、当時の視聴者にとっては「テレビの中の理想の夫婦」として親しまれていました。欽ちゃんの軽妙なボケに浜さんが的確にツッコミを入れる掛け合いは、まるで実際の夫婦のような自然さで、多くの家庭に笑いを届けました。
誕生日を通じた交流の継続
ドラマ終了後も、二人の縁は完全に途切れることはありませんでした。直接会う機会はなかったものの、誕生日にはお互いにメッセージを送り合うなど、心のつながりを大切にしてきました。
芸能界では多忙なスケジュールに追われる中で、長い年月にわたりこうした交流を続けること自体が珍しく、二人の関係性の深さを物語っています。
年齢を重ねても忘れずに連絡を取り合う姿は、単なる共演者以上の絆を感じさせます。
空白の44年を経た今回の再会
そして2025年、ついに実現した44年ぶりの再会。テレビ番組の収録現場で顔を合わせた二人は、まるで昨日も会っていたかのように自然に会話を始めました。
緊張感よりも懐かしさと喜びがあふれ、スタジオは柔らかい空気に包まれたといいます。
浜さんは萩本さんに「またドラマの台本を書いてほしい」とお願いし、萩本さんも「新しい作品を一緒にやろう」と応じる場面もありました。
44年という長い年月を超えた再会は、視聴者にとっても感動の瞬間となり、改めて二人の強い縁を印象づけるものとなりました。
2.柴田理恵とのつながり

舞台「売らいでか!-亭主売ります-」での共演
浜木綿子さんと柴田理恵さんの縁は、舞台「売らいでか!-亭主売ります-」での共演が大きなきっかけとなりました。
浜さんは長年にわたり舞台を中心に活躍し、その確かな演技力で観客を魅了してきました。
一方の柴田さんは、バラエティや舞台で幅広く活動するタレントであり、明るく庶民的なキャラクターが持ち味です。
この舞台では、二人の異なる個性が見事に融合し、笑いと人情が入り混じった舞台空間を作り上げました。舞台を通じて培われた信頼感が、今回の番組共演にもつながったといえるでしょう。
「欽ちゃんの仮装大賞」での関係
柴田さんにとって、萩本欽一さんもまた特別な存在でした。
萩本さんが長年司会を務めてきた日本テレビの人気番組「欽ちゃんの仮装大賞」では、柴田さんが審査員として参加した経験があります。
当時から萩本さんは出場者や審査員に対しても気さくに声をかけ、会場を和やかにする名司会ぶりを発揮していました。
その中で柴田さんも欽ちゃん流の“場を楽しむ空気”を肌で感じ取り、芸能界でのつながりを深めていきました。この縁があったからこそ、今回の収録でも自然に三人が打ち解けられたのです。
3人での軽妙なトークの舞台裏
番組収録では、浜木綿子さん・萩本欽一さん・柴田理恵さんの三人が並び、まるで旧知の友人同士のように軽妙なトークを繰り広げました。
浜さんが過去の舞台でのエピソードを語れば、萩本さんが即座にユーモアを交えて返し、柴田さんがさらに明るく盛り上げる——そんな絶妙なやりとりが続いたのです。
特に、浜さんが萩本さんに「ドラマを書いて」とおねだりする場面では、柴田さんが「ぜひ私も出たい」と茶目っ気たっぷりに応じ、スタジオを笑いで包みました。44年ぶりの再会という大きな出来事に、柴田さんの存在が潤滑油となり、世代を超えた信頼関係が画面にあふれていました。
3.浜木綿子のテレビ復帰と歌声

帝劇ミュージカル「ラ・マンチャの男」で、ドン・キホーテが思いを寄せるアルドンサを交互に演じる、左から西尾恵美子、草笛光子、浜木綿子(1969年2月12日)
「ラ・マンチャの男」での降板と歌封印
浜木綿子さんにとって、歌は長い間「触れてはいけない領域」でした。1969年に出演したミュージカル「ラ・マンチャの男」で、極度のストレスから声が出なくなり降板を余儀なくされた経験があったのです。
当時を振り返り、浜さんは「降板は役者にとって一番恥ずかしいこと」と語っています。
それ以降、ドラマや舞台で歌のシーンがあっても録音を使用し、自身の生の歌声を披露することはありませんでした。
ファンの間でも「浜さんの歌声は二度と聴けないのでは」と思われていたほど、長い封印の期間が続いていたのです。
欽ちゃんのリクエストで実現した生歌唱
しかし今回の番組収録では、そんな浜さんに大きな転機が訪れました。萩本欽一さんが「せっかくだから歌ってみてよ」とリクエストしたのです。
最初はためらいを見せた浜さんでしたが、長年の信頼を寄せる相手からの言葉に背中を押され、ついに歌声を響かせました。
その瞬間、スタジオには温かい拍手が広がり、共演者やスタッフの目には感動の涙も浮かんでいたといいます。44年ぶりの再会に加え、半世紀近く封印されてきた浜さんの歌声が蘇ったことは、まさに歴史的な一幕でした。
7年ぶりのテレビ出演と今後の期待
さらに、この番組出演は浜さんにとって7年ぶりのテレビ出演でもありました。
長らく舞台を中心に活動していた浜さんにとって、テレビの世界に戻るのは大きな挑戦でしたが、画面に映る姿は年齢を感じさせず、堂々とした存在感を放っていました。
収録後には「欽ちゃん、また台本を書いて」と再会を心から喜ぶ言葉を口にし、萩本さんも「ドラマやCMを一緒に作ろう」と応じました。
今後、本当に二人が新しい作品で再びタッグを組む日が来るのか、多くの視聴者が期待を寄せています。浜さんの歌声が解禁された今、女優としての新たなステージが幕を開けるのかもしれません。
まとめ
浜木綿子さんと萩本欽一さんの44年ぶりの再会は、単なる懐かしい共演以上の意味を持つ出来事でした。過去のドラマでの夫婦役から続く絆、誕生日を通じた交流、そして長い空白を経ても変わらぬ信頼感が、今回の番組で鮮やかに表れました。
そこに柴田理恵さんが加わることで、三人ならではの軽妙なトークが生まれ、世代を超えて人々の心を和ませました。
また、浜さんにとっては半世紀近く封印してきた歌声を披露するという大きな節目でもあり、視聴者にとって忘れられない瞬間となりました。
7年ぶりのテレビ出演を果たした彼女が「欽ちゃん、また台本を書いて」と未来への希望を語った姿は、これからの活動を予感させるものでした。
この再会は、芸能界の歴史を彩った二人の友情と挑戦の物語であり、同時に「年齢を超えて新しい一歩を踏み出せる」という力強いメッセージでもあったといえるでしょう。
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