「全裸写真を送れ」「睾丸を握られた」なんて、信じがたい言葉が職場で交わされていたなんて、にわかには信じられません。
問題の企業は、なんと“平均年収1400万円”をうたっていたというネオ・コーポレーション。夢のような職場の裏で、こんな恐ろしいことが起きていたのかと思うと、ぞっとします。
今回は、提訴に至った背景や元社員の証言、企業の対応、そして私たちがこの問題から考えるべきことを、ひとつずつ整理してみました。
元従業員の衝撃告発が明らかにした実態
「全裸の写真を送れ」「男として強くなれ」――そんな言葉が飛び交う職場で、上司から「睾丸を握られた」という証言まで飛び出した今回の提訴。高収入をうたい、多くの若者が憧れを抱いて入社した某企業で、想像を絶するようなパワハラ・セクハラが日常的に行われていたという事実に、世間は大きな衝撃を受けています。
告発した元社員は「もうこれ以上、黙っていられなかった」と語り、社内の空気は恐怖と従属に満ちていたことを証言しました。
高収入の裏に潜むブラックな職場環境とは
この企業は「平均年収1400万円超」との触れ込みで知られ、メディア露出も多く、若者からの就職人気も高かった企業のひとつです。
しかし、その華やかなイメージの裏では、厳しい上下関係、理不尽な命令、そして身体的・精神的なハラスメントが横行していたとされます。
「稼げる代わりに耐えろ」という空気が蔓延し、反論すれば人事評価が下がる、居場所がなくなるといった恐怖が、社員の沈黙を生んでいました。
高収入の代償として、心身がボロボロになるような日々を送っていた人々の声が、いまようやく表に出始めたのです。
ネオ・コーポレーション社は公式サイト上で、元従業員からの提訴について以下のようにコメントしています。
同社は「現在、係争中の事案に関しては回答を控える」と明言しており、具体的な内容へのコメントは一切行っていません。
これは、よくある企業の危機管理対応で、たとえば「事実関係を確認中」「今後、適切に対応して参ります」といった定型の文言にとどまっており、パワハラや性被害についての事実認定や謝罪は見られない状況です。
したがって、現時点では会社側は「調査中」「係争中につきコメントは差し控える」といった態度を保っており、世間が求める踏み込んだ説明や謝罪、再発防止への具体的な方針表明はまだ出てきていない状況です。
1.提訴に至った背景
全裸写真の強要と性暴力の実態
元従業員が明かした内容の中でも、最も衝撃的だったのが「全裸写真を送れ」と上司から命じられたという証言です。これが一度きりではなく、複数回にわたり求められたという点に、異常性が際立っています。
指示に従わなければ「チームを外す」「成績査定を下げる」などの脅しが伴っていたとも語られており、社員は逆らえない心理状態に追い込まれていたといいます。
さらに、一部の従業員に対しては、身体に触れるなどの性的な嫌がらせも行われていたとのこと。
被害者が語るには、こうした行為が社内で黙認され、「笑い話」のように扱われていたことがさらに苦しさを増していたといいます。
上司による「睾丸を握る」暴力の詳細
提訴内容の中には、信じがたい身体的暴力も含まれていました。「睾丸を握られる」という行為は、言葉としてもセンセーショナルですが、実際に職場で発生していたと証言されています。
この行為は単なる冗談や“指導”としてではなく、力関係を誇示する手段として用いられていたとのこと。
ある被害者は、「お前は根性がない」と言われ、会議室に呼び出されたうえでこの暴力を受けたと話しています。
しかも、これが複数人の目の前で行われることもあったとされ、暴力に対して笑ってごまかす周囲の空気も、被害者をより孤立させる要因となっていました。
被害者が声を上げるまでの経緯
こうしたハラスメントが繰り返される中、被害者たちは長らく沈黙を強いられてきました。
社内の相談窓口は存在していたものの、匿名性が保たれないとの不信感や、上層部との癒着を恐れて、実際に利用した人はほとんどいなかったそうです。
今回声を上げた元従業員も、退職後しばらくは「関わりたくない」と沈黙を保っていました。
しかし、他にも被害を受けたという元同僚の話を聞いたこと、そして現在も同様の被害が続いているのではという懸念から、提訴という決断に至ったといいます。「自分の体験を無駄にしたくない」という思いが、告発の原動力となったのです。
2.企業の体質と内部構造

パワハラが横行する組織文化
この企業では、パワハラがあたかも「伝統」のように根付いていたと元社員は語ります。
たとえば、会議中に部下を名指しで罵倒する、営業成績が悪ければ深夜まで残業を強要される、といった光景は日常茶飯事。中には「怒鳴り声が飛び交うのが当たり前」「怒鳴られないと逆に心配される」と語る社員もいたほどで、こうした異常な職場環境が“普通”になっていたこと自体が深刻です。
