「こころが男性どうし」の夫婦が語る家族の形|妊娠・出産・子育てと向き合う日々

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家族の形はひとつではありません。最近注目されているのが、性自認や性の多様性を尊重しながら暮らすLGBTQ+カップルの家族です。

今回ご紹介するのは、“こころが男性どうし”の夫婦として生活するきみちゃんとちかさん。

2人は妊娠・出産を経験し、子どもたちを愛情いっぱいに育てながら、新しい家族の形を社会に伝えています。

偏見や誤解に直面しながらも「自分らしく生きていい」というメッセージを発信し続ける2人の物語は、きっと多くの方に勇気を与えてくれるはずです。

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目次

はじめに

LGBTQ+家族の多様性と社会のまなざし

近年、家族の形はますます多様になっていますよね。

かつては「父親と母親がいて子どもを育てる」ことが当たり前とされていましたが、今は同性カップルやトランスジェンダーの当事者、ひとり親家庭など、さまざまな背景を持つ家族が社会に存在しています。

でも残念ながら、この多様性が広がる一方で、まだまだ偏見や無理解にさらされることも少なくありません。

「父親と母親がそろっていないと子どもがかわいそう」「普通の家族じゃない」という声がSNSなどで投げかけられることもあるんです。


今回紹介するきみちゃんとちかさんも、そうした偏見に直面しながらも、自分たちの選んだ道を大切にし、2人の子どもとともに幸せに暮らしています。その姿は、私自身にも多くの気づきを与えてくれました。

「こころが男性どうし」のふうふが伝える家族の形

きみちゃんは、からだは女性でありながら、こころは男性というトランスジェンダーの当事者です。

一方のちかさんは、からだは男性、こころは男性でありながらも、日によって女性らしさを感じることもあるという独特な性の在り方を持っています。

そんな2人は出会い、共に暮らし、子どもを持つことを決断しました。

妊娠・出産というプロセスに挑む中で、インターネット上では心ない言葉も浴びせられましたが、それ以上に「応援しています」という温かい声も寄せられたそうです。

2人は、「家族の形は一つではない」「子どもは愛されて育てば幸せになれる」というメッセージを発信し続けています。
この物語は、性別や家族の在り方に固定観念を持つ人々に対し、「自分らしく生きてもいい」という勇気を与えてくれるんです。

1.ふたりが出会い、家族になるまで

きみちゃんとちかさん、それぞれの性自認と恋愛観

きみちゃんは、からだは女性でありながら、こころは男性というトランスジェンダーの当事者です。

生まれ持った体と心の性が一致しないことに悩みつつも、自分を男性として生きたいと考えてきました。

一方、ちかさんはからだは男性でありながらも、日によって女性的な気持ちになることもあり、好きになるのは男性だけという独特な恋愛観を持っています。

そんな2人が出会ったのは共通の友人を介してのことでした。「ひとりの人として優しいし、頼りになる」とちかさんが話すように、出会ってすぐにお互いに惹かれ合い、やがてパートナーとして共に歩むことを決意しました。

性別の枠にとらわれないその関係は、周囲から理解されにくいこともありましたが、2人にとっては自然で大切なものだったのです。

子どもを持つという決断と社会的な葛藤

ふたりが家族として暮らし始めたとき、将来の話題として出てきたのは「子どもを持ちたい」という思いでした。

でも、社会の反応は必ずしも温かいものばかりではなかったそうです。「父親と母親がそろっていないと子どもがかわいそう」「普通じゃない家庭だ」という心無い言葉を浴びせられることもありました。


それでも、きみちゃんとちかさんは「子どもにとって大切なのは、愛されて育つこと」という信念を貫きました。

性別適合手術を検討していたきみちゃんは、ちかさんとの出会いをきっかけに一度その計画を中断し、自分たちの子どもを産む道を選びます。

社会の常識や偏見に逆らってでも、家族としての幸せを築こうと決意したんです。

羅希ちゃんとの出会いと別れが与えた影響

初めて授かった命は羅希(らき)ちゃんでした。2人は、「希望にあふれた子に育ち、人を希望に導けるようになってほしい」と願いを込めてその名前を選びました。

しかし、羅希ちゃんは死産という形で2人の元を離れてしまいます。

失意の中でも、きみちゃんとちかさんは羅希ちゃんへの愛情を忘れませんでした。「羅希へ ぼくたちの間にきてくれてありがとう。また天国で会おうね」と書いた手紙は、今でも2人にとって大切な宝物です。

