「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ映画が12年ぶりに復活しました。
映画『室井慎次 敗れざる者』と『室井慎次 生き続ける者』の二部構成です。
予告では「あの男との約束を果たせなかった」などと意味深な煽り文句が書かれていますが、実際に青島役の織田裕二の出演の可能性について探ってみました。
織田裕二出演拒否の理由とは
『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以降、出演のない織田裕二ですが、出演拒否の理由がいろいろと噂されています。ここではよく言われている理由について挙げています。
キャラクターが固定されたくない
織田裕二は、1987年4月公開の映画『湘南爆走族』の石川役をオーディションで勝ち取りデビューしました。
1991年放送のフジテレビ『東京ラブストーリー』でブレイク。「カンチ!!」は流行語になりました。
その後、テレビドラマでは1993年『振り返れば奴がいる』、1994年『お金がない』、1996年『真昼の月』、1997年『踊る大捜査線』など。
映画では1991年『就職戦線異状なし』、1998年~2012年『踊る大捜査線シリーズ』、2009年『アマルフィ 女神の報酬』、そして2016年『映画 ボクの妻と結婚してください』など。
織田裕二のすごいところは、ブレイク後の出演はすべて主役だということです。一昔前は映画の主役を演じる看板俳優が多くいました。最近はテレビだけでなく映画、舞台、ネットと幅が広がり群像劇も増えているので主役だけという方は少なくなったように思います。
特に「踊る大捜査線」は1997年から、30代に入った頃で脂の乗り切った時期です。
出演拒否は、青島刑事のコミカルな役より、もっとシリアスな役をやりたいと思っていたためとも言われています。
ちなみに、最近情報番組で、脚本家の君塚良一と監督の本広克行が「織田裕二も柳葉敏郎も、コメディもシリアスもできるので、配役が逆でも面白かったかも」と話していたと報じていました。
私は、絶対、青島織田派ですが、あなたはどうですか?
フジテレビとの確執
フジテレビの企画や提示されたギャラが不満だったという噂もあります。
当時の主役級の俳優のギャラは1話300万円だそうです。
織田裕二も当初は1話120万円くらいだったのが、踊るでブレイク後は500万円。映画のギャラは2000万円に高騰していたとも言われているようです。
そのため2012年『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以降の映画の出演に関しては、制作側の提示する額と折り合いがつかなかったと言われています。
また、脚本も本人の意図するものとは違っていたため出演を拒否したとも言われています。
たしかに、2012年以降はフジテレビの出演は少なくなているように見えますが、2013年『Oh,My Dad!!』2016年『SUITS/スーツ』と全くなくなったわけではないですね。
皮肉な話ですが、『踊る大捜査線』の舞台であるお台場は、ドラマ当時はなにもない臨海地区でした。今は「お台場」として修学旅行生の目的地にもなる観光地になりました。
しかし、新宿から離れたことでフジテレビの凋落が始まったという話もあります。今や「フジテレビのドラマは面白くない」が定着してしまっています。
また芸能界のみならず経費削減の現在、織田裕二のギャラも当時の3分の1の1話100万とかいわれているようです。
織田さんはアメリカに不動産もあり、経済的には仕事をしなくても充分とのことですので、新作出演の障壁はギャラより企画でしょうか。
柳葉敏郎との不仲説
これもよく言われている話です。
コメディ色の強い『踊る大捜査線』の中で、真逆のキャラクターを演じる室井役に柳葉敏郎が耐えられず2話で「殉職させてくれ」と監督に直談判したと本人が話していますね。
柳葉敏郎の演技について織田裕二がダメ出しをしたことから二人の確執が始まったということはあったようですが、現在ではお互いわだかまりはないとのことです。
柳葉敏郎とは和やかに対談もしているので、この件はなさそうですね。
和久平八郎(いかりや長介)の不在
2004年、和久役のいかりや長介が亡くなったことが、織田裕二や恩田すみれ役の深津絵里にとって大きなショックだったと言われています。
いかりや長介が「剣豪に倣って、あなたの芝居は何流か? と問われれば、織田流だと答える」と、織田裕二に演技指導の恩義を感じていたのは有名な話です。
織田裕二も深津絵里もいかりや長介をとても慕っていたそうです。
いかりや長介がなくなった後、2010年『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』、2012年『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』では和久の甥として伊藤淳史が出演しています。
MOVIE3では、織田裕二も深津絵里も大ヒットした『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』から7年経っており、いかりやさん亡き後の作品への情熱も薄らいでいたと言われています。