また、新入社員に対しては、精神的な圧迫をかけることで“根性”を鍛えるという名目の研修が行われていたとされます。これは業界内でも噂になるほど過酷で、数日で退職を決断する新人もいたといいます。
「平均年収1400万円超」の実態とギャップ
企業側が誇っていた「平均年収1400万円超」という数字にも、大きなカラクリがあったと指摘されています。高額な報酬を得ていたのはごく一部の幹部や営業成績トップ層に限られており、実際には大半の社員が年収600~800万円台で、残業や休日出勤によって稼ぎを底上げしていたのが実態です。
さらに、インセンティブ制度には曖昧な部分が多く、「契約1件○○円」とは言っていても、達成条件が後から変わったり、理由を明かさずに減額されたりすることがあったといいます。
「一見華やかに見えるが、実際は安定性に欠ける」という声が元社員の間では共通しています。
なぜ社員は沈黙を続けたのか
パワハラやセクハラが横行する中で、なぜ社員たちは声を上げなかったのか――その理由は複合的です。
まずひとつには「会社に逆らえば人生が終わる」という恐怖。これは単なる感情論ではなく、実際に異議を唱えた社員が閑職に飛ばされたり、社内で“腫れ物”扱いされたりする例が多かったからです。
また、社内には「外に漏らせば裏切り者」という空気があり、被害者同士でもなかなか助け合えない状況でした。中には「自分だけじゃなかった」と提訴をきっかけに気づいたという声もあり、被害者同士が初めて繋がる場が裁判になってしまうという悲しい現実も浮き彫りになっています。
SNSやメディアでの批判と反響
元従業員による提訴が報じられると、SNS上では瞬く間に話題となり、「信じられない」「まるで昭和の軍隊」「性暴力を笑い話にするなんてあり得ない」といった声が相次ぎました。
特に、性被害や暴力の具体的な内容に関しては、実名こそ伏せられているものの、告発された企業名が特定されると、過去に在籍していたと名乗る匿名の投稿が複数寄せられ、「自分も似たような目に遭った」「社内の体質は本当にひどい」といった証言が続きました。
また、テレビのワイドショーやニュースでも取り上げられ、労働環境の過酷さだけでなく、企業ブランディングの「虚構」に焦点を当てる特集も増えています。
記者会見などの公式なコメントが乏しいこともあって、企業への信頼は大きく揺らいでいるのが現状です。
労働問題としての法的論点
今回の提訴は、労働法の観点からも注目を集めています。まず問題視されているのが、業務命令と称して行われた性的ハラスメントや暴力行為です。
これは明らかに職場における安全配慮義務違反にあたり、民事上の損害賠償だけでなく、刑事罰に問われる可能性もあります。
また、企業側がパワハラを黙認していた、あるいは十分な内部通報体制を整備していなかった場合、「使用者責任」や「組織的隠蔽」といった重い法的責任が問われるケースもあり得ます。
加えて、近年では労働基準監督署やハラスメント防止措置を義務付ける法改正が行われているため、企業の対応次第では行政指導や社会的制裁も免れない可能性があります。
今後の企業対応と再発防止策は?
現在、企業側は「調査中」として明確な対応方針を発表していませんが、事態の深刻さからみて、社内調査委員会の立ち上げや、経営層による謝罪、再発防止策の具体的な提示が求められています。
特に、パワハラやセクハラの温床となっていた社内文化そのものを見直さなければ、信頼回復は難しいでしょう。
労働者側の信頼を取り戻すためには、外部の専門家を交えた調査、加害者の処分、被害者への補償、相談窓口の匿名性確保といった具体的な措置が不可欠です。
SNSや報道の影響力が強まるなかで、表面的な対応ではますます炎上を招くリスクもあります。今後、この企業がどういった対応を取るのか、社会全体が注視しています。
まとめ
今回明らかになったのは、「高収入」や「成長機会」といった言葉の裏に隠された、あまりにも深刻な企業体質でした。
元従業員による告発は、単なる個人の不満ではなく、構造的に放置され続けてきた問題を浮き彫りにするものであり、同様の経験を持つ他の労働者にも大きな共感と勇気を与えています。
SNSを中心に世間の反応が広がる中、企業の今後の対応が厳しく問われるのはもちろん、再発防止のための法整備や労働者の権利意識の向上も急務といえるでしょう。
今、私たちにできることは、こうした声を無視せず、真摯に受け止め、変化への第一歩とすることです。この問題を「他人事」で終わらせず、より良い職場環境づくりに向けた社会全体の取り組みが求められています。
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