この経験は2人に深い悲しみをもたらしましたが、それ以上に「子どもを愛する気持ちは誰よりも強い」という自信と、家族としての絆を一層強めるきっかけとなったそうです。

2.妊娠・出産・子育ての日々

妊娠期に感じた揺れる気持ちと覚悟

きみちゃんは、自分が男性であるという認識を持ちながらも妊娠・出産を選択しました。

この決断には大きな葛藤が伴いました。「自分が妊娠する」という現実に向き合うことは、性自認と体の感覚の違いを改めて意識させるものでした。

それでも、「2人の子どもをこの手で抱きたい」という思いが、迷いや不安を上回ったといいます。

妊娠中は体調の変化に戸惑いながらも、ちかさんが食事や通院に付き添い、2人で支え合いました。

周囲の目やネット上の心ない言葉に傷つくこともありましたが、「この子を守る」という強い気持ちが、きみちゃんを前へ進ませたのです。

出産で迎えた新しい命とその後の生活

2023年2月、予定より1か月早く、きみちゃんは帝王切開で長女じゅったんを出産しました。

その日は偶然にも、最初に授かった命である羅希ちゃんの月命日でもありました。「何かの縁を感じた」ときみちゃんは語ります。

NICUにしばらく入院したじゅったんを、家族は毎日のように見守りました。

退院後は長男みぃくんと一緒ににぎやかな生活が始まり、2人の子育ては一層忙しくなりました。

イヤイヤ期を迎えたみぃくんと、夜泣きのあるじゅったん。疲れる日もありましたが、「兄妹で遊ぶ姿を見ると幸せ」と2人は微笑んでいました。

世間の声と向き合いながら守った家族の絆

出産のニュースが広まると、インターネットでは心無い声が再び寄せられました。「普通じゃない」「子どもがかわいそう」といった言葉です。でも、それ以上に「応援している」「素敵な家族だ」という温かいメッセージが増えていきました。

2人は、批判に対して強く言い返すのではなく、「私たちの幸せな日常を見てもらえば伝わる」と考え、取材や写真撮影に協力するようになりました。

スタジオで100日祝いの記念写真を撮るとき、みぃくんの笑顔と、ぐっすり眠るじゅったんの姿は、家族が互いに支え合っている証そのものでした。

こうして、2人は社会の視線と向き合いながらも、日々の暮らしを大切に育んでいるんです。

3.今とこれからの想い

性別移行と親としての在り方

出産を経たきみちゃんは、これまで考えていた性別移行の治療について、改めて向き合うことになりました。

「男性として生きたい」という思いは変わりませんが、今は子どもたちを育てることが最優先です。

現在の日本の法律では、子どもが成人するまで戸籍の性別を変更することができないため、焦らず、家族で話し合いながら歩んでいこうと決めました。

親としての役割に性別は関係ないと、きみちゃんは感じています。「母性じゃなくて親心だと思うんです。守りたい気持ちはちかさんも同じだから」と話し、子どもたちと向き合う中で、性別に縛られない“親としての在り方”を模索し続けているんです。

子どもたちと共に描く未来

みぃくんは2歳になり、妹のじゅったんのことを「赤ちゃん」と呼んでお世話を手伝うようになりました。

小さな手でじゅったんをあやそうとする姿に、きみちゃんも思わず笑顔になります。

庭の家庭菜園でトマトを収穫しながら、家族で食卓を囲む光景は、2人が描いていた未来の一つの形です。

これからの夢は、家族で旅行に出かけたり、子どもたちがそれぞれの個性を伸ばせるような環境を整えていくことです。「性別や家族の形にとらわれず、自分の好きなことを見つけてほしい」と、2人は願っていました。

「自分らしく生きていい」という勇気の輪を広げたい

きみちゃんとちかさんは、これまで多くの偏見と向き合ってきましたが、そのたびに「自分たちは間違っていない」と信じて歩んできました。

SNSや番組を通じて寄せられた応援の声は、2人に大きな勇気を与えました。「こういう家族の形もあるんだと知ってもらえたら、それだけでうれしい」ときみちゃんは言います。

そして今、自分たちが受け取った勇気を次は周りに返していきたいと考えています。

「自分らしく生きてもいい」と思える人が一人でも増えれば、社会は少しずつ変わっていく。そのために2人はこれからも日常を大切にしながら、家族の姿を発信し続けていくつもりなんです。

まとめ

きみちゃんとちかさんの歩んできた道は、決して平坦なものではありませんでした。

性自認の違いや、社会の偏見、そして大切な命との別れ――それぞれが心を揺さぶる大きな出来事でした。

それでも2人は「自分たちの選んだ家族の形」を大切にし、子どもたちへの愛情を第一に暮らしてきました。

周囲の声に傷つくこともありましたが、それ以上に応援の声や共感の輪が広がり、2人の背中を押しました。

今では家族として日常を楽しみ、未来に希望を持ちながら、「自分らしく生きていい」というメッセージを発信し続けています。

家族の形は一つではありません。きみちゃんとちかさんの物語は、誰もが自分らしく生き、互いを認め合う社会の実現に向けた、大切な一歩となっているのだと私は感じました。

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