自民党が掲げた「平均賃金を2030年度までに約100万円増やす」という公約が、今、注目を集めています。
選挙のたびに耳にする「景気回復」や「賃上げ」という言葉ですが、今回のように“100万円”という具体的な数字を掲げた政策はインパクトが大きく、ネットでも「本当に上がるの？」「また口約束では？」とさまざまな声が飛び交っています。
私も家計を預かる一市民として、「給料が100万円も増えるなんて本当だったら助かる…！」と期待したくなる一方で、「そんなにうまくいくの？」と正直不安もあります。
この記事では、この「100万円増」公約が何を目指しているのか、いつ・どのように実現されるのか、そして本当に私たちの暮らしに変化があるのかどうかを、わかりやすく解説していきます。
自民党が掲げた「賃金約100万円増」公約が話題に
2025年6月、自民党が次の衆院選に向けて掲げた「平均賃金を約100万円増やす」という公約が注目を集めています。この発表により、ネット上では一気に関連ワードがトレンド入り。政府の賃上げ方針や経済政策が話題になる中、具体的な金額を打ち出した今回の公約には、さまざまな意見が飛び交っています。
実際のところ、100万円という金額はかなりのインパクトがあります。
たとえば、年収が400万円の人にとっては25％のアップに相当し、生活費の見直しや貯金の増加、住宅ローンの返済に希望が見えてくる金額です。家計が厳しいと感じている人にとって、「100万円増えるかもしれない」という言葉には夢があります。
選挙前だけ
— megu💞 (@t3OeLwq1Ky39585) June 19, 2025
自民公約「賃金約100万円増」トレンド入り、ネット「言うだけなら…」「政治生命かけて…」「マジ期待」（スポニチアネックス）#Yahooニュース
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SNS上で広がる期待と疑念の声
一方で、SNSでは「また選挙前の口約束では？」「どうせ実現しないでしょ」といった懐疑的な声も多く見られました。X（旧Twitter）では「言うだけならタダ」「マジで期待していいのか？」という投稿が相次ぎ、リポストや引用で盛り上がりを見せています。
あるユーザーは「保育士の給料も低いままなのに、どうやって一気に100万増やすんだ？」と疑問を投げかけており、医療や福祉などの現場からも「現実が追いついてない」との声があがっています。
期待と疑念が交錯する中、今回の「100万円増」公約は、単なるスローガンなのか、それとも本気の政策なのか——本記事ではその実態に迫っていきます。
１．公約の概要と背景
「100万円増」の根拠とは？経済成長率や物価上昇を前提に
自民党が打ち出した「平均賃金を100万円引き上げる」公約。その根拠として挙げられているのは、経済成長による企業の利益拡大と、それに伴う賃金上昇の波及効果です。具体的には、名目GDPの伸びや、物価上昇率を見込み、結果的に所得が実質的に増えるという想定がなされています。
ただし、実際に100万円もの上昇が実現するかどうかには疑問も残ります。たとえば過去10年間、日本の平均賃金の上昇幅は年間で数万円程度にとどまっており、急激な上昇は現実的ではないとの声もあります。また、非正規雇用や中小企業に勤務する労働者にとっては、その恩恵が届きにくいのではないかという懸念も根強いです。
実現時期と対象は？具体性に欠ける内容への疑問
公約では「数年以内に実現を目指す」とされているものの、明確な時期や対象層に関する言及はほとんどありません。たとえば「平均賃金」といっても、全産業を対象にするのか、大企業中心なのか、あるいは地域差や業種差をどう考慮するのか、詳細が不透明です。
また、100万円の増加が手取り収入なのか、額面での話なのかによっても、受け取られ方は大きく異なります。実際、手取りで100万円増えるためには、額面では130万円以上のアップが必要になる場合もあり、そこにかかる税金や社会保険料の影響も無視できません。
これまでの自民党の賃金政策との比較
