2025年7月19日、夏休みの初日を迎えた日本各地では、行楽地に多くの家族連れや観光客が訪れ、大きなにぎわいを見せました。
中でも話題になっているのが、富士山の吉田ルートに殺到する外国人登山客たち。中国や台湾からの観光客が急増しており、その背景にはSNSで拡散された「予言デマ」の影響もあったようです。
本記事では、富士山登山の現場の様子や規制強化の実情、日本各地の夏の風物詩や子どもたちの声など、現地目線で丁寧にレポートします。
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はじめに
夏休み初日、全国でにぎわう行楽地とその背景
7月19日、多くの学校で夏休みがスタートし、日本各地の行楽地は家族連れや観光客でにぎわいました。
山形県天童市ではプール開きが行われ、子どもたちはウォータースライダーで歓声を上げながら夏の始まりを満喫。高速道路では、中央道下り線を中心に20キロ超の渋滞が発生し、レジャーに向かう人々の多さがうかがえました。
東京都内ではセミの声が本格的な夏の訪れを告げ、気温33度を超える中、水遊び場や風鈴祭り、ランタンイベントなど、全国各地で夏らしい光景が広がっています。
富士山に外国人観光客が殺到する理由とは?
その中でも特に注目されたのが富士山。山梨県側の「吉田ルート」では、5合目の入山受付に長蛇の列ができ、前日には1400人以上の事前予約が入っていました。
中でも目立ったのが、中国や台湾からの観光客です。実は先月から「7月5日に日本で大災害が起きる」とのSNS発の予言デマが広まり、一時的に訪日客が激減していた経緯があります。
しかし、その“予言”は外れ、再び多くの外国人が富士登山を目指すようになりました。中には初めての海外旅行で富士山を選んだという中国の若者や、「宮崎駿のアニメのように美しい」と感動する声も。
富士山は、再び国際的な観光スポットとしての賑わいを取り戻しています。
1.富士山に殺到する中国・台湾からの観光客
吉田ルートに長蛇の列、5合目も大混雑
富士登山の玄関口である「吉田ルート」の5合目は、夏休み初日から大混雑となりました。入山の受付には早朝から長い行列ができ、周辺の売店や休憩所も人であふれていたそうです。
特に目立ったのが、外国人登山者の多さ。スタッフによると、「今日はこのシーズンで一番混んでいる」とのこと。前日だけで1400人以上の事前予約が入っており、その多くが中国や台湾からの観光客だったといいます。
5合目の売店では、多言語対応のパンフレットや軽食が人気で、レジ前に並ぶ人のほとんどが外国人という時間帯もありました。ある台湾人女性は、「富士山に登るのが今年の目標だったので、トレーニングを重ねてきた」と語り、仲間と記念撮影をしていました。
「7月5日に大災害」の予言デマが与えた影響
今でこそにぎわいを取り戻している富士山ですが、7月前半は様子が一変していました。その原因となったのが、SNSで拡散された「7月5日に日本で大災害が起こる」という“予言デマ”です。
この噂が中国や台湾でも拡散され、多くの人が旅行をキャンセル。一時は登山者が前年比で13%以上も減少しました。
山小屋の関係者も「予約のキャンセルが相次ぎ、かなり打撃だった」と語っています。台湾からの団体ツアーもキャンセルされ、5合目の人通りはがらんとしていたそうです。
しかし、7月5日を過ぎても何も起こらなかったことで、「やっぱり大丈夫だったね」と安心した人々が一気に予約を入れ直し、後半になってから一気に観光客が戻ってきたというわけです。
観光客の声に見る“富士登山”への憧れと回復の兆し
再びにぎわいを見せる富士山には、外国人観光客たちの強い憧れが感じられます。
初めての海外旅行として日本を選び、「富士山に登ること」が夢だったという中国人の若者2人組は、5時間かけて登頂に成功。「霧が晴れて絶景が広がった瞬間、疲れが吹き飛んだ」と笑顔で語っていました。
また、富士山の美しさを表現した中国の有名な楽曲を聴きながら登ったという人もおり、日本文化と自然が融合した富士山の魅力が、海外でも広く知られていることを物語っています。
こうした声からも、観光客の富士山への熱意と、訪日旅行の回復の兆しがひしひしと伝わってきます。
2.規制強化と“弾丸登山”への警鐘
山小屋予約なしでは入山不可?厳格化された吉田ルート
外国人観光客でにぎわう一方で、今年の富士登山には新たなルールが加わりました。
山梨県側の「吉田ルート」では、午後2時から翌午前3時の間、山小屋の宿泊予約がない登山者は入山できないという規制が導入されました。これは「弾丸登山」への対策です。
「弾丸登山」とは、宿泊せず一気に山頂を目指す登山スタイルのこと。無理なスケジュールが原因で、体調不良や事故が相次いでいるため、今年から入山規制が強化されたのです。