それでも2012年『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』に出演したのは、FINAL これで最後と決めたからと。ドラマ版でも2012年『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』LASTとなっています。
また、オリジナルドラマのキャストで鬼籍に入られている方もいますね。
引きずりすぎ
ここで歴代のテレビと映画シリーズを振り返ってみます。(太字は織田裕二主演)
- 連続ドラマ「踊る大捜査線」(全11話)(1997年1~3月放送/世帯視聴率18.2%)
- 「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」(1997年12月放送/世帯視聴率 25.4%)
- 「踊る大捜査線 番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル」(1998年6月放送/世帯視聴率 24.9%)
- 「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル」(1998年10月放送/世帯視聴率 25.9%)
- 『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998)(興行収入101億円/動員700万人)
- 『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)(興行収入173.5億円/動員1.260万人)
- 『交渉人 真下正義』(2005)(興行収入42億円/動員310万人)主演:ユースケ・サンタマリア
- 『容疑者 室井慎次』(2005)(興行収入38.3億円/動員287万人)主演:柳葉敏郎
- 踊るレジェンドドラマスペシャル「逃亡者 木島丈一郎」(2005年12月放送/世帯視聴率 15.6%)主演;寺島進
- 踊るレジェンドドラマスペシャル「弁護士 灰島秀樹」(2006年10月放送/世帯視聴率 16.8%)主演:八嶋智人
- 『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』(2010)(興行収入73.1億円/動員570万人)
- 『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012)(興行収入59.7億円/動員471万人)
- 「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」(2012年9月放送/世帯視聴率21.3%)
- 『室井慎次 敗れざる者』(2024)主演:柳葉敏郎
- 『室井慎次 生き続ける者』(2024)主演:柳葉敏郎
こう並べてみると、2003年のMOVE2の大ヒットでスピンオフ映画が作られ、そこそこの興行収入を叩き出したため映画、ドラマのスピンオフが作られた流れです。ドラマの視聴率もそこそこ取れていますね。
織田裕二と深津絵里を引っ張り出したMOVE3と4は、MOVE2には及びませんがヒットしています。
つまりは「織田裕二が出ない」と言われるのはスピンオフだけなのですね。
12年ぶりの最新作に出演しないのは「代表作で恩義のあるドラマだからMOVE3、4で最後にして出たんだからもういいじゃないか」と言っているようにも思います。
スケジュールが合わない
最後に現在の織田裕二の出演予定について。
WOWOWオリジナルドラマで『水滸伝』の主演が決まっています。
北方謙三原作の『水滸伝』の完全映像化ということで、長期間に及ぶ撮影になるようです。
織田裕二としてはこちらに全力投球したいということでしょう。
またテレビ朝日のドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」出演から、テレビ朝日では織田裕二主演の刑事ドラマ制作が進んでいると女性自身が報じています。シリーズ化も検討されているとか。
しかし、こちらは7月中に撮影終了と書かれているわりに話が進んでないですね。
まとめ:青島復帰の可能性は?
結論を言うと、織田裕二にとって『踊る大捜査線』はすでに終わった仕事と思われます。
織田裕二にオファーしたけれど断られ、『室井慎次シリーズ』でなんとか柳葉敏郎を担ぎ出したという話もあります。
柳葉敏郎も最初は難色を示していたそうですが、今では感謝していると話しているそうです。
織田裕二も柳葉敏郎が出たのならばと態度が軟化しているという報道も見られましたが・・・。
『室井慎次 敗れざる者』では『踊る大捜査線』の映像がふんだんに使われているようで、ファンからは青島復帰に熱い視線が送られているのも事実ですね。
「引きずりすぎ」ならばきちんと幕をおろしてやるのも主演の織田裕二の仕事ではないかと思います。
オリジナルメンバーの多くが年を重ね、織田裕二も56歳です。今や和久さんのポジションですね。
テレビ朝日のドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」では準主役を演じました。主演は伊藤沙莉。
もう「都知事と同じ名前の青島です」と言って走り回る必要もないでしょう。
とはいえ、本音は主演でなくても、映画でなくても、もう一度青島の姿がみたいですね。
フジテレビで織田裕二主演での「踊るプロジェクト」新作制作の報道が出ました。
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