自民党はこれまでも「所得倍増計画」や「賃上げ税制」など、賃金引き上げを掲げた政策を打ち出してきました。
たとえば、企業に対して従業員の賃金を一定以上引き上げた場合、法人税を軽減する制度などがありましたが、その効果には限界があり、特に中小企業では浸透しきれなかった実情があります。
2022年以降、岸田政権も「新しい資本主義」の中で賃上げを繰り返し訴えてきましたが、物価上昇に賃金が追いつかない「実質賃金マイナス」が続いているのが現状です。
今回の「100万円増」も、これまでと同様、選挙前のスローガンで終わるのではないかという冷めた見方も少なくありません。
２．ネット上の反応
「期待したい」「給料上がるなら嬉しい」といった好意的な声
「もし本当に100万円増えるなら、家計もかなり楽になる」といったポジティブな声は少なくありません。
特に子育て世帯や、奨学金返済に追われる若年層からは「手取りが増えれば将来設計もしやすくなる」といった期待が寄せられています。
X（旧Twitter）では、「今年の夏のボーナス減ったけど、公約が実現すれば報われる気がする」といった現実と重ねた投稿も見られ、賃上げに対するニーズの強さがうかがえます。
また、ある30代会社員は「これが実現するなら自民に投票するかも」とSNS上で発信しており、有権者としての反応も確実に存在しています。
「また口だけ？」「信じられない」の批判的なコメント
その一方で、「どうせ選挙が終われば忘れるんでしょ？」という冷めた反応も少なくありません。
過去にも政権与党が景気回復や所得増を公約に掲げながら、目に見える成果がなかったことから、「また口約束で終わるんじゃないか」という不信感がにじんでいます。
「100万円って、どこの世界の話？」「介護や保育の現場は今も月給20万円台だよ」といった声も多く、具体的な職種や業界の現実を踏まえた批判が投稿されています。
SNSでは、「実際に上がるのは大企業の一部だけでは？」という懸念も目立ち、格差がさらに広がるのではという指摘もあります。
「政治生命をかけて」と迫るユーザーの強い要求
今回の公約に対しては、単なる期待や批判にとどまらず、「この公約を実現できなければ、次の選挙では絶対に許さない」といった厳しい声も飛び交っています。
「これで上がらなかったら、政治家やめてほしい」「言うだけじゃなくて、実行する覚悟があるのか」といった発言もあり、政治家の責任を問う空気が濃くなっています。
選挙が近づくにつれて、公約への注目度はさらに高まることが予想され、SNS上でも「ちゃんと実現するなら自民支持」「口だけなら他の党に入れる」といった“票の行方”に直結する意見が相次いでいます。
100万円という数字が「信頼の試金石」になっていることは間違いなさそうです。
３．実現可能性と専門家の見解
経済学者の見解：賃金上昇の鍵は中小企業支援と構造改革
多くの経済専門家は、「100万円の賃金上昇」は単なる景気任せでは実現できないと見ています。とくに注目されるのは、中小企業の支援と働き方改革の徹底です。
たとえば、ある経済学者は「大企業だけでなく、全体の7割を占める中小企業の賃上げが進まなければ平均は上がらない」と警鐘を鳴らします。
日本では人件費の増加に耐えられない中小企業が多く、現状のままでは「一部の企業だけが恩恵を受けて平均値を上げる」という“数字のマジック”に終わる恐れもあるといいます。
また、長時間労働や非正規雇用の問題も放置されたままでは、真の賃金改善とはいえません。
賃金アップだけでなく、「働きやすさ」「生活の安定」もセットで改革されなければ、実感ある変化にはつながらないという意見も根強いです。
財源の問題：防衛費・少子化対策とのバランスは？
賃金が100万円上がるとして、それに伴う財政出動やインセンティブはどこから出すのか――この問いも大きな焦点です。
2023年以降、日本は防衛費を増額し、少子化対策にも数兆円単位の予算を投じるとしています。
こうした中で、さらに企業への補助金や減税を通じた賃上げ支援策を打ち出すとなると、財源の確保はますます困難になります。