現地スタッフによると、「ルールを守って安全に登ってほしい」という願いを込めた措置で、登山者の安全を第一に考えた判断です。
ルールを知らずに訪れた外国人登山客の戸惑い
しかし、新たなルールが十分に周知されていないことから、現場では混乱も見られました。
午後2時すぎ、イスラエルから訪れた観光客2人は、登山口で足止めされました。事前に宿泊予約をしていなかったため、スタッフが山小屋に電話で空きを確認したものの「満室です」と返され、泣く泣く下山することに。
彼らは「まさか自由に入れないなんて思わなかった」と話しており、富士山の人気と国際化が進む中で、情報提供の仕方にも課題があることが浮き彫りになりました。
外国語による案内やウェブ予約の充実など、今後の改善が求められています。
高山病のリスクも…夜間登山の危険事例
無理な登山がいかに危険かを示す事例も起きています。19日未明、静岡県側の「御殿場ルート」で、フランス国籍の男性が標高2200メートル付近で体調不良となり、救助隊によって搬送されました。
この男性は山小屋を予約していたものの、夜10時に登り始めるという強行スケジュールを組んでいたそうです。高山病が原因とみられ、登山中に頭痛や吐き気などの症状が出たといいます。
「富士山は高いけど、観光地だから大丈夫だと思っていた」と語る声もありますが、標高3000メートルを超える環境は本格的な登山と同じ。特に夜間の登山は気温も低く、体力も奪われやすいため、初心者や観光目的の登山者には注意が必要です。
3.日本の夏を楽しむ外国人・家族連れの姿
ウナギの稚魚“豊漁”で土用の丑の日に活気
3連休初日の19日は、ちょうど「土用の丑の日」でもありました。
この日は日本各地でウナギ料理を求める行列ができ、目黒の老舗「八ツ目や にしむら」では、なんと一時間半待ちの列もできたほど。店主の松本さんは「この酷暑、ウナギで乗り切ってもらいたい」と語ります。
今年はウナギの稚魚が過去10年で最も多く獲れた“豊漁”の年。関係者の間では「白いダイヤが戻ってきた」と喜びの声もあります。ただ、育成には時間がかかるため、価格はすぐには下がらず、それでも「夏の風物詩だから」と買い求める人が目立ちました。
観光で訪れた外国人の中には、日本の伝統食文化にふれ、興味津々でウナギを味わう姿も見られました。
水遊び・風鈴・ランタン…各地で広がる夏の風物詩
日本各地では、夏の訪れを感じさせる風景が広がっています。東京都内では33℃を超える猛暑のなか、水遊び場が子どもたちの憩いの場に。親子で訪れた家族は「ここがなかったら外で遊べない」と口をそろえていました。
岐阜県高山市では、風鈴祭りが開催中。2000個の風鈴が涼しげな音を響かせ、飛騨の街並みに彩りを添えています。
また、川崎市では3500基のランタンが夜空に舞い上がるイベントも行われ、多くの外国人観光客や子どもたちが幻想的な光景に歓声を上げていました。
冷たい飲み物を販売する屋台にも行列ができ、「暑さに耐えきれず思わず買いました」と笑顔で話す人も。こうした“日本の夏”を象徴するイベントは、外国人旅行者にとっても貴重な体験のひとつとなっています。
子どもたちの夏休みの予定と、暑さへの対策
夏休みに入ったばかりの子どもたちにも、楽しみな予定が盛りだくさん。川崎市の小学生は「ハワイアンズに行くんだ!」と元気よく話し、茨城の子は「岡山のおばあちゃんの家に行くよ」と笑顔を見せてくれました。
一方で、連日続く猛暑は油断できません。気象庁は東北北部の梅雨明けを発表し、全国的に厳しい暑さが予想されています。
熱中症対策として、水分補給はもちろんのこと、外出時の帽子や日陰での休憩、涼しい時間帯の活動が呼びかけられています。
大人も子どもも、そして観光で訪れる外国人も、日本の夏を安全に、そして思い出深く過ごすためには、こうした「備え」と「知恵」が欠かせません。
まとめ
今年の夏休みは、富士山をはじめとした日本各地で、多くの人々が季節の訪れを実感するにぎやかなスタートとなりました。
SNSでの“予言デマ”によって一時は減少した外国人観光客も、今では再び訪日し、日本の自然や文化を思いきり楽しんでいる様子がうかがえます。
富士山では、中国・台湾からの登山客の回復が特に目立ち、登頂を果たした若者たちの感動の声は、旅の素晴らしさを改めて伝えてくれました。
一方で、安全登山への配慮も忘れてはならず、規制強化によるルールの周知や案内の整備が求められています。また、夏の暑さが本格化する中で、土用の丑の日のウナギ需要や各地の涼を楽しむイベントが盛況を見せ、日本の風物詩が多くの人々の心を潤しました。
自然と文化、そして人とのふれあい──。夏休みは、そんなかけがえのない体験に満ちています。
訪れる人も迎える人も、お互いを思いやりながら、楽しく安全にこの季節を過ごしていきたいものです。
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