「無理に賃上げ支援を行えば、消費税や社会保険料の増加で家計が苦しくなる」と懸念する声もあり、“どこを削ってどこに回すのか”という政治的判断が問われる状況です。
市民感覚としても、「賃金が上がるのはうれしいが、同時に税金が上がっては意味がない」との声が多く、国民への説明責任も重くなっています。
公約実現に必要な法改正や民間との連携
「100万円増」を単なる数字の目標で終わらせず、実現に近づけるには、具体的な制度設計と民間企業との連携が不可欠です。
たとえば、最低賃金の引き上げや、賃上げを行った企業への減税強化などの法整備が必要になります。また、労働環境の改善や、再教育支援（リスキリング）による生産性向上も欠かせません。
加えて、企業側が「賃金を上げる余裕がある」と感じられる経済環境の整備、つまり円安・物価高のコントロールや、エネルギーコスト対策など、総合的な政策パッケージが求められます。
単なる「要請」や「お願い」では、これまで同様、形だけの賃上げにとどまることも考えられます。
本気で「100万円増」を達成するには、国・企業・労働者の三者による“腹を括った協力体制”が不可欠だという点は、多くの専門家が一致する見解です。
公約は実行されるのか？
🐺ただの嘘つき🤥
— taro18@6月23日はTRACKLife走行会だ！🤩🍀🛵 (@taro18777) June 19, 2025
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石破氏は2024年12月5日の衆議院予算委員会で、総裁選の際に掲げた政策をそのまま実行するわけではない趣旨の発言をしています。
実際には以下のように述べています：
- 「当選をしたからこのとおりにやるということにはなりません」
- 「我が党はこれまで総裁選で掲げたことを全部やったことがありません」
- 「党内で様々な意見を集めて議論するのが良いところだと考えています」
つまり、「総裁選で掲げた公約をすべてそのまま実行するわけではない」と強調した発言ですが、「公約を守らない」とは言っていません。
切り取りによる誤解
一部で拡散されたショート動画では、「公約を守る気が一切ない」「私もやりません」など、センセーショナルに編集し、悪意ある切り取りが行われたと日本ファクトチェックセンターは報告しています 。
実際には「全部をそのままやるわけではない」という意味であり、「公約を守らない宣言」ではありません。
意図と受け止め方
- 石破氏発言の意図：総裁選での公約は党の議論に持ち寄る出発点であり、独裁的に実行するわけではないという党内民主主義を示したもの。
- 誤解の元：切り貼り動画により、党として公約を守る気がないと主張したかのように印象付けられた。
🔍 結論
石破首相が「公約を守る気が一切ない」と発言したという認識は、事実とは異なります。発言の文脈を踏まえると、「総裁選で掲げた政策は党内の議論を経て判断する」という、政党運営上の当たり前の考え方を語ったにすぎません。
政治の発言は編集次第で印象が変わりますが、彼自身は「公約すべてを否定」したわけではない、というのが正確な理解と言えるでしょう。
まとめ
自民党が掲げた「平均賃金100万円増」という公約は、インパクトのある数字で注目を集めたものの、実現には多くの課題が伴います。
経済成長や企業努力だけでなく、中小企業支援・制度改革・働き方の見直しといった総合的なアプローチが不可欠です。
ネット上では期待と不信が交錯し、「言うだけなら簡単」という声もあれば、「実現すれば生活が変わる」と切実な願いも見られました。
選挙を前にした政策であるからこそ、具体的な計画と実行力が問われています。
最終的に、私たち一人ひとりがこの公約をどう受け止め、どのような未来を望むのかが、投票という行動に反映されることになるでしょう。
100万円という数字の裏にある“本気度”を、今後もしっかりと見極めていく必要があります